【37】 宣伝効果
次の日。
どこで噂を聞きつけて来たのか、客が大量にやって来た。半分が売り、買いってところで示し合わせて来たかのように長蛇の列があった。
「ス、スゴイことになっとる!!」
……いかんな、この事態は予測していなかった。
いったい誰だぁ、噂を流したアホは。
「カイトやったわね、これで稼ぎまくりじゃーん」
「ソレイユ貴様か!」
「? なんのこと~?」
「店を勝手に宣伝したのか」
「あ~、軽くね」
「これのどこが軽くだよ!? ざっと『50人』はいるじゃないかっ、ありがたいけど! でも、接客が大変だぞ、これ」
「手伝ってあげるわよ。その為のあたしだもん」
「う~ん、そうだな。もう猫の手も借りたい。ルナとミーティアも頼む」
「分かりました」「りょーかい」
◆
俺は一日かけて『50人』を接客した。
最初は疲れるだけだったが、しかしどれも有意義で、納得の取引となるとみんな笑顔にあふれていた。
小遣いを得た者、大金を得た者、Lv.5程度だった者が一気にLv.300やLv.1000になったりなど……今日で冒険者にかなりの変化を齎した。人生変わったかもな。
もちろん、俺もレベルを売りまくって荒稼ぎ。ホクホクだ。
「うわぁ、えげつな……」
「どうなされたのですか、カイト様」
紅茶を淹れてくれるルナは、前屈みのまま尋ねて来た。……それ、ちょっと危険な角度だな。というか、このポーズ良いな。
「……っ、ああ、売り上げだよ」
「その、聞いてもよろしいですか?」
ルナは興味津々だ。
「あたしも気になるー! 売上いくらだったの?」
金の事に関しては貪欲なソレイユが接近してきた。
「私もです」
ミーティアにまで言われると、仕方ないな。
「実は――」




