【29】 魔法使いの種族
ミーティアのレベルは買い取らなかった。
2億は肩代わりにはなったけれど、まあいいだろう。その代わりに、仲間に加わってもらったし、貴重な人材である。
しかも、エルフだ。魔法使いだ。
いろんな魔法が使えるだろうし、これから面白くなりそうだぞ。
「なあ、ミーティアはどんな魔法が使えるんだい? 参考程度に教えてくれ」
「なんでも出来ますよ~。火の魔法、水の魔法、風の魔法、地の魔法が主です。一番得意なのは闇の魔法です」
「闇か。へぇ、なんだか変わってるね。エルフって闇は使わなさそうなイメージだけど――ああ、でも、ダークエルフもいるか」
「ええ、実を言うと、私はダークエルフとのハーフでして」
「そうなのか、珍しい」
半分、ダークエルフの血が流れているということか。それで闇も使えると。
道理で、服装もダークな感じなんだ。カッコいいし。あれは自前なんだろうか。う~ん、ちょっとスケてるのもポイント高いけど――意識するとまた鼻血ブーなので、観察は以上にしておく。
「なあ、ミーティア。例えばなんだけど、掃除とか魔法で――」
「できません。そのような力を持つ魔法使いの伝承は聞いた事がありますが、ただの御伽噺です」
「そっか。やっぱり、楽はいかんって事か。じゃあ、ミーティア、掃除よろしく」
「――え。そういう事だったのですか! ……ぅぅ、分かりました。がんばってきます。これも返済の為ですからねっ」
ダバーと涙を流しながらも、ミーティアは掃除へ向かった。頑張れ、魔法使い。




