本編② メディアとレオリスのバカンス準備
リゾート惑星への出発を翌日に控えたラグシュオン居住区画のメディアの部屋には日焼け止め、ぬいぐるみやクジラ型フロート、果てはパフェ用スプーンまで散乱していた。
「……あれも持っていこう、日焼け止めは…いらないか、これは持っていこう……って、リオンに『荷物は最小限に』って言われたのにぃぃ、…あれ?」
メディアは散乱した荷物の中から、新品の浮き輪を見つけ、試しに膨らませてみる。
「よーし、これで準備ばっちり!」
早速、どんな具合かと体に通そうとするが
「……あれっ?」
足を通して上げた瞬間、浮き輪がお尻に引っかかり上がらない。
「んんんんーっ……! もうちょっと……もうちょっとで入るのにぃ!」
メディアは部屋の中で飛び跳ねたり、お尻に力を入れて身体をくねらせ、浮き輪を左右に揺らすが結果は同じだった。
「なんでっ……!? わたし、サイズ、絶対に、間違ってないのにぃぃぃぃぃ!」
メディアは試しに頭から被ってみるが胸が引っかかり鎖骨あたりで止まる。
その時、荷物を置きにきたレオリスが入ってくる。
「メルディア、荷物置かせてもら……」
レオリスの言葉が止まった。
目の前には、浮き輪を頭から被りバンザイのポーズでジタバタしているメディアの姿。
「……何をしてるの……」
メディアは顔を真っ赤にして、浮き輪から抜け出そうとバタつきながら答える。
「あ、レオリス〜!ちょっとこれ取ってよ〜!」
レオリスはしばらく呆気に取られていたが、やがてため息をつき
「……メルディア、ちょっと座って」
メディアがその場に正座すると、レオリスは浮き輪を両手でつかみ、ぐっと引き上げた。
「次は買う前にサイズを確認した方が良かったんじゃない?」
レオリスは心配そうに言うと
抜け出したメディアはほっとして笑い、しかし負けじと返す。
「だって〜、サイズ合ってると思ったんだもん。……あ、そうだ!」
メディアはすぐに気を取り直すと、クローゼットを開け、十数着あるスリングショット水着の中から二着取り出してレオリスに見せる。
「ねえレオリス、どっちがいいと思う?こっちは白いスリングショットで、こっちはピンク!」
「え?……いや、どっちも一緒じゃないの?」
呆れるレオリスに、メディアは頬を膨らませる。
「一緒じゃないの!ピンクはお尻の面積が狭いから艶力効率が良くて、白は面積が広いけど可愛いの!」
「いや、普通ので良くない?!」
「これがわたしの普通なの!」
レオリスは開けっぱなしのクローゼットに並ぶ十数着のスリングショット水着を見た。
「……そうだね」
結局、三、四日の滞在中に両方着るということで、メディアは二着とも鞄へ放り込んだ。




