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騎士と狂姫は歩く  作者: 御味 九図男
第1章:個性
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12.いってらっしゃいませ

◆◇◆


人間は愚かだ。



 生き物は自由であるというのに富や名声、友情に愛と言った物に引き摺り回されるからだ。個体の強さが全てだと言うのに。





「…つまらん。つまらんな」




 人間の幼体の身体で色々と遊んでみたがどれも面白くない。



手足を切ってみたり


下級モンスターと交わらせてみたり


脳みそを一部ずつ豚と交換してみたり



 どれも面白くなかった。こうしたらこうなる、と言うのが簡単に想像できるからだ。



「ねぇ」


「!?」




咄嗟に飛び退く、全く気配が無かった。




「貴方人攫いですわよね?」




少し警戒するべきだろう、言葉を選んで話す




「そうだ、そう言うお前は人間…のようだが」


「やっぱりそうでしたのね、ちょっとお話をしに来ましたのよ」




 話…?ああ…コイツ子供を取り戻しに来たのか…クフフ…馬鹿が。




「話ィ?俺はお前に話などない、お前はただ無様に死ぬだけだからな」




「まぁ…残念ですわ…」



 呑気な顔しやがってすぐにその顔を絶望に塗れさせてやる。




「オイ。オマエらこい!」




 ぞろぞろと手下達が集まってくる。俺は痛みつけても楽しくないが、コイツらは違う。




「ボ、ぼ、ぼす」




 …なんだ?様子がおかしい。手下の一人がよたよたと此方へ向かってくる



「なんだ、どうしたんだ情けない奴め」



「ぼ、ぼ」



苦しそうに手を伸ばして俺の手を掴もうとした



直後



長年連れ添った手下が爆発した。



 更にそれに合わせるように手下達が俺に助けを求めに来ては爆発する。







「……ガハォッ…!?」



 あまりの出来事に一瞬頭が白く染まっていたが、痛みと怒りで意識を取り戻す。




「クソ!クソ…!!ブチ殺してやる!」




 "奴"はニヤニヤと此方を見ている。怒りが収まらない、奴には後悔させてやる。



俺は魔術を使用して人質の幼体共を全て引き寄せる。




「大切な者が苦しんで死ぬ様を見るがいい!人間!!」



「いってらっしゃいませ」



…?奴はそう呟いた



無意識に幼体共を見る












「マ、ま、まま、パば」

「おが、おがあ、あ、お」






そして


 俺は死ぬ間際になって、初めて行動を読めない奴に出会って。初めて面白いと感じた。


ー〜ー〜ー




「さてと…今回の騒動の元凶は去りましたわね」




 魔術で身体を洗浄して、ドレスを着替える。今日のカラーは…



 子供に施した爆発魔術が作動した時の閃光と爆音を思い出す。




「白に黄色いラインのあるドレスが良いですわね」



しゅるん



 白を基調としたドレスに美しいイエローのラインの入った綺麗なドレスに着替えた。




 そろそろ村に戻る事にしよう。きっとカロンも村人達から逃げているはずだから、そこを助ければ恩を売れる。



「〜♪」



 思惑どうりに事が進むと気分が良い、心がスッキリする。鼻歌を歌いながら転移魔術を行使した。

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