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指輪を拾ったら重いくらいに愛されました〜魔術師の最愛〜  作者: 漆原 凜


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1/3

突然

「私と結婚していただけませんか?」


素敵な喫茶店の個室で綺麗な方に求婚をされている。何故こんな事になっているのかを、昨日を振り返りながら考える。


ーーーーー


「本当綺麗ね。お花の良い匂い。」


「ユイ様気をつけてください。ふらふらしてたら転けますよ。」


侍女のアスカに注意をされる。家族から花が見頃だと聞いていつもの護衛と共に、3人で公園へと散歩に来ていた。確かに花々が咲きほこりとても綺麗でしばらく散策を楽しんだ。


途中公園のカフェに立ち寄りながら、私は公園を満喫していた時ふと見ると指輪が落ちている。


「アスカ見て。綺麗な指輪が落ちているわ。」


私は拾い綺麗ねぇと見る。管理事務所に届けてきますとアスカが言ってくれて渡そうとしたら、すいませんと声をかけられる。


「指輪私が落としてしまって…」


白い髪に青い瞳で背が高く、質の良さそうなマントを纏いとても人とは思えない綺麗な人だ。花の精霊だと言われても納得するくらい美しい。


「これですか?ココに落ちてましたよ。見つかって良かったですね。」


どうぞってその方に渡す。一瞬戸惑っていたけれどありがとうって受け取る。白いお肌がとても綺麗で、どんなお手入れをしているのか気になる。


「あの…拾っていただいたお礼がしたいのですが。」


「え…ココで拾っただけなのでお気遣いいただかなくても大丈夫ですよ?」


どうしてもと懇願され、私はわかりましたと承諾する。拾っただけなのに丁寧な方だな。


「私は魔術師団に所属をしておりますギルと申します。ギルと呼んで下さい。お名前をお伺いしてもよろしいですか?」


「ユイです。ディクソン子爵家の娘です。ギル様本当にお礼などよろしいのですよ?」


「いえ、明日お茶をごちそうさせてください。このお店を予約しておきますので、1時頃お越しください。」


メモを渡されギル様は仕事に行くと急いで立ち去った。


「ユイ様…見知らぬ方とお約束されるのはどうかと。」


「悪い人では無さそうだし、ご厚意は断りづらいわ。それにあんな熱心にお礼したいと言われたら…きっとそれだけ大事な指輪だったのよ。」


はぁとため息をつかれながら、明日だけですよって納得してくてた。メモを見ると今話題のお店で1度行ってみたいと思っていた。拾っただけなのに、私だけが得をしているようで少し申し訳無い気になる。


「とても綺麗な方でしたね。」


「本当に!一瞬お花の精霊が現れたのかと思ってしまったわ。あの方とお茶だなんて緊張してしまうわ。」


でも知らない人について行ってはダメですよって言われながら、また公園の散策を続けお家に帰った。


「魔術師団のギル様ってご存知ですか?」


帰ったらお兄様がいたので聞いてみる。お兄様は王宮に勤めているので魔術師団の事もわかるだろう。


「…ギル?ギルバート様かな?」


「ギルバート様ですか…ギル様とだけお伺いしました。白くとても綺麗な方です。」


「じゃギルバート様だ。冷徹無情と有名であの人間離れした見た目も相まって近寄りがたい方だよ。会ったの?」


実は…っと朝あった事を説明し、明日会うことを話をした。あのギルバート様がって驚愕している。


「珍しいのですか?」


「令嬢を誰も寄せ付けないって聞くよ。数々の縁談も断っていると。そんなに大事な指輪だったのかな?」


きっとそうですよってお互い飲み込み、お兄様に教えていただいたお礼を言う。少し不安になったけれど、実際会ったギル様は穏やかそうだったし大丈夫なはず。明日会うだけだし!と自分自身に納得をさせた。


ーーーーー


「お待たせしました。申し訳ございません。」


時間に指定されたお店に行くとすでにギル様は待っていた。来た所ですと手を差し出されエスコートをしてくれる。やはり優しい方なんだわ。知らない人が噂してるだけなのよ。


「足を運んで頂き申し訳無いです。場所はすぐわかりましたか?」


「はい!1度来てみたいと思っていたお店だったので、すぐにわかりました。拾っただけなのに得しました。」


「良かったです。あまりお店には詳しく無いので喜んで頂けて幸いです。」


あ、そうだ!って思いハンカチに包んだ物を渡す。ギル様は少し目を見開き受け取る。実はココにくる手前でまた指輪を拾ったのだ。


「また落とされたのですか?気をつけてくださいね。」


「実は…この指輪は不思議な魔法がかかってまして、急にいなくなるのですよ。でもこのように戻ってくるようになっているのです。」


そんな指輪があるんだ!不思議。ギル様の手にある指輪をジッと見つめる。


「とても綺麗ですね。」


本当にと私を見つめギル様が言っている。私に言われてるようでドキドキしてしまう。好きなのを注文してくださいって言ってくれ、ケーキと紅茶のセットをお願いする。


落ち着いた店内で木々に囲まれ素敵なお店で、とても話題になっているのがわかる。


「私と結婚していただけませんか?」


ここで冒頭に戻る。ん?結婚?いきなり?ギル様は天気の話でもしてるくらいの感じで言っている…本当に結婚と言った?全然飲み込めない。


「えーっと、まだお会いするの2回目ですよね?何故なのでしょう。」


「私は毎日のように縁談話をされ正直辟易しておりました。しかし昨日貴方に会い好ましく思い、今日さらにそうだと確信したので求婚させて頂きました。いかがでしょう?」


「あぁ…えっと家族に聞かないと。私の独断ではお返事出来ません。すいません。」


フフッと笑い、そういう所も好ましいですっと微笑まれる。美人の笑顔は破壊力がある。どこが冷徹無情なのか会って以来ずっと穏やかな人だと思う。


「ではご自宅に婚姻の申し入れをしても良いですか?それでご家族に判断頂ければ。」


「はい。家族の判断に任せます。本当に私なのですか?ギル様はとても人気があると聞きました。いくらでも素敵なご令嬢方がいらっしゃるのでは…」


「いえ、貴方が良いのです。ユイ様は始めから私の心を掴んで離しません。このような出会いはもう2度とないでしょう。」


お待たせしましたとケーキセットが届く。キラキラとした果物が乗ったケーキがとても美味しそう。召し上がってくださいと勧めてくれていただく。んーー美味しい!甘くて凄くみずみずしい果物が美味しすぎる。ふとギル様を見ると凄く優しい顔で私を見ている。いつから見ていたのだろう。恥ずかし過ぎる。


「とても美味しいです。連れてきていただけて嬉しいです。」


「もっと食べてくださいね。食べているユイ様は可愛くていくらでも見ていられます。」


ギル様はニコニコとお茶を飲んでいる。私求婚されてたんだった!ケーキの美味しさに先程の話がすっかり飛んでしまっていた。悪い人では無いし魔術師様で条件も悪くない…ただ綺麗すぎる。この人と毎日生活出来るかって言われると不安でしかない。まぁ本当に申し入れされるかわからないし、来たら家族に任せよう。


「美味しかったです!本当にありがとうございました!指輪を拾っただけなのに。」


「指輪を拾う事が大事だったのですよ。急ぎご自宅の方へ申し入れさせて頂きます。またご一緒出来ることを願っております。」


手を取り指先に口づけをされる。私は呆然とし気づくと顔が真っ赤になってしまっている。だから破壊力が凄いんだってと見送ってくれるギル様を見ながら思う。


帰り部屋で寛いでいると、お父様に呼び出された。何ですかー?とリビングに向かうと母と兄もいる。どうしたのだろう。座りなさいと言われソファーに腰をかける。


「婚姻の申し入れが来た。心当たりはあるか?」


「もう来たのですか?早いですね。」


あるのかーと頭を抱えている。お父様は今までそんな話全く無かったではないかと呟いている。


「そろそろユイにも相手を探さないといけないとは思っていたが…これは断れない。ユイはそれでいいのか?」


「ギル様には家族の判断に任せますって伝えてあります。え?そもそも断れないのですか?」


3人がため息をついている。ギル様が魔術師様なのはわかるがそれほどなのだろうか。


「ギルバート様は魔術師団の中でも筆頭魔術師で公爵家の方だ。嫡男は別の方だが公爵家の別の爵位を賜るだろう。筆頭魔術師という事もあり完全に雲の上の方だ…。」


唖然としてしまう。そんな凄い方だったなんて。お兄様昨日の時点で教えてくださいよ!


「そんな方が私でいいのですかね?」


「わからぬ。わからんが申し入れされた以上受ける他無い。断れないがユイはそれでいいのか?」


「穏やかで素敵な方でした。ギル様が良ければ私は大丈夫です。」


お兄様が驚愕している。どうしたのだろうか。穏やかだと?ギルバート様に穏やかという表現を使うのはユイくらいだよって言われる。


「近寄りがたいって言っただろ?魔術師団でも笑わない喋らない関わらないの方だぞ。」


違う人では?って聞くがあんな方他に居ないと言われてしまう。んーわからない。


受けるって事はすぐ婚約だからな!と念押しされ頷く。婚約し準備が整ったら婚姻…一緒に生活できるかな。

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