227.完全に同意です
先月は忙しく更新が出来ませんでした、申し訳ございません。
「…これ大丈夫なのかァ?」
俺たちは今、あらかじめ予約をしておいた店で一つのテーブルを囲んでいる。
急な誘いにも関わらずジオネはすぐに合流してくれたが、サリン様を見るなりぎょっとしたかと思うとすぐにじとっとした目で俺を見つめてきた。
お忍びだという事を察していたのか特に言及されることも無かったが、こうして店の個室に案内されると流石に心配だったのかついにジオネが口を開いたわけだ。
「大丈夫だ。ここの店主は話の分かる男だからな」
「いやァ…そういう訳じャなくてよ…まあいいか」
ジオネはため息をついてまぁいいかとでも言わんばかりに店員に声を掛ける。
するとすぐに店員がやってきて注文を聞かれる。
「麦酒二つ。あと…」
ジオネの視線がサリン様へ送られる。
それに気が付いたのかサリン様が答える。
「えっと…ではわたくしも麦酒を」
ジオネの表情が少しだけ緩む、おそらく「わかってんじゃねか」とでも思っているのだろう。
注文を取った店員が個室から出ていきまた3人の空間に戻る。
まだ婚姻の儀をしたわけではないが、愛する人達と過ごす時間は良い。
こう…確かな幸せを感じるのだ。
「こうして三人で食事に来るのは初めてですわね」
「二人では何度か会ッてるからなァ」
サリン様がニッとほほ笑まれてそう話す。
そうか、ジオネもサリン様も既にある程度関係を築いたのか。
喜ばしい事だ。
俺が呼ばれていないのは少し寂しいが…そんな情けない事は言うまい。
たまに二人とも用事があると言っていたのはそういう事だった訳だ、何かあるのではとは思っていたが交流を深めていたとは。
「成程…」
「意外だったかしら?」
「正直に言うと…はい、意外でした」
サリン様は心配性な方だ、そんなサリン様がジオネと二人で会っていたなんて…これもご成長なられた…という事なのだろうか。
「しかも私から誘ッた訳じャあねェんだぜ?」
「その、将来結婚したときにわたくし達が不仲ではカロンが可哀ですもの…」
「かわいいィ~事言うよなァサリン様」
「完全に同意だ」
少し耳を赤くして照れられているお姿が愛おしい。
そうか、俺の為か…良いな、こういうのは。
嬉しく思う。
「ジオネさんもカロンの為にって乗り気でしたのよ」
「それはァ…その、偶々同じことを考えてたんだよォ…」
「ふふ、ジオネさんはカロンの事になるとすぐ顔を赤くしてしまいますわね。かわいらしい方」
「完全に同意です」
綺麗にやり返されたジオネがぐぎぎ…となっているところに店員がやってきて麦酒がやってきた。
ついでにつまみになりそうなものを頼んだが…これは酒屋での飲み方では…?と思いサリン様に話してみるとそれで良いと仰っていたのでこのまま続行する事になった。
「と、とりあえず飲もうぜ」
「ああ」
「…本日はお集まりいただき感謝いたしますわ。こうして皆でお酒を嗜む記念すべき一回目、これからも少しづつこういった機会を増やしていき仲良くしていきましょう。…では私たちの未来に」
「「「乾杯!」」」
こうして想定していたより庶民的な食事会…いや飲み会が始まった。
忘れていたわけではないがここにいる三人全員が酒をかなり飲める口なのを失念していたのだ。




