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指輪を拾ったら重いくらいに愛されました〜魔術師の最愛〜  作者: 漆原 凜


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3/3

婚姻

婚姻の準備が進められる。ギル様は私にとにかく甘い。私が望むようにと全て決めさせてくれる。私は一緒に選んだり一緒に考えたりしたいのに、興味がなくてなんでもいいのかな…って少し不安になる。


ふと足元を見ると久しぶりの指輪だ。ギル様のところへ行けってことかな?んーーー行くか!私は準備をし魔術師団へと向かう。面会の申し込みをし中に入れてもらう。前回と違いまじまじと見られる事も減り皆さんが好意的だ。


久しぶりにカイル様に会い、もうすぐ婚姻ですねって言われるが…そうですねとなる。どうかしましたか?と聞いてくれるが難しい。好きにしていいと言ってくれるのを、一緒にしてくれないから嫌だなど言える訳がない…。ただのわがままだ。やっぱり帰ろう。


「これ…渡しといて貰っていいですか?」


いや、無理です!ご自分で!と即答される。あまりの速さに笑ってしまう。グイッと急に手を引かれ驚くとギル様だ。いつもと違い冷たい目をしている。どうしたのだろう?


来てって連れて行かれソファーに座らされる。ギル様はとても悲しい顔をしている。


「結婚嫌になった?辞めたい?優しいカイルがいい?…でも離してあげられないよ。」


ん?何故そんな話に?え?って思っていると、抱きしめられ唇を重ねられる。側にいてって言いながらギューて抱きしめられる。


「あの…ギル様?私結婚嫌になってませんよ?早く一緒に住みたいです。」


「…え?最近ユイが準備の度に悩んでるって聞いて…辞めたいのかと。」


「お兄様から聞いたのですか?私はギル様が何でも良いって言うのに悩んでるのです!どうでもいいのですか?私は一緒に選びたいのに!」


違う!そうじゃないって慌てている。母に男が準備に口を出すものでは無い!って…嫌われるわよ!って言われたと落ち込んでいる。


「私だって選びたいのを我慢して耐えてた。でもユイが選ぶのが1番だとも思っていて」


「私はギル様と一緒に選びたいです。一緒に悩んで共に進みたいのです。してくれますか?」


もちろんだよって口づけされる。それはまだ早いですと止める。あとコレ指輪ですって渡す。久しぶりですよねって言うと私達がすれ違ってたからじゃないかな?もう現れないよって笑いながら言われた。意味がわからない。


「これからも悩むことはいつも相談しながら決めましょうね!」


もちろんと笑い合う。その後2人で話し合いながら選び決めた婚姻式はとても素敵なものになり、一生の思い出となった。



ーーーーギル様Side


「はぁー今日も声かけられなかった…」


昔から腐れ縁で長い付き合いであるアレンが、わざわざ遊びに来てまたいつもの様に呟いている。なんでも好きな子がいて、ずっと話かけられずに悩んでいるらしい。


「何が楽しいのだか。」


「お前にも好きな子が出来ればわかる!」


出来るわけがない。昔から人に興味がない。親からも縁談を言われるが、会いに行きたくもない。しかし周りが縁談としつこいのは煩わしい。手っ取り早く結婚相手に会える方法は無いかと思い考える。そうして指輪が出来上がった。筆頭魔術師の私には不可能など無い。


ある日指輪が消えた。は?どこに行った?指輪は私の魔法なので検知出来る。公園か?検知した場所へと向かう。簡単に言うと花の妖精がいた。あぁこの子だって思った。離さない。即座に誘い約束を取り付ける。


私はすぐに親の元へ急ぎ結婚する旨を伝えると両親は驚いていたが、結婚するなら何でも良いと受け入れている。


翌日待ち合わせ場所へと緊張しながら向かう。私が人に会うのにこんなに胸を弾ますなんて初めての経験だ。現れた彼女はやはり妖精のようでとても可愛い。求婚をすると親の意向によるので勝手に答えられないと冷静に判断し、簡単に流されない姿にさらに好感度が上がる。彼女が欲しい。指輪をまた渡され、やはり彼女が相手だと確信をする。


家に帰りすぐに彼女の家に婚姻を申し入れた。私からの申し入れを断らないと思うが返事がくるまでずっと緊張した。彼女と出会ってから私は人になれた気がする。恵まれた環境で魔法以外何にも興味が持てず暮らしていたのが、やっと血が通ったように感じる。


彼女の両親に挨拶に向かった時も非常に緊張した。陛下に会うときでも緊張などした事が無かったのに。彼女を包む全てに嫌われたくなくて必死になった。こんな私を穏やかと言ってくれる彼女をもっと大好きになったし、同じように好きになってもらいたい。


ある時彼女が魔術師団に来てくれた。副師団長にはからかわれたが、人っぽくて良いんじゃないですか?て言われる。笑われた時に脅した事を密かに反省をした。


「どうしたら好かれるのだろうか?」


「え?かなり好かれてる様に見えましたけど。」


ん?本当に?嬉しく思う。本当師団長は婚約者様に関しては表情が違いますねって言われる。笑っていたらしい。職場では引き締めよう。


家族での食事に誘ってもらえて緊張しながら向かう。兄上と会うのは初めてで王宮勤めと聞いているから普段の私の様子を知っているのだろう。胃が痛い。


しかし彼女の兄なだけあってとても良い人だった。気軽に話してくれ彼女の事も色々教えてくれた。嫌われなくて良かった。


そうして婚姻準備が進む中、母に男が準備に口を出すものでは無い!嫌われるわよ!って言われた。え?そうなの?私は常識があまり無いので母が言う事ならと従う。


「ギルバート殿!今いい?」


ある日兄上に話しかけられる。用事で魔術師団に来ていたらしい。


「お久しぶりです。どうされました?」


「なんか…最近大丈夫?ユイが何も選びたく無いって凄い悩んでるよ。ケンカとかでは無い?婚姻に悩んでるのかな?」


目の前が真っ暗になる。え?何に悩んでいるのだろう。今日聞きに行こうと思っていたら、彼女がいる。何度見ても魔術師団に彼女が来ている。カイルと楽しそうに笑っている。そこからはあまり覚えていない…彼女に色々怒られ反省する。


これからは母などの言う事は聞かず、必ず彼女に聞くようにしよう。


ーーーー


「ギル遊びに来たー。ねぇどうやったら話しかけれるかな?」


アレンが久しぶりに遊びに来て愚痴っている。こいつまだ話しかけてないのか?嘘だろ…私は婚姻間近だぞ?


「認識はしてもらえてるのか?」


「いや、知らないと思う。いつも朝と帰りに見守ってるのだけど、タイミングがさー。」


「ストーカーか!どれだけ見てたら気が済むんだ!声かけろ!!」


「うるさい。声かけられるならとっくに話しかけてる。」


「これ貸してやる!お前の運命があの子なら出会える。違う相手が運命ならそっちへ行け。」


意味がわからないと言いながらアレンは帰って行った。想い人が届けてくれた!ついに話せた!て嬉しそうに笑う。


どれだけ冷たくしても離れずに変わらず友人を続けてくれた友への、僅かながらでも恩返しになれば嬉しい。人に興味の無い私だが、この優しい友人の幸せを心から願う。


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