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【完結】暗がりの向こう側 ~怪物が蔓延っていた世界で、生き残るために戦います~  作者: よぎそーと
4章

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80 ようやく得られた小さな成果

 大量の経験値を使って作る巨大な聖域。

 その中におさめられ、消滅していく怪物とその住処。

 それらが新たな経験値になってカズヤに還元されてくる。

 その経験値が新たな聖域作りの元手になる。



 これをくり返し、カズヤは広範囲にわたって存在する怪物の巣を破壊していく。

 巣の中に一々入らなくて済むので、攻略も簡単になる。



 欠点があるとすれば、時間がかかること。

 外側から怪物の巣を削っていくのだから、どうしても時間がかかる。

 だが、怪物から逃げ場を奪うので、一網打尽に出来る。

 少々の欠点に目をつぶれば、かなり楽な攻略方法だ。



 これを何度も繰り返して怪物の影響力を消していく。

 強力で広範囲に及ぶ怪物の邪念。

 それも、発信源が消えれば無くなる。



 少しずつだが、怪物の及ぼす問題が消えていく。

 破壊される巣が増えて、影響力の薄い場所があらわれる。

 それを更に拡大させるために、多くの巣を破壊していく。

 必要な経験値は確保してある。

 問題は何一つなかった。



 むしろ、結界作りで消費する分より、巣を破壊する事で得られる経験値の方が多い。

 巣を破壊するごとに経験値は積み上がっていく。

 繰り越しが増えてやがて元々持っていた経験値の二倍三倍という量になっていく。



 そうなれば、一度に巨大な結界を二つ三つと作っていける。

 同時にそれだけの巣を破壊できる。

 作業効率が一気に上がる。

 破壊すればするほど、多くの巣を攻略出来るようになっていく。



 怪物共もどうにかしたいようだった。

 聖域の外からカズヤの事をにらんでる。

 だが、踏み込んでくる事は無い。

 そんな事をすれば自分が死ぬと分かっているからだ。

 悔しそうににらみつけるが、出来るのはそれだけだ。



「なに言ってやがる」

 無言の叫びにカズヤは冷ややかな顔をする。

「お前らが俺たちに喧嘩売ってんだろうが」

 実際には喧嘩以上の損害を与えている。

 人生を踏みにじり、多くの者を虐げてる。

 そんな怪物共に恨まれる筋合いはなかった。

「さっさと死ね」

 それ以外に言うべき事はない。



 そうして巣を破壊し尽くしていき。

 ようやく怪物の影響の及ばない場所が出来上がった。

 いくつもの巣を破壊して、ようやく得られた小さな場所。

 怪物の影響の及ばない空間。

 それを作り上げるまでに、更に一年を費やした。



「ようやくこれか」

 出来上がった成果の小ささに悲しくなる。

 大量の巣を破壊して、それで得られた小さな空間。

 合わせて四年、もうすぐ五年目に突入しようというだけの時間を費やしてだ

「それでこれだもんな」



 それこそ小さな町くらいの大きさだ。

 怪物の影響を除去できた空間はそれだけしかない。

 たったこれだけの成果を得るだけでも、これだけの時間を使うしかなかった。

 莫大な経験値を使わねばならなかった。



 それで得たのが、小さな平穏である。

 あまりの事に泣きたくなる。

 だが、やらねば怪物がのさばる。

 この際、小さな場所を確保出来た事より、潰した敵の多さに目を向けるしかない。

 そうすれば成果の大きさを少しは感じる事が出来る。

 少しは達成感を味わわないと気持ちが報われない。



 そんな場所がどういう風になってるのか。

 それを確かめるためにカズヤはその場に踏み込んでいく。

 聖域に守られた、怪物の影響のない空間に。



 そこに入った瞬間、カズヤは浮遊感をおぼえた。

 上下左右が分からなくなる。

 浮遊感とはいったが、浮かんでるのか落下してるのかも分からない。

 ただ、暖かな、清浄な雰囲気を感じた。



「あん時みたいだな」

 巣の崩壊に飛び込んだ時。

 その時と同じ感覚だった。

 ただ、あの時は不安や恐怖、言い知れぬおぞましさを感じた。

 今はそれとは逆。

 安息や安寧、平穏を感じている。

 その違いが何によるものかは分からない。

 分からないが、とにかく心地よかった。



 その感覚が消える。

 足が地面につく。

 気付くと見知った場所に立っていた。

 体感時間で5年ぶりになる場所だ。



「俺んち……」

 カズヤが立っていた場所。

 それは自宅の前だった。

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