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フリーマーケットとはプレイヤーが個人で出店している店である。職人街のようにしっかり建築された店舗ではなく、簡易なテントを張ってそこを店とすることができるのだ。戦闘職、生産職問わず、フリーマーケットはタブレットの『フリーマーケット出店』から自由に出店ができる。
マルガレーテさんが「ふむふむ」とうなずく。
「フリマにならレア鉱石も出品されてるかもしれないね」
「さがしにいこうよっ」
「マルガレーテさん、なんて名前の鉱石が必要なんですか?」
「『メノス鉱石』だよ」
「『メノス鉱石』ね。わかったわ」
俺たちはいったんマルガレーテさんの店を出てフリーマーケット広場へと向かった。
フリーマーケット広場は、この街で最もにぎやかな場所である。
フリーマーケットの出店は誰でもできるが、場所はこの広場でしかできないのだ。
広場のそこかしこにテントが張られていて、プレイヤーたちがいろんなアイテムを売っている。アイテムをさがしにきたプレイヤーたちがその間を縫うように歩いている。仲間たちとおしゃべりしながら歩く者、立ち止まって交渉している者、目当てのアイテムが見つからなかったのか落胆している者、居眠りしている店主……。いろんなプレイヤーがいる。探し物がなくても、単に見て回るだけでもフリーマーケットは楽しい。
「げ、こんないっぱいある店の中から探すの!?」
「セレナ、検索機能を使えばいいだろ」
「あ、そっか。でもそれはそれで味気ないわね」
「まあ、見て回るのはまた今度だな」
俺たちはさっそくタブレットを起動させ、『出品検索』を行った。
検索枠に『メノス鉱石』と入力する。
検索中……。
10秒ほどの検索の後、目的のアイテムがヒットした。
『メノス鉱石』。出品数1点!
「一個だけ!? トキヤくん、早くそのお店にいこうよっ」
クラリーチェが俺の服の裾を引っ張って急かした。
検索結果の座標を頼りに俺たちは『メノス鉱石』を出品しているプレイヤーのテントへと向かった。この時間帯は特に広場が混雑する時間帯で、俺とセレナとクラリーチェは他のプレイヤーと何度も肩をぶつけてしまったりぶつけられたり、靴を踏んでしまったり踏まれてしまったり、と困難を極めながら目的地へ向かった。目的のプレイヤーのテントへ着くころには髪がぼさぼさになってしまっていた。
歩くのにも一苦労だった……。
俺たちは目的のテントの前に立った。
「お客さまかにゃ?」
テントの主――猫耳のアクセサリーをつけた女の子が首をかしげる。
「『メノス鉱石』くださいなっ」
クラリーチェがあいさつもそこそこに目的のアイテムの名前を告げた。
「あるにゃ」
店主は灰色の鉱石をずずっと手前に出してきた。
「買います! 買いますっ!」
クラリーチェがタブレットの『購入』ボタンを押す――のを寸前で俺が阻止した。
「トキヤくん!?」




