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孤高のぼっち男子に恋愛してみたら?と言ってきた勝ち確ヒロインが、我慢出来ずに構ってくる  作者: 遥風 かずら


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第5話 新メンバーの佐倉理乃です!

「名取、ちょっといいか?」

「……ん?」


 人が気持ちよく眠ろうとしてるのに、珍しくクラスの男子が声をかけてきた。


 普段は近づいてもこないのに、なぜいきなり?


 どうやら教室で話せない話らしく、わざわざ廊下に呼ばれるという時点で嫌な予感しかしない。


「んで、何?」

「お前って、放課後に料理かなんかを女子たちと一緒に作ってるってマジ?」


 料理か何かではなく、れっきとした料理研究部なんだが。しかし下手なことを言うと煽りになりそうなので控えておく。


「まぁ、そうだけど」

「それって、後からでも参加ってか、入れたりするか?」

「……入部とかそういう話?」

「いや。そこまでじゃなくて、一時的っていうか行きたいときに行くみたいな感じでいいんだけど……」


 これはもしや下心ありの話か?


 俺が料理研究部に所属してるのを知ってるのは、所属してる女子と担任の上月先生くらい。同じクラスには部員がいないから気にする奴もいなかったわけだが、なぜ急に俺に声をかけてくるのか。


「……悪いけど、俺は幽霊部員だから権限みたいなもんはないよ。悪いな」

「あ、あぁ。それならいいんだ。呼び出しして悪かったな」


 明らかに下心がありそうだったが、そうかと思えばあっさりと引き下がったが一体何だったんだ。


 そんなモヤモヤを抱えつつ、今日は久しぶりに顔を出す日なので料理研究部のある部屋に向かうことに。


「いらっしゃいませ! 料理研究部へようこそです!」


 部屋に入ると、謎の下心男子の答えが早速分かってしまう奴が俺を出迎えた。しかもその格好は、何かがおかしいものだった。


「……は?」

「あっ! こ、こんにちは! NNくん!」


 こいつが何でここにいるかはこの際置いておくとして。


「その格好は何だ?」

「あっ、これは……男子が嬉しくなるって聞いたので、パーカーを着てきました!」

「パーカーの下に何も着ていないように見えるのは気のせいじゃないよな?」


 まだ誰も部屋に来てないとはいえ、なぜこんな姿なのか。


「もちろんですよ! 下着はきちんと着けてます!」

「いや、じゃなくて……」


 正気を疑いそうになるが、目の前の佐倉は上にパーカーを着ている。だが問題は、下だ。太もも付近を露わにしているのはまだいいとして、どう見ても下着の上にそのままパーカーを着ているだけとしか思えない格好で立っていることだ。


 まさかと思うがあの男子、()()()がここに入ることを知ったうえで俺に聞いてきたのか?


 それともこいつにこの格好を助言した男子?


 しかし、佐倉が料理研究部に入るなんて話は全く聞いてない。昨日のバイトでもそうだったが、そんなそぶりは見られなかった。


「一応聞くけど、ここへは何しに?」

「決まってます。私もNNくんと一緒に料理研究部を頑張るんですよ!」

「……何で?」

「そりゃあもちろん、NNくんの恋愛活動を後押しする為に決まってます! 昨日のお仕事での君は目に余るものがありましたから、私が女子への扱いを正しく教えてあげないと駄目だなぁって思ったんです」


 そう言って佐倉は、自分の胸を叩いて自信満々な表情を見せている。


「あ、あぁ……そうですか。せいぜい頑張ってください」


 恐らくだが、クラスメイトの良からぬ男子に何か言われてここに来たんだろうな。クラスの人気者なんだからクラブ活動なんてしなくてもいいのに。


 料理研究部に人気女子なんて必要ないんだが。


「おっす~おすおす、活動の始まりだぜ~! って、あれ? 名取じゃん! なになに? 今日は何の日~?」


 突然の訪問者にどうするべきかと迷っていると、ドアを勢いよく開けながらいつもの威勢で野中が部屋に入ってきた。


「今日は野中の間抜けな顔を見にきた」

「え、わたしに会いにきたですと!? なんだぁ~それならそうと初めから……間抜けってなんだとぉ~!」

「それはそうと、野中。そこに女子が立ってる」

「ん~? 女子だぁ~? あっ!! 昨日のナンパ未遂女子!」


 ……ナンパしてないんだが。


「は、初めまして。私、新メンバーの佐倉理乃、二年生です! 今後ともよろしくお願いいたします!」


 しかし、野中のツッコミをスルーして言い放った言葉は、新加入を表すものだった。


「新メンバー! え、それって、名取の脅しで入った系?」

「何でそうなる……」


 どうあっても女子に対して俺を悪者にしたいらしいな。


「だって、その格好ってアレじゃん? 裸エプロンならぬ、素足見せ下着パーカー女子ではないか!! けしからん!」


 興奮してるのはお前だけだと思うが。


「ち、違います! 入部を決めたのは私の意思でして、えっとこの姿は男子から受けたアドバイスでそうしたまでで、NNくんのせいじゃないです」


 何でまだNN呼ばわりなんだ?


「NNくん? あぁコレのことね。……ちなみに、わたしもNNなんですよ~」


 人のことをコレ呼びしやがって。


「お名前は何でしょうか?」

「わたしは料理研究部の美少女にして部長代理の、野中美織ですぜ! わたしもこう見えて同じ二年生ですよ! 新メンバーは歓迎ですぜ! 何せ、ここには下心が全くないぼっち男子がいてつまらないのですよ」

「それだとMN……あっと、よろしくお願いします!」


 美少女は見事にスルーされたうえ、イニシャルに指摘が入った。


「新メンバーはめでたいめでたい!」


 だが、野中は聞いてないフリで拍手をして誤魔化している。


「あーはいはい、そうですねー」

「エロ女子が入って嬉しいくせに~」


 俺は何とも言えない表情を見せるが、佐倉は急に冷静になったのか俺と野中の顔を交互に見てくる。


「え、エロ?」

「そう、エロ!」


 佐倉の動揺に野中が断言するが、佐倉はまだ分かっていないようだ。


 まさかと思うが、そんな格好しておいて全く気付いてないのか?

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