50 残りを破壊してこれで終わる、そう思っていた
父の会社を解放した。
最低限の目標はこれで達成した。
なのだが、ここで終われるわけでもない。
まだ都市の半分を怪物の巣がおおってる。
これらを放置したら、今後が不安だ。
残りも全て潰さないと、作業を終わらせる事が出来なかった。
聖域を作ってるのである程度は安心なのだが。
「ついでだ。
残りも全部破壊しよう」
せっかくだからと男はこの都市の巣を残らず破壊するという。
カズヤも反対は出来なかった。
やっておかないとどこでどんな被害が出るか分からない。
とりあえず、残りの巣を包囲するように結界を作っていく。
大量の巣を破壊した事で、レベルも更に上がっている。
都市の残り半分を囲むのは大変だが、それが出来るだけの経験値を手にしていた。
まず先に、よそに逃げないように怪物共を包囲していく。
それから残りの巣を破壊していく。
逃げ場を失った怪物共は必死になって抵抗していく。
だが、カズヤ達の敵ではない。
行く手を阻む事も出来ず、怪物共は蹴散らされていく。
怪物共も弱いわけではない。
都市に作られた巨大な巣窟。
そこにいる怪物も今までのものより強いものが揃ってる。
人が多く集まるから栄養もそれなりのとれるのだろう。
だが、カズヤと男のレベルはそれらを大きくしのいでいる。
足留めをくらう事は無い。
残った巣も次々に潰滅していく。
数が多いので時間はかかるが、手間なのはそれくらいだ。
怪物の強さが問題になる事は無い。
「かなり片付いたな……」
「はい……」
そう言いながら二人は、進捗を確かめる。
今は残り半分だった巣の更に半分を潰した。
全体の4分の1まで巣を減らす事が出来た。
ここまで来ると、あと少しと思えるようになる。
疲労によどむ声にも、少しばかり期待や希望が浮かんでくる。
少し休憩を入れて、二人は残りの巣に向かう。
あと少しで終わると思うと、気分が軽くなる。
このまま勢いをつけて残りを片付けようと思った。
なのだが、それを阻まれる。
とある巣を攻略し、帰還しようとした時だ。
帰り道に立ち塞がる者達がいた。
それらはカズヤ達に気をぶつけてくる。
「な!」
「わっ!」
慌てて気を放って守りを固める二人。
襲ってきた気の奔流をしのぐ。
幸い、相手の気はカズヤ達ほど強力ではない。
だが、決して侮る事が出来るようなものではなかった。
いったい誰がと思ったが、答えはすぐに出てくる。
相手は化け物ではない、人間だ。
ならば答えは一つ。
こんな事をしてくる人間は、カズヤ達の邪魔をしてくる連中しかない。
「あいつら──── !」
通路の先にいる敵。
それに向けてカズヤは怒りをおぼえた。




