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天真爛漫ツンデレスク水宇宙人ガオぷぅは恋を知らない

「宇宙船が直るまで、お前の家に住むのだ。」


「いやいやいや!」


しろとは思わず立ち上がる。


「なんでそうなる!」


ガオぷぅはきょとんと首を傾げた。


「だめなのだ?」


「だめっていうか……普通はそうならないだろ。」


ガオぷぅは少しだけ目を伏せる。


「でも……帰る場所、ないのだ。」


その一言で、部屋が静かになった。


しろとは小さく息を吐く。


「……本当に?」


「本当なのだ。」


しょんぼりと垂れたトラ耳を見ていると、嘘をついているようには見えなかった。


「……分かった。」


ガオぷぅが顔を上げる。


「宇宙船が直るまでだからな。」


ぱぁっと笑顔が咲いた。


「ほんとなのだ!?」


「ああ。」


「やったのだーー!」


勢いよく抱きつかれ、しろとは慌てて受け止める。


「うわっ!」


「ありがとうなのだ!」


「だから近いって!」


ガオぷぅは満面の笑みを浮かべた。


その笑顔を見たしろとは、思わず苦笑する。


(……明日また考えよう。今日はまあ、いいや。)



夜。


「ふぁぁ……。」


ガオぷぅが大きなあくびをする。


「眠くなってきたのだ。」


「じゃあ布団用意するから。」


しろとが押し入れを開ける。


予備の布団を抱えて振り返ると――


「あれ?」


ガオぷぅの姿がない。


「……どこ行った?」


部屋を見回した次の瞬間。


「ここで寝る。」


いつの間にか、しろとのベッドへ潜り込んでいた。


「……そこで寝るの?」


「ここで寝る。」


「俺のベッドだけど。」


「知ってる。」


当たり前のように答えると、ガオぷぅは布団をめくり、ぽんぽんと隣を叩いた。


「しろとも寝るのだ。」


「いやいや、布団あるから。」


「いらない。」


「なんで。」


「ここが落ち着く。」


言うが早いか、ガオぷぅはしろとの腕へぎゅっと抱きついた。


やわらかな感触に、しろとの肩がびくっと震える。


「お、おい!」


「……あったかい。」


満足そうに頬をすり寄せるガオぷぅ。


本人に照れた様子はまったくない。


「俺のこと抱き枕だと思ってる?」


「思ってる。」


「やっぱり思ってた……。」


しろとは苦笑しながら肩の力を抜いた。


ガオぷぅは安心しきった表情で目を閉じる。


「おやすみなのだ。」


「……おやすみ。」


返事をした頃には、もう小さな寝息が聞こえていた。


「寝るの早いな。」


しろとは天井を見上げ、小さく笑う。


「……なんでこんなことになったんだ。」


けれど、不思議と嫌な気はしなかった。


こうして、人間と宇宙人の、少し騒がしくて、少し不思議な同棲生活が始まった。


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