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のじゃロリ魔王姫さまはNPCじゃありません!~ネタキャラ? いえ、レアキャラです!~  作者: 十一屋 翠
第4章 幻妖大陸大戦編

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第47話 そういえば領主でした

 魔王から決闘の褒美が送られてきた。


「水着衣装なのじゃ……」


 送られてきたのは水着……ではなく呼び声の彫像の水着verだった。モデルは俺。


「便利じゃけど! 便利じゃけどーーーーーーっ!!」


 何で俺なんだよ! 何で水着なんだよ! 何で白スクミズの色だけ再現してるんだよ!!

 ギルドメンバーは毎日これの前にワープしてくるって考えてる運営!?


「ご神体が増えたねぇ」


「カッシーもいるから水の加護が貰えるって勘違いされそうだよな」


 やめて、町の住人が白スク水の彫像に水難除けの祈願する光景とか見たくない。


「これは屋敷の奥深くに隠しておくのじゃ」


「領主様、魔王陛下から下賜された美術品を隠すのはどうかと。小さな品でしたら盗難防止の理由になりますがこれ程大きな品となると来客に見える様に展示しない訳には参りません」


 やだー、自分のスク水姿なんて飾りたくないー。


「諦めて設置しろって。傍に背の高い花でも飾っておけばバレにくいだろ」


「それじゃ!」


 モヒカンのアイデアに俺は立ち上がる。


「セバスティアン! 彫像は中庭の一角に設置するのじゃ! しかし陛下から頂いた彫像を野ざらしにする訳にはいかん!社を立てるのじゃ! 勿論盗難防止のために蓋と鍵も付けておくようにな!」


「畏まりました。これ程の品を展示するための建築物とあれば、大工や彫金師達もやる気になるでしょう」


 うんうん、あとは理由を付けて蓋を閉めて鍵をかけっぱなしにしておけば完璧だな!!

 ……などと思っていた事もありました。

 だが俺は異世界……設定の技術を甘く見ていた。


「姫様! 社が完成しました!!」


「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!?」


 数日後、大工達が完成させた社は、俺の想像の遥か斜め上空を大気圏突破するシロモノだった。

 まず先に俺のイメージを言っておこう。

 俺が考えていた社は仏壇のイメージだもしくは道端にある小さな社。

 蓋を閉じる事で中身が見られなくなるアレだ。


 が、大工達が作った社は隠すという概念が無かった。

 スッケスケだったのである。

 まるでガラスケースのようなそれは、中の彫像を隠すどころかよりド派手に存在感を示していた。


「おお! なんと素晴らしい! これは魔金剛水晶か!?」


 何それ!?


「はい! 硬度と透明度を併せ持つ高級水晶、魔金剛水晶を贅沢に使った社です!」


「社を支える透明な柱も素晴らしい。おお!? 柱に絡みついているのはミスリルで作ったドラゴンか!」


「その通りです! 柱は水柱をそしてドラゴンはカッシー様をイメージして掘り込みました!」


「彫像を保護する鍵も武骨な者にならない様に装飾に見える様にデザインしました! 我ながら会心の出来ですよ!!」


「素晴らしい! 君達に頼んで正解でした! いかがですか領主様!!」


「「「「……」」」」


 職人達の期待と不安に満ちた視線が突き刺さる。


「うん……あまりに素晴らしい出来に感動したのじゃ……」


「「「「わっ!!」」」」


 領主様のお褒めの言葉を受けて、職人達の顔が歓喜に染まる。

 うん、本当に出来は良いんだよ。中身さえ見なければ。


「わー凄いね。もう聖域だよアレ」


「ああ、神々しいな。白スク水だが」


「まさにご神体だな。遠からず民に女神として信仰される光景が目に見える」


 いやだよ白スク水の女神なんて!!

 こうして、マルシェラ領に非常に不本意だが新たな観光名所が誕生したのであった……


 ◆


「領主様、本日は領主としての仕事をして頂きたいのですが」


 ゲームにログインして冒険に出かけようと思ったらセバスティアンに止められた。


「領主の仕事は家臣がやってくれているのではなかったのか?」


「領内の事務仕事なら問題ないのですが、今回は魔王陛下直々のご指名です」


 あーそう言うことか。

 社長直々の命令じゃ逆らえないよな。


「分かったのじゃ。それで何をすれば良いのじゃ?」


「以前行われた国交回復の調印式を覚えていらっしゃいますか?」


「勿論じゃ」


 色々と酷い目にあったからよく覚えてんだよな。


「あの件で交流を再開した鱗族の大陸から、我が国に駐在する大使が来ることになりました。つきましてはこの町に大使館を建設したいとの事です」


「何でわらわの町なんじゃ? そういうのは王都に作るものではないのか?」


「先方の強い要望だそうです。彼等はドラゴンを信奉する種族ですし、過去に因縁のある我が国と交渉をするとなれば姫様以外の適任者がいないのも事実です」


 あー、確かにアースドラゴンの魔王核で進化した件で妙に気に入られてたもんなぁ。


「どのみち魔王陛下の命令では逆らえん、じゃな?」


「仰る通りです」


「分かった。では大使館の建築を急いでくれ。じゃがまずは仮住まいからじゃ」


「仮住まい……ですか?」


 セバスティアンが怪訝そうな顔になる。


「異種族じゃからな。我等魔族に適した構造の建物は暮らしづらいじゃろう。知っておるか? あの者達の尻尾は話で聞く以上に太く長いぞ。わらわ達の使う椅子は彼等には適さぬじゃろう」


「成る程種族の違いを考慮して大使館を立てるという事ですか」


「うむ、その為にも本人達の希望を聞くべきじゃ。それまでの仮の住まいとして暫定大使館を用意する」


「はっ! そのように取り計らいます」


 まさかの鱗族が来るとはなぁ。

 いや、国交回復イベントが起きたのはそこそこ前だから寧ろ遅いくらいか?

 というか色々イベントがあり過ぎて他の大陸に行く暇がなかったよ!


「うーむ、興味はあるし乗り遅れる前に他大陸への遠征、するべきか?」


 既に乗り遅れている気はするが、ちょっと皆に相談してみるか。


「という訳なのじゃがお主等はどうしたい?」


 さっそく皆が集まったタイミングで相談してみる。


「どっちでもいいと思うぜ。お嬢の転移アイテムがあれば帰りはすぐだしな」


「以前にも話しましたが、他の大陸も基本的には我々と大差ありません。ただ種族特徴や文化からくる常識の違い、またその大陸特有の自然現象などが大きな差ですね」


「逆に装備品はその大陸の種族用の物ばかりだから共通アイテム以外はあんまり旨味が無いみたい。その大陸限定の素材は価値があるけどね」


「ガメッツとかはとっくに人を動かして他の大陸にも手を伸ばしてるらしいぜ。お嬢の転移アイテムのお陰でボロ儲けしてるみたいだしな」


 ガメッツはフットワークが軽いなぁ。


「よし、鱗族の件が解決したら他の大陸に行くのじゃ!!」


「「「おおー!!」」」


 その為にも鱗族達を歓迎しないとな!!」


 ◆


 それから数日後、王都から鱗族の大使達がやって来た。


「鱗族の大使達よ、歓迎するのじゃ!!」


「お久しぶりですドラゴンの使者様!!」


「はえ?」


 え? 久しぶり?」


「オレです! 鱗族の代表としてお会いしたゴムレバです!」


「おお! あの時の!!」


 調印式の時にいた鱗族か。成る程確かにあの場にいた人物なら駐在大使になるのも納得だな。


「ドラゴンの使者様、部下を紹介します。こちらはオレの昔からの部下でジゼリと言います」


「ジゼリです。よろしくお願いしますドラゴンの使者様」


 ジゼリと呼ばれた鱗族は妙にガクガクと挙動不審な様子で挨拶をしてくる。


「マルシェラ=リム=オーヴァロドじゃ! なにやら緊張しておるようじゃが、楽にするが良い」


「は、ははーー!」


 あかん、逆効果だったか。ひれ伏しちゃった。


「ははは、ジゼリは緊張しているようです。ドラゴンの使者様のお力は以前よりも更にお強くなっているようですからな」


「む? 分かるのか?」


「ええ、ハッキリとドラゴン様の力を感じます」


 前に会った時といい、鱗族にはなにかそういう特殊能力があるんだろうか?


「ところでそちらの者達は紹介してくれんのか?」


 俺は後ろで手持無沙汰にしている鱗族達に視線を送る。


「これは失礼しました。この者達は最近取り立てた者でして、サケガノメルゾとニンニクマシマシです」


「……うむ」


 間違いないこのふざけたネーミングは間違いなくプレイヤーだ。

 しかもパンケーキングの同類だ。

 何故ゲーマーはふざけた名前を付けずにはいられないのか……永遠の謎だ。


「よろしくおねがいします!」


「っす」


 まぁ良いや。とりあえず大使側にプレイヤーがいる事が分かったのは収穫だろう。


「それでは大使館に案内させよう。とりあえずは仮の宿舎を用意させた。その後改めてお主達鱗族の体に合わせた大使館を建てる予定じゃ」


「なんと! 我等の為にそこまでしてくださるのですか!?」


「お主達風に言えば龍の導きという奴じゃ。遠慮なく要望を言うが良い」


「感謝いたしますドラゴンの使者様!!」


「「「ありがとうございます!!」」」


 ふぅ、どうなるかと心配だったが、思った以上に穏便に済んだな。

 あとはセバスティアン達に任せて俺達は他の大陸に遠征する準備をするとしよう。


「クォォォォォォン!!」


 と、その時だった。

 カッシーが器用に窓を開けて顔を覗かせて来た。


「「モ、モンスター!?」」


 驚いて戦闘態勢に入ろうとするプレイヤー達を制する様に、俺は彼等とカッシーの間に立つ。


「おおどうしたカッシー? ああ、そろそろ食事の時間か」


 カッシーは見た目の大きさ通り結構な大食漢だからな。

 サバンナに連れて行ってお腹いっぱいモンスターを食べさせないと。


「え? そ、そのモンスターアンタ、いやええとお姫様のペットなんすか?」


「うむ、カッシーはわらわの家族じゃ」


 実質ペットなんだがドラゴンを神様扱いする鱗族の前でそれを言うほど馬鹿じゃない。


「すまんがカッシーの食事の時間なのでな。わらわ達はこれにて……」


「「ド、ドラゴン……様?」」


 と、ゴムレバとジゼルがあんぐりと口を開けてこちらを見つめていた。

 そして我に返るとすぐさま土下座を始める。


「「ドドドドドドラゴン様!? 何故ドラゴン様がこちらに!?」」


「あー、食事の時間じゃからきたんじゃよ」


「ドラゴン様が食事!? 我等の肉をご所望ですか!?」


「いらんいらん、モンスターを食べさせるんじゃ」


「なんと! 是非我々もそのお姿を拝見させて頂きたい!!」


「まぁ構わんが」


「「ありがたき幸せ!!」」


 大喜びする二人の姿に困惑の視線を送るサケガノメルゾ達。

 うん、まぁビックリするよね。


 という訳で俺達はゴムレバ達もつれてサバンナにやってくると、さっそく『魔姫咆哮』を発動して歌を歌う。

 それを聞いた魔物達が混乱状態になり、更に魅了状態になるとフラフラと近づいて来たカッシーが美味しく戴いてゆく。


「おお! なんと雄大な食事風景!!」


「か、感動です! ドラゴン様の食べる姿を見られるなんて!」


「歌で引き寄せて食べるとかどっちがモンスターなんだ?」


「そういうスキルってこったろ。けどこんだけ大量の魔物を支配するスキルをプレイヤーが使えたらバランス崩壊ってレベルじゃないな」


 実はプレイヤーのスキル何ですよ。

 現に今もカッシーが食べたモンスターの経験値は俺に送られていたりする。

 更にカッシーの食べ残はドロップアイテムとしてポップしていたりする。


 そんな生活を繰り返しているせいで、実はかなり経験値が溜まってたりするんだよね。


「クォーン!」


 お腹いっぱいになったカッシーが満足げな声をあげると、ゲームシステムのポップアップが表示される。


『勝利』


『経験値12500』


 一日三食限定とはいえ、歌うだけで経験値が手に入ると考えると破格のボーナスだよなぁ。

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― 新着の感想 ―
毎回歌で経験値とっていたら 次の進化先も唄関係なのでは?
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