プロローグ
がんばって書いていくので応援のほどよろしくお願いします!
とある異世界の、とある王国
そこには絵物語に出てくるような見目麗しい四人の王子と、
少し……いや、かなり不思議な王子が一人おりました。
「はぁ…今日も、第一王妃の第一子であり、一番目の王子、リアン殿下カッコよかったわぁ…品行方正、文武両道。貴族から平民まで分け隔てなく接するお姿は、民衆からの支持も絶大!そして何より―――宝石を散りばめたような金髪にタンザナイトのような碧眼!アーモンド形の瞳に金糸のような睫毛、常に優しく微笑まれているお顔は、物語に出てくる王子様そのもの!!まさに国王にふさわしいわ!」
と、つり目の侍女が言うと、それに対抗するように褐色肌の侍女が、
「 それなら第二王妃の第一子で二番目の王子、ライリー殿下だって負けてないわ!政には疎いけど、この国の剣聖と並ぶほどの武器の使い手で、次期王国騎士団団長にって誘われているんでしょ?
それに容姿だって、揺らめく炎の様な赤髪で、少しつり目気味の目に嵌め込まれたグリーンオニキスの瞳、野生味溢れながらもニカッと笑った時に見せる年相応な笑顔に、落ちない女は居ないわ!私は断然ライリー殿下派だわ!」
と言いました。また、別のそばかすの侍女が
「私は第一王妃の次男の三番目の王子、アイゼア殿下だわ!齢十五歳で全属性の魔法を使いこなし、特に珍しい神聖魔法をも使えるという話よ!それに、お顔だって透き通る金髪に、アクアマリンを彷彿とさせる瞳とタレ目気味の目、まさに絵画から抜け出した天使のようなお姿……絵画師達からこぞってモデルになってくれ、と言われるほどよ?あぁ、アイゼア殿下の洗濯担当が羨ましい…」
と言いました。もう一人いたショートヘアの侍女が
「アンタ、ちょっと言動がヤバいわよ?私は第二王妃の次男で、四番目の王子のワイアット様かな〜?なんでも、百年に一人に現れるという珍しい祝福で、動物達と心を通わせることができるって話よ?この前、たまたまお庭でお見かけしたけど、木の下で動物達に囲まれてお昼寝していたの!
それでこそ絵本の中の主人公のようだったわ!夕方時にもう一度見に行ったら、まだ寝てらしたから冷えるし起こそうと思って、近づいたら長いまつ毛が不意に動いてゆっくりと私を認識したと思ったら「……ここでサボってたことは、母様達には内緒な?」って、夕日に照らされたオレンジがかった赤髪とペリドットのような瞳でウィンクされちゃって……将来が有望すぎる十五歳、ありがてぇ……。」
と空を見て手を合わせるようなポーズをしました。
「ちょっと拝まないでよ。」
「あんたの方こそ言動がヤバいわよ。」
「そういえば王子ってもう一人いるのよね?確か第三王妃の第一子だったかしら?あまり話に出ないけれど。」
「そうね。お部屋からあまり出てこないわね?お付のメイドも三人ぐらいしかいないって言う話だし。」
「絶対に仕事が回る気がしないわ…」
「しかも異様に静かで、たまに奇声が聞こえてくるとか聞こえないとか!」
「私は、すすり泣く女の声が夜中に聞こえた、とか聞いたわよ?」
「五番目の王子は何をなさってるのかしら?」
――――――――――
「…王子、確認をお願い致します。」
と縦ロールの侍女が王子に「絵が描かれた紙」を渡します。
「王子、…令息の瞳のハイライトはどうなさいますか?」
と黒髪ポニーテールの侍女が王子に確認します。
「王子!背景効果の花を、もうちょい増やしてもいいと思うんすけど…」
と緩く巻いた髪の侍女が王子に提案をします。
「うん、エマのはいいよ!エリのは、ハイライトを少し小さめのハートに出来る?エナのは…背景のこの辺りに小さめの花足せる?」
「かしこまりました。」
エリと呼ばれた侍女が返事をしました。
「了解ッス!」
エナと呼ばれた侍女が軽い口調で返事をします。
「では私はお茶を入れて参ります。」
エマと呼ばれた侍女がお辞儀をして部屋から出ていきました。
「うん!お願いね!」
〜数分後〜
「お茶をお持ちしました。」
エマが部屋に入ったと同時に、エリとエマが
「「王子!確認お願いします!」」
と「絵が描かれた紙」を王子に渡します。
「うん、うん、うん!2人ともありがとう!バッチリだよ!みんなお疲れ様!!」
王子が侍女たちを労うと、
「「「王子、脱稿おめでとうございます!!」」」
お祝いの言葉を述べます。
「ありがとう!みんなのおかげで護衛騎士♂×ワガママ令息♂の新刊、
『イケない♡秘密の深夜警護♡』
が出せるよ!!」
―――五番目の王子様は、腐男子でした。
「あっ!静かに!この前も大きな声出して、リアン兄上が部屋を訪ねて来ちゃったから!」
「その前は、エリパイセンが、受けに感情移入しまくって、泣いてましたもんね!」
「エナ、黙りなさい。」
「あの時は、ライリー兄上が来たんだよなぁ〜。大変だった!」
「王子、お茶が冷えてしまいますよ。」
「はーい!エマ、ありがとう!」
そんな五番目の王子の日常のお話。
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