表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/20

番外編1 図書館デート

やっと友達から彼氏になった須賀くんと過ごす夏休み。


課外学習があっていた一週間は今までとそう変わらなかった。


変わった事は、下の名前で呼ばれる様になったこと。

帰りは家まで送ってくれること。

毎日寝る前にメールをしていること。


珠美には愛されてるね~ってからかわれる。


須賀くん曰わく、私の片思いに気づかなかった分、今いろいろしてくれてるらしい。

その後に続けられた言葉に顔が真っ赤になった。

「俺が少しでも麻夕と一緒にいたいし、そばに感じてたいんだ」

とは。


須賀くん、こんなに甘い人だったっけ?



一週間の課外が終わり、やっと本格的な夏休みが始まった。

私達は先に夏休みの宿題を済ませてしまおうと、近くの図書館に来た。


ここは本を読む人や私達みたいに勉強する人のためのコーナーが充実してるし、涼しくて静かだからはかどる。

机があるとこの一番奥の目立たないところに場所を取った。


隣は壁で一つの机は2人座れるだけで、前には仕切りがあるから集中できる。


2人で黙々と宿題をこなしていった。


分からないところは須賀くんに聞くとすぐ解決する。

この分じゃ思ったより早く終われそう。


数学の問題集の宿題範囲の半分くらいが終わりそうになった時、隣からの視線に気づいた。


「ん?どうしたの?」


「いや、集中してるな~と思って。俺が見てるの、全然気づかなかっただろ?」


「あ、うん。どのくらい見てた?」


ずっと見られてたなんて恥ずかしい。変な顔してなかったかな・・・。


「んー、10分くらい?」


「そんなに?もう、声掛けてくれたら良かったのに」


「いや、集中してるのに邪魔しちゃ悪いと思って。それに」


一旦言葉を切った須賀くんを見た。

その目は何だか潤んでいて、優しいというより、熱がこもったような感じで。


その目を見た私も、トクンと胸の奥が熱くなって、慌てて目を逸らそうとしたら、肩に手を置かれた。


予想外の事にビクッと肩が震える。


「麻夕の真剣な顔って、色っぽいよね。我慢、してたんだけどな」


ふっと笑って、顔が近づいて来た。

相変わらず、熱がこもった目で見つめられたら、体が固まって動けない。

鼻が触れそうな位置まで近づくと、綺麗な目が閉じていくのが見え、つられて私も目を閉じた。


これが何をするのか分からない訳はない。

私も、待ってたのかもしれない。

大好きな須賀くんと・・・。


唇が触れ合った。


冷房が効いて涼しいけど、触れたとこは温かかった。


触れただけの唇。

こんなに柔らかいものだなんて知らなかった。

こんなに心地よいものだなんて知らなかった。


そしてそれは離れていって、目を開けるとさっきまで触れ合っていたそれを見てしまった。


須賀くんとキス、しちゃった・・・。


お互い、なんか照れ臭くて顔が見れない。


「なんか・・・。照れるね」


「うん・・・」


「急にごめんな」


「ううん・・・」


「・・・ごめん、もう一回、いい?」


え?と思って顔を上げると、すぐにまた唇が重なった。


今度はさっきよりも力が入ってて、腕を引き寄せられて、反対側の手が背中に回った。


私も彼のシャツをぎゅっと掴んだ。


押し当てられた唇は、今度は何度か角度を変えて合わさった。


最後にチュッと少し音が聞こえて離れた。


はぁ、と聞こえた溜息にビクッとなり、掴んでいたシャツを離そうとしたら、私の手の上に彼の手が重なった。


「・・・途中で終わるの、しんどいな」


「え?」


「なんか・・、いろいろ我慢してる」


そういう須賀くんは困ったように笑ってみせた。


その笑顔さえきゅんとくる私は最早かなりの重症だと思う。


「須賀くん・・・」


俯いてしまった彼に声かけると、今の気持ちを伝えたいと思った。


「大好き」


私を見た彼は一瞬目を見開くと、参った、とくにゃりと顔を緩めて微笑んだ。


「麻夕にはかなわないな。俺も、大好きだよ」


須賀くんのその笑顔の方がかなわないのに。

私達はクスクス笑い合って、きりのいいとこまで宿題を終わらせた。


今はまだ私の方が好きで。

2人の思いの違いがあるだろうけど。

いつかは同じくらい好きになってくれたらいいな。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ