第65話 リベンジ・マッチ! マリーベルvsアリッサ開戦!
「アレ、やりました!」
セコンド・エリアに戻ってきたリュカがグッと両こぶしを握った。
「完璧なアレだったな。正直、ここまで上手く決まるとは思ってなかったぞ」
「うんうん、さすがリュカちゃんとフェンリルだよ。もはやこのコンビは世界最強! できないことなんてないわ!」
俺とアスナはリュカの見事な勝利を手放しで褒め称えた。
「えへへ……。ありがとうございます」
本来は想定していなかった後付けシステムのため、ここずっとフェンリルの調整にアスナはかかりきりだった。
だがそのおかげで、俺たちは大金星を手に入れることができたのだ。
ぶっつけ本番で成功させたリュカといい、最低限動くように調整を間に合わせたアスナといい、本当に頼れる仲間たちばかりだよ。
「じゃあ次は私の番ね。行ってくる」
戻ってきたリュカと入れ替わるように、マリーベルがデュエル・アリーナに向かう。
いつもと同じような様子だが、口調が少し固いことを俺は感じ取っていた。
かけたい言葉はいくつもあったが、今さらあれこれ言ったって始まらない。
「悔いのないようにな」
俺はいつも通りの短い言葉をかけた。
「うん、分かった」
マリーベルはそれだけ言うと、デュエル・アリーナに上がっていく。
そこには既にアリッサが待ち受けていた。
マリーベルとアリッサ。
ローゼンベルクの姉妹が再び対峙した。
「アリッサ、この前の借りは返させてもらうわよ」
「たった数日で何が変わるというのですか。ですがその諦めの悪さも、わたしには素晴らしく、また懐かしく思えます。実にローゼンベルクらしい生き様です」
「言ってくれるわね。あまり余裕ぶっていると足元をすくわれるわよ?」
「わたしを思ってのご忠告、痛み入ります」
2人はとても対照的で、アリッサは余裕を崩さず、マリーベルは戦意を昂らせていた。
『さて、こちらも全勝対決! 最強の名を欲しいままにする『バーニング・ライガー』のアリッサ・カガヤ・ローゼンベルクに、彗星のごとく現れた『ライトニング・ブリッツ』のマリーベルが挑む! どちらも強力な炎魔法の使い手だ! どちらの炎が熱いのか!? どちらの炎がより激しく燃え盛るのか!? 互いのプライドをかけたデュエルを刮目して見よ!』
マイクパフォーマンスに合わせて、
「武具召喚! 炎の牙ティンカーベル!」
マリーベルが真紅のレイピアを召喚し、
「武具召喚、紅蓮スザク」
アリッサも真紅の刃を持った『刀』と呼ばれる反りのある剣を召喚した。
アリッサの人気を示すかのように、会場中から割れんばかりの大歓声が上がる。
『両者の武具召喚を確認! 防御結界セットアップ! それでは本日の大一番! 姫騎士デュエル、レディぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ・ファイッ!』
カーン!
ゴングが高々と鳴り響いたと同時に、マリーベルとアリッサの魔法が激突した!
「「炎の矢よ、穿て! フレイム・アロー!」」
互いに50近い炎の矢を一度に展開すると、即座に相手に向かって発射する。
1回きりではない。
50近い炎の矢を次々に発動しては激しく撃ち合う。
エイムも正確で、互いの炎の矢で相殺しあうなど、いきなりハイレベルなやりとりで観客を沸かせるマリーベルとアリッサ。
(炎属性のトップランク姫騎士同士の戦いは派手になることが多いが、これはすごいな)
思わずつぶやいた俺に、
(しかもほとんど互角だもんね)
隣にいるアスナがうんうんとうなずいた。
(どちらも息を吸うように魔法を使いこなしています。とても勉強になります。わわっ、今の見ました!? 一気に50発を撃ち終わった瞬間に、次のフレイム・アローをまた50発連射ですよ!? すごいです!)
さらには反対隣にいるリュカが真面目な顔をしながら、食い入るように身を乗り出す。
2人はある程度、互角の撃ち合いをすると、今度は互いの火矢がぶつかり合って激しく爆発している中へ、まるで鏡合わせのように2人同時に爆風を切り裂くように突っ込んだ。
「「轟炎帯刃! フレイム・オーラ・ブレイド!」」
そして互いの武器に猛烈な炎の魔力を込めて、激しく斬り結ぶ。




