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5-6

 マルガレーテさんの店に戻る。


「あっ、おかえりー。メノス鉱石は見つかったー?」


 店の奥のカウンターに座っていたマルガレーテさんは俺たちの来店に気付くや立ち上がり、小走りに駆け寄ってきた。


「えへへー、見つかりましたー」


 クラリーチェがタブレットを見せる。

 タブレットのストレージ画面に『メノス鉱石:1』と表示されているのを見せてもらったマルガレーテさんは「ほ、ほんとだー。よく見つけられたねー。わー、よかったねー」と、なんだか棒読みみたいな口調で喜びを分かち合ってくれた。

 他になにか言いたげに視線を合わせたりそらせたりしている。

 笑っている口元もひきつっている。

 露骨に不審……。

 この人、なにか隠してる?


「じ、実はさぁ……。あったんだよね、『メノス鉱石』。ウチの在庫に。ゴメンねっ」


 やっぱりそうだったんかいっ。

 マルガレーテさんはぺろっと舌を出しながら「てへへ」と頭をかいていた。

 俺とセレナとクラリーチェは互い顔を見合わせあって苦笑いした。

 フリーマーケットの件はこれで完全に無駄足になってしまったわけだが、マルガレーテさんの気さくな性格のおかげか、俺たちは「仕方ないなぁ」で許せてしまった。いずれにせよ、目的のアイテムは手に入れたわけだし。


「その代わり、ばっちりイヤリングをつくってあげるから、期待してね!」


 マルガレーテさんは腕をまくって握りこぶしをぎゅっとしてみせた。


「はいっ。よろしくお願いしますっ」


 クラリーチェとマルガレーテさんは互いのタブレットを向けあって『トレード』を開始する。

 クラリーチェが『青色貝殻:1』『メノス鉱石:1』、をタッチして、続けて加工料金分のゴールドを数値入力する。そして『譲渡』を選択する。

 マルガレーテさんは『受取』を選択する。

 これでクラリーチェのストレージに保存されていた『青色貝殻』と『メノス鉱石』、加工料金はマルガレーテさんの手に渡った。

 素材は渡した。

 あとはつくってもらうだけだ。


「イヤリングができるまでどのくらいかかります?」

「んー、そだねー、明日の朝の開店直後に来てくれれば渡せると思うよー」

「わかりましたっ。それまで楽しみに待ってますっ」


 そうして俺たちはマルガレーテさんの店を後にした。

 扉を開けて外に出ると、まぶしい日差しと職人街の喧騒が俺たちを出迎えた。

 職人街の石畳の道をプレイヤーたちが行ったり来たり。ここはいつでも活気にあふれている。


「マルガレーテさんのお店の開店は朝の9時だからー。あと何時間くらい?」

「いや、気が早すぎるわよっ、クラリーチェ! まだ真昼間だしっ」


 早くもクラリーチェはそわそわしていた。


「イヤリングは朝一番に取りにいけばいいとして、それまでクエストでもやっていましょ」

「うー、明日の朝が待ち遠しいよぉ」

「だから気が早すぎるってばっ」


 クラリーチェは身体をむずむずさせていた。

 こんな調子で、ちゃんとクエストをこなしてくれるだろうか……。

 俺は一抹の不安を抱いた。

 それからクエストホームに赴いた俺たちは、タブレットでクエスト一覧を開き、どのクエストを進めるか相談しあった。

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