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1食目   腹ペコ聖女、グルメギルドへ行く!


「グルメお嬢様、聖杯せいはいを見つめて、いかがしましたか?」


 メイドは聖杯を見つめる、見習い聖女に問う。聖杯とは、見習い聖女と聖女に渡されるうつわ


「どんな味がすると思う?毒ちゃん」


 紫色より明るい、藤紫色ふじむらさきの髪をポニーテールにたばねるメイド。あだ名は毒ちゃん。たった一人しか呼ばない。


「毒ちゃんは……」


毒ちゃん

(毒ちゃんはおやめ下さい。と言って、何年経つのでしょうか?)


「いい加減、胃袋で思考するのはやめた方がよろしいのでは?」


「でも、人々の喜びや感謝の感情が聖杯に溜まっていく。なんて言われたら、感謝って、美味しいの?って、なるよね?」


 茶髪で小柄、天然で腹ペコ。見習い聖女のグルメ。


「なりません。人の感謝を食べようなんて発想をするから、《腹ペコ聖女》と揶揄やゆされるのです」


 冷静で毒舌。毒ちゃんがあだ名のメイド。


「この聖杯を一杯にすれば、異世界グルメが食べ放題。で、いいんだよね?」


「グルメお嬢様の耳は、食パンで出来ているのですか?確かに聖杯を満たせば国が願いを叶えるというシステムではありますが、これは大聖女選定の儀」


 選定期間は一年。最も聖杯を多く所持した、見習い聖女、聖女を大聖女にするというもの。大聖女になるために聖杯を使い、権力やお金と引き換え、より多くの聖杯を築く。それが本来のあり方。


 決して、異世界グルメをかけた、腹ペコ聖女選定の儀ではない。


「なら、グルメギルドに行ってみようか?」


 


《グルメギルド》


 ようこそ、グルメギルドへ。お決まりの挨拶が、定期的に聞こえる。


「グルメお嬢様。なぜ、グルメギルドに来たのでしょう?」


 グルメ都市と呼ばれる様になった理由、それがこのグルメギルドである。グルメギルドはこの国の仕事斡旋所あっせんじょとして機能している。


 今では他国へも普及ふきゅうするようになり、そのシンボルとなるのが大聖女。大聖女選定はグルメ都市の急務となっている。


「人の悩みの九割は食べ物で出来ている。って、聞いた事ないの?」


 聖杯を満たす為には感謝や喜びの感情が必要になる。悩みを解決すると感謝される、悩みを解決するには悩んでいる人を探す必要がある。


「グルメお嬢様だけです。常時、食べ物の事を考えていられるのは……脳内に食べ物しか詰まっていないのでは?」


「おかしいなぁ……こんなにグルメクエストが張り出されてるのに……まぁ、いいや。気を取り直して、味見してみよう」


味見あじみではなく、吟味ぎんみして依頼を探してください。依頼書は食べ物ではありません!」


 グルメクエストとは仕事の依頼書になる。食事や食べ物に関する依頼なら、どんな内容でも依頼ができる。


 呆れているメイドの毒ちゃん。どちらが主人なのか、分からなくなりそう。


「この3つにする!」意気込んで毒ちゃんに依頼書を見せる。


「選んだ理由はなんでしょうか?」


「賞味期限が近いからだよ?」


 グルメはなんでそんな当たり前の事を聞くの?という、不思議そうな表情を向ける。


「依頼書に賞味期限記載の義務はありません。とはいえ、グルメお嬢様が一度決めた献立こんだてを変えないことは私が一番、知っていますから……仕方ありませんね……」


「仕方ないね!賞味期限が近い食品を使わない手はないね」


「間違っても、依頼書を食べないでくださいね?」


 こうして、見習いの腹ペコ聖女は依頼を受け付けで処理してもらい、グルメクエストへ向かう。














《本日のおやつ》


「本日のおまけの間違えです、グルメお嬢様」


「本日紹介するグルメは《濃厚レトロプリン》クリームチーズ&練乳使用。ローソンで見つけたカスタードプリン。


 ズッシリとした一口、濃厚で固めのカスタードプリン。セブンイレブンで食べた《ブラジルプリン》に似た食感。機会があったら食べてみて」


腹ペコ聖女より

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