表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/318

【31】 用心棒

「以降、胸の話をしたら憎しみを込めて()るわ」

「どこを!?」

「あんたの股間(こかん)とか」

「ひぃ~~~~~~……恐ろしすぎる。分かった。やめておく」

「じゃあ、お金貸してよ」

「それが人から金を借りる態度かよ。んん?」


 一応、腕を組んで悩んでいると、ルナがやって来た。


「あら、ソレイユ。いらしていたのですね」

「おいっす、ルナ♪ 元気そうね。このヘッポコカイトと仲良くやっているのね」

「ええ、毎日が楽しいですよ。ソレイユもウチで働いてみてはどうですか」

「……! それよ! 超名案!」


 なんだか、ソレイユは極悪人のような顔をした。よからぬ事を思いついたみたいだな。……頼むから、店を売り飛ばすような真似だけは止めて欲しいが。てか、誰がヘッポコだ。


「ねぇ、カイト……お願いがあるんだけど~」


 (そば)に来るなりスカートを摘まむ、ソレイユ。まさか、俺を誘惑!? おいおい、せめて、胸を――おっといかん。これは禁句だったな。殺される。


「なんだ、言ってみろ。言うだけならタダだ。だが、タダより怖いモノもないぞ」

「あたしを用心棒として雇ってよ。ほら、この前の大男とかのトラブルあったじゃん。あんた達も店も守ってあげる。だからお願いっ」


 ソレイユは、手を合わせて懇願してくる。

 へぇ、こいつの爪綺麗だなぁ……って、そりゃいいや。


「すまん、ソレイユ。用心棒なら、ウチはもう『ミーティア』がいるしな」

「ミーティア? あ、もしかして、そこにいるエルフの魔法使いちゃん?」

「そ、あれ。ウチの魔法使い」

「くっ、遅かったか……でもさ、もう一人くらい良いじゃない。ほ~ら」


 ほらとフトモモを見せつけてくる。

 ……正直、たまりません。よし、そのムッチリしたフトモモに免じて、採用。……しようとしたのだが、ルナの悲しむような視線に気づいた。


 やべ、なんか俺の良心が痛む……!


「…………スマン、ヤッパ、ナシ」

「えええ!? どーして! うう、普通の男は、あたしの自慢のフトモモでイチコロなのに……悔しいわね。もう本当悔しい!! あたし、勝手に用心棒やるから!」


 ぷんすか怒ったソレイユは、店の奥へと消えた。


「えぇ……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ