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レナの占い世界!  作者: 晴々
1章 レナの占い世界
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第1話 【 これって所詮占いだから… 】





教室の窓を開けると、秋らしい涼しい風と、運動部員の声が教室に入ってきた。

 暫くは目の前の森と、下の道路を走るサッカー部を眺めていた。教室のドアをノックする音が聞こえると、それらを遮断するように窓を閉め、黒カーテンを引っ張り出す。今日のお客がやって来たのだ。


「どうぞ〜、入ってください」


 教室中央にぽつんと置かれた机のうち、一つにレナは腰掛ける。

 入ってきたのはレナと同じクラスのコリン。

 髪を高めのお団子で結い、ダンス部の部Tを着ていた。どうやら、部活のまま来たらしい。

 コリンは慣れたようにレナの前の席に座る。


「…それで、先生。結果は…?」


「……結果は…」


 一瞬の間が漂う。

 コリンが息を呑む。レナが机の上の紙を勢いよくコリンの眼の前に見せつける!


「タケルと付き合える確率は、ずばり0パー!!」


「…え、ええええぇぇぇぇぇぇぇええ!?!?!?」


 コリンが震えた手で紙を受け取る。

 レナはため息をついて椅子に座り直す。これまで類を見ない占いの結果だったので、流石にこれには呆れというか、諦めを見せていた。


「私も0%は初めて見たわ…。コリン、余程タケルに嫌われてんじゃない?」


「そ、そんなぁ…。」


 コリンが床に崩れ落ちる。

 タケルは、クラス1、いや学年1のレベルでイケメン優秀なサッカー部であり、レナの幼馴染という、なんとも夢小説のヒーロー的存在だった。

 そんなタケルにコリンが恋するのもよくわかる。それにコリンは人より顔立ちが良いので、レナもお似合いだと思っていた。

 しかし、結果がすべてを物語っていた。


「ま、まあ、私が言うのもあれだけど、これって所詮占いだから…」


「う、うぅ……。」


 コリンは、泣きながら無言で教室を出てゆく。

 レナはその背中を眺めながら、静かにコリンの恋が成就するのを願っていた。



 ✦✦✦



「あ、今日スーパーのセール日か。寄っていかないと。」


 部室の鍵を返し、レナは下駄箱への道を歩んでいた。まだ空は明るく、運動部の声も聞こえてくるが、今日はなんだか帰りたい気分だったので早めに部活を終わらせたのだ。それに、占い部はお客が来る方が珍しく、今日はこれ以上来ないだろうと思ったからだ。

 雲一つない夕映えを、窓越しに眺めながら歩いていると、何かが降ってくるのが見えた。


「…なんだあれ、紙切れ…?」


 その降ってくるものは、どんどんレナの方へ近づいてくる。そして等々、空いている窓から廊下へと入ってきた。レナはそれを華麗にキャッチする。

 それはポストカードサイズのもので、表になにか円形に式が書かれていたが、英語のような文字と記号ばかりで、何も解読はできなかった。

 しかし、レナはしっかり感じていた。

 このカードから放たれる、現実地味てない雰囲気を。


「…呪われてるのかな、このカード。私も呪いとかそっち系学んではいるけど流石に無理だな…。神社行って祓ってもらうか。」


 そもそもこれが祓えるかどうかすらわからなかったが、行ってみる価値はあるだろう、と歩き出そうと一歩踏み出した。

 その瞬間。


「っ何!?」


 突如カードが光出す。

 レナは反射でカードを手放しそうになったが、何か力に引き寄せられて、放したくても放せなかった。

 円形の式が光り輝く中、どんどん変形してゆく。何かが発動したのだと、瞬間で悟った。


「う、うわぁぁぁぁ!!!!」


 辺りの景色が白色になる。

 レナの意識は其処で途絶えた。

 数秒の沈黙の後、元の景色に戻った廊下には、1枚のタロットカードが落ちていただけだった。

 「新しいはじまり」を意味する、愚者のカードが落ちていただけだった。




まだ金曜なのでセーフですよね。へへ。


※毎週水曜・金曜更新(不定期更新有)

 誤字脱字の指摘は助かります!

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