【53】 魔法を売却!?
事情を聞くとこうだった。
例の『2億』の借金のせいで、魔法を売ってしまったらしい。あー、そういえば『スキル売買』の市場があったな。あれは『帝国』にしか存在しないけど。
「ということは、今使える魔法は何があるんだ?」
「言ったでしょう。一番得意なのは闇の魔法だと。ですから、唯一残っている魔法が闇属性魔法の『ダークコメット』のみです……」
ちなみにそれ、ボスとかに大ダメージを与えられる最強の闇属性魔法だぞ。なるほど、ダークエルフの血のせいか、それだけは形見のように残したわけだ。でも、なんでもは出来なかったわけだ。やれやれ。
「十分じゃないか。でも、詠唱時間が半端なく長いだろうし、すぐは発動できないわけだ。ああ、あと魔力消費量もケタ違いか」
「……はい」
そうなると、期待できるのは――
「なによ」
「ソレイユ、前衛は俺とお前だな」
「あたしだけで十分よ。カイトは、回復とか補助アイテムを投げてくれれば助かるかな」
「ポーションピッチャーしろってか。まあいいか。アイテムを投げるのは得意だ」
女の子に前衛を任せっきりというのも心苦しいが、俺が出たところでかえって邪魔になるかもしれない。まあ、ソレイユは帝国の騎士で強いし、問題ないだろう。
「ヒールはわたしにお任せを」
「ああ、ルナ、でも無茶は禁物だ。回復アイテムも十分あるし、それと合わせていこう」
「はい、分かりました。それでは、何時でもおっしゃって下さいね」
ニコッと微笑むルナは、天使だった。
「あー、はいはい、そこ見つめ合わない。いくわよ」
ソレイユが邪魔してきた。
おのれ、モミアゲ!




