【43】 女騎士の悩み
一部トラブルはあったものの、ようやく仕事を終えた。
「………………疲れた」
もうヘトヘト。動けない。
みんな俺の補助をしてくれたし、ちゃんと働いてくれた。おかげで、取引は全てうまくいき、今日も途轍もない売り上げを計上した。
「…………1.8億セルか、やったなあ!」
「「「…………」」」
喜びの声はない。
ルナは疲労で、俺の隣に座って休憩をしていた。ミーティアも同じくぐったり。ソレイユは目の前の席で紅茶を優雅に啜っていた。俺もまた紅茶を味わっていた。
「……カイト」
「なんだ」
「あたし、豊胸したい」
「ブッ――――――!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
俺は紅茶を盛大に噴いた。
ソレイユの顔面とかに掛かった。
「うわっ、汚いわね……あぁ、もうベトベト」
「す、すまん。というか、いきなり何だ」
「いいでしょ~、儲かったんだから。ほら、あたしだって仕事したじゃん。それに対する賃金があってもいいはず。まさか、無償とか言わないわよね、そんなブラックじゃないわよね」
ソレイユは正しい。
このイルミネイトの経営者として、労働者に対し『給料』を払うのは当然だ。
だが、
「豊胸はしなくていいだろ」
「……悩みだもん」
ま、確かに……服越しだが、ソレイユの胸はぺったんこ。ミーティア以下ってのも、ちょっと気の毒ではある。
「カイト、誰と見比べているのかしら」
「いや……。けどな、ソレイユはぺったんこの方が魅力あるぞ」
「はぁ? キモ……」
なぜかすげぇ蔑まれた。こわっ、この女、たまにこわっ!
「冗談よ。そう言ってほしそうな顔だったから」
「冗談かよ。一瞬びびったわ。って、そんな顔しとらんわっ!」




