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第三話 1人目との出会い

いざゆかんイケメン探しの旅へ!!



そう張り切った私は今奴隷商人のもとに向かおうとしている

それは昨日お父様との食事後にとんでもないことに気づいたからだ 

 



ずばり醜男がイケメンならこの世界の奴隷の醜男は私にとって超絶イケメンなのではないか!




思い立ったら即行動

そしてゆくゆくは沢山の奴隷を侍らせてイケメンハーレムを作ろう


あぁなんて最高なんだろう


美少女に生まれ変わり沢山のイケメンに囲まれる生活

素晴らしい以外のなにものでもない


といっても今は護衛としてつくこのブスたちをどうにかしたい、早急に買った奴隷を護衛としてそばにおけるレベルにしないといけない



待ってなさいイケメンたち私がその不遇な生活から救い出して見せましょう!うふふふふふふ


エリカはふしだらな考えで頭がいっぱいになった!純粋さが5下がった


そのまま奴隷館へ向かおうとしたが侍女を連れて行けるわけもなくお父様に嫌々護衛をつけられ狭い密室でブサ男と押し込められている



目の前の護衛は頬を染めて私を見つめているけれど残念ながら馬車の中でそういう展開にはならないわよ


ゆっくりと馬車が速度を落とし止まった


いよいよなのね、待ってなさいまだ見ぬこの世界のイケメンよ!!!


「お嬢様、どうやら着いたみたいですね」



護衛が嬉しそうに口を開く

ああああ全く現実に戻さないで頂戴


仕方なく不細工に手を取られながら馬車をおりた


本当に仕方なくよもう少しでイケメンに手を取られる花の生活が待っているのだから我慢よエリカ…


目の前にはまあ綺麗とは言えない邸宅にふくよかな男が立っていた、こいつが奴隷商かしら


実に無難な顔だわ、どこにでもいそうなね



「ようこそいらっしゃいました、まさか御令嬢自ら足を運ばれるとは思いもよらず…」



まあ普通こんな場所にお姫様が来るはずないのよね


今はそんなこといいんだけど



『無駄な話はいいわ早速商品を見して頂戴』



いかにもわがままな子供を演じる


こうした方が後々楽になる





早々に社交辞令を切り上げ綺麗な部屋に通される


しばらく待つと鎖に繋がれた男たちが入ってきた



んんん?いや顔がよく見えないわね


連れてこられた男たちはあちこちに傷や鞭で打たれたかのような傷があり顔は伸びきった髪や髭でよく見えなかった



「公爵家の御令嬢にお出しできる顔がまともな奴隷がなかなかいなくてですね、なんとか集めた一級品達ですよ」



あーあそうだったわ私公爵令嬢でしたわとんでもない不細工の男をあてがわれるわけがないのよね

下手したら公爵家の怒りを買うとかんとかで…


ただ私が今回求めているのはとんでもないブスもといイケメンなのよ



奴隷に近づき髪を上げてみるとまあ悪くないイケメンが私を見上げていた、これがまともなら最上級のブスはどれだけイケメンなのかしら



「だめねこんなんじゃ、ここで一番顔の悪い奴隷達を連れてきて頂戴」



「えっ一番顔の悪い……ですか?」



「そうよ何回言わせる気なの?とびっきりの醜男を連れてきなさい」



「はあ…かしこまりました」



奴隷商は訳が分からないという顔をした

といっても奴隷商からすれば願ってもない要望だった売れるかもわからない商品を欲しがる子供が現れたのだ




次が来るのに時間はそうかからなかった数十分もすると1人の奴隷が目の前に置かれた

置かれたっていうのはどうやら意識が正常ではないようで奴隷商に突かれた反動で床に転がり私の前に倒れ込んできたからだ


目線を床に落とす



起き上がる気配がないため仕方なく膝をついて顔にかかった髪を避けた



汚れや傷、手入れされてない髭が邪魔をしているが明らかに先ほどの男たちとは違った


質の良い茶色の髪に透き通った緑色の目 



その顔は一言で言うと浮世離れしている。



汚れていてもわかる白く艶の良い肌にどこか遠くを見ている虚な瞳が余計そう感じさせた




まじまじとみているとあることに気づく

見つめられたイケメンが全く目を合わせてくれないのだ

しまいには俯いて綺麗な淡い桃色の唇がわなわなと震えている



どうしてだろうか...




『さて御令嬢、随分眺めておいでですがご満足していただけましたか』




あぁさっきからなんか説明してたけどイケメンを眺めていたから聞き流していたわまあいいわ別に大事なことなんて話してないと思うし



『ええ満足よ、買うわ』



値段は思ったより安く買えた


私は公爵令嬢という立場もあってなかなか街に降りられずこの世界の物価には詳しくないが人一人の命をお金で買えることには前世の価値観が絡む



奴隷を買うに当たって重要なのが契約だ


どうやらこの世界には魔法があるらしく主従の誓いをしなければならない


奴隷商が魔力を宿した契約書に私がサインをするだけだがこの契約書は奴隷商のみが使える特殊な呪術をもとに作られる

契約書の内容は大方買い手が決めることができる



契約書の効力は絶大だ



相手の行動や感情すらも縛ることができる


私はただ些細なことを書き足した



私に暴力的危害を加えない、逃げ出さない



たった二つだけこれだけで私の計画には何ら問題は無い

側に置かれた奴隷も前に座っている商人も目を丸くして驚いている、この世界で生まれ育った者としては有り得ない緩すぎる条件だろう



他にも追加しようとする奴隷商の説得を抑え契約の儀式が行われた



後に買った奴隷の名前はアーサーと名付けた


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