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【完結】暗がりの向こう側 ~怪物が蔓延っていた世界で、生き残るために戦います~  作者: よぎそーと
4章

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81 戻ってきた世界はまた変わっていて

 巣の崩壊の向こう側に出来た清浄な場所。

 そこに踏み込んだら、自宅の前に出ている。

 意外な所に繋がった事にカズヤは驚いていた。



 ただ、自宅の雰囲気が以前と違う。

 体感時間で五年ほど離れていたからそう思うだけかもしれない。

 最初はそう考えたカズヤだが、すぐにそうではないと考える。

 目の前にある自宅、安房家は確かに変わっていた。

 姿形が違うのではない。

 そうではないもっと別の何かが以前と違っている。



 その理由は、頭の中に入ってきた新たな記憶で明らかになった。

 カズヤが別世界・別次元で怪物の巣を破壊した影響。

 それが元の世界であるここにも変化をもたらしていた。



 カズヤの家である安房家は変化前よりも更に豊かになっていた。

 父の会社は変化前よりも大きくなっており、給料もそれに応じて増えていた。

 相変わらず役職はそう大したものではない。

 だが、それでも父の得てる給料は以前よりも更に増えている。

 それが生活の余裕に直結していた。



 家にいる時間そのものが変わってる。

 在宅での勤務が当たり前。

 一週間に一回か二回は会社に向かうが、勤務時間4時間や5時間が当たり前。

 家にいてこなせる事の方が多い。

 おかげで残業とはほぼ無縁の状態だった。



 そんなわけで母との接点も多い。

 つねにべったりしてるわけではないが。

 ほどよい距離を置いて仲睦まじくしている。

 そのせいか、子供はカズヤを含めて4人になっている。



 それだけではない。

 そもそも、父と母の人生そのものが変わってる。

 二人とも一般的な庶民の出身だ。

 ここは変わらない。

 だが、庶民の生活水準そのものが上がっている。



 日本全体が豊かになっていた。

 カズヤの知ってる失われた10年や20年、30年というものがない。

 日本経済の低迷がそもそも存在しない。

 それどころか、バブル経済も発生してない。

 そういったものもなく、戦後ずっと長期的に成長を続けている。

 そのおかげで、一般人の豊かさも常に上昇し続けていた。



 その恩恵が数十年にわたって続いてる。

 一人当たりの生活水準も上昇するというもの。

 それを支える発展もある。

 科学技術など、カズヤの知ってるものより数年から十年は進んでる。

 ものによってはそれ以上に上がっている。



 それがカズヤが戻ってきた元の世界だ。

 なぜここまで変わるのかと思った。

 それもすぐに予想がつく。



 巣の崩壊であらわれる暗がり。

 その向こう側で多くの巣を破壊したからだ。

 それがどういう風に影響をもたらしてるのか分からない。

 だが、それ以外に理由は考えられない。



 気になって周囲に気を飛ばして様子を探る。

 何がどうなってるのか、どのような変化があるのか。

 カズヤの中に残る様々な記憶。

 それとどのような違いがあるのか。



 その気が日本全土にのびていく。

 格段にレベルを上げたカズヤにはそれくらいの事が出来るようになっていた。

 探知するだけなら、楽に日本全土を捜索出来る。

 それを用いて、何がどうなってるのかを調べた。



 その結果は気を通して伝わってくる。

 周囲にひろがり、時間を遡り、様々な事を探知していく。

 そうして得られた情報は、凄まじく大きなものだった。

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