↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】暗がりの向こう側 ~怪物が蔓延っていた世界で、生き残るために戦います~  作者: よぎそーと
2章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

51/109

51 こいつらがいるから、こいつらがいなければ

 カズヤと男を襲ったのは、能力者達だった。

 巣の破壊を拒んでいた連中だ。

 それらがカズヤ達に襲いかかってきていた。



 最悪なのは、巣が崩壊してる最中という事。

 その場に止まれば、巻き込まれてしまう。

 一本道で迂回も出来ない。

 どうにかしようとすれば、強行突破するしかない。



 しかし、攻撃がかなり強烈だった。

 さほどレベルが上がらないという巣の存続を願う者達なのにだ。

 カズヤや男ほど強力ではないが、当たれば怪我は免れないほどの威力の気を放ってくる。

 無理して接近しようものなら、それなりの痛みは避けられない。



「しょうがない」

 カズヤの隣にいる男が作戦を提示してくる。

「俺がここから攻撃する。

 出来るだけ威力のあるのを食らわせる。

 相手も怯むと思うから、その間に接近して倒してくれ」

「分かりました」

 問答してる暇はない。

 男に従ってカズヤは動いていく。



 男は気を練り始めた。

 気を一気に解き放つのではなく、ため込み、練り込んで凝縮し、強力な一撃にしていく。

 それを察知したのか、敵も警戒し始めた。

 攻撃が落ち着いてきている。

 伝わってくる気配から、相手が防御を硬め始めてるのが覗えた。

 おそらく、気を盾にして攻撃を凌ぐつもりだろう。



 しかし、男の攻撃はそれを簡単に破壊する。

 放たれた気の一撃は、守りを固める敵を吹き飛ばしていく。

 防御に使った気の盾を吹き飛ばして。



 カズヤが突進していく。

 敵が吹き飛んだ瞬間に距離をつめる。

 倒れていた相手は反応する事が出来ない。

 そんな敵の頭を気で吹き飛ばしていく。

 いずれも人間だが、生かしておくわけにはいかない。

 カズヤ達の命を狙ってきたのだから。



 その後も何度か同じような妨害を受けた。

 巣の破壊を拒んでる連中はかなりの戦力を投入してきていた。

 一本道の通路だけでなく、交差路などにも人を配置している。

 十字路などでは、左右の道にも人が詰めている。

 そうして少しでも多くの人間を配置してきている。



 妨害をどうにか粉砕して進んでいく。

 しかし、相手が多すぎる。

 撃破出来ないわけではないが、時間がかかる。

 倒してる間に、後ろから巣の崩壊が迫ってくる。



「まずいな」

 男が焦る。

 この調子では崩壊に巻き込まれる。

 ほんの少しだが、撃破にかかる時間の方が大きい。

 今のままではどうにもならない。



 やむなく男は一度立ち止まって気を練っていく。

 時間をかけ、出来る限り多くの気を貯えていく。

 そうして、それを通路に沿って放っていく。

 それは大蛇のように長くうねってのびていく。

 通路に待機してる敵を飲み込みながら。



 男は一気に敵を撃退していく事にした。

 巨大な気を放ち、それを誘導して敵を攻撃していく。

 その為に、立ち止まって制御しなければならない。

 さすがに巨大な気の制御にはかなりの集中力が必要になる。

 移動しながらというのはさすがに無理だった。



「行け」

 かろうじて出せる声で男は指示を出す。

「俺が敵を倒す。

 その間にお前は先に行け」

 言いたいことをカズヤは察した。



 男が立ち止まって敵を倒す。

 可能な限り多くの敵を倒して、道を開く。

 その間にカズヤが先に進んで道を確保。

 その先にいる敵を倒して道をさらに開いていく。



 交互にこれを繰り返して、一気に進んでいく。

 襲撃を受ける度に敵をしのぐよりは効果的だ。



 その分、後ろに残る男が危険になる。

 崩壊がすぐそこまで迫ってるからだ。

 だからこそ立ち止まってるわけにはいかない。

 躊躇って立ち止まってしまう時間すら惜しいのだ。



 問答もせずにカズヤは先に進む。

 男が開いてくれた道を突進する。

 途中、倒れてる敵の姿を幾つも見た。

 それらを踏み越え、まだ残ってる敵に向かっていく。



 敵はまだそこかしこに潜んでいる。

 それらを見つけて倒し、道を開いていく。

 後続の男が追いついてくるのを待ちながら。



 しかし、距離が開いたのがあだになる。

 男は横路から出てきた敵に行く手を阻まれる。

 カズヤと分断された形になってしまう。

 慌ててカズヤが戻って挟み撃ちにするが、このせいで更に時間を奪われた。



 そんな事をくり返しながら、カズヤと男は地上を目指していく。

 進みはどうしても遅々としたものになる。

 もどかしく思いながらも、あらわれる敵を倒していく。

 だが、崩壊の進みに次第に追いつかれていく。



「おい、カズヤ」

 男が声をかける。

「このままじゃ俺たち二人とも駄目になる。

 次に俺が足留めくらっても、戻ってくるな」

「え……」

「俺は無視して先に行け。

 出口ももうすぐだ。

 最悪、お前だけでも生き残れ」

「…………」

 男の言葉に、さすがにカズヤも絶句する。



 そうするしかないのはカズヤにも分かる。

 足留めを食らう男を助けに戻る事で時間が余計にかかってるのだ。

 それを無くせばカズヤは確実に地上に戻れるだろう。

 今までは二人で協力しないと先に進めなかったが、もう出口も近くだ。

 男を置いていけば、カズヤは助かる。



 だが、男の生還は難しくなる。

 敵はそれなりに強く、倒すのに時間がかかる。

 すぐそこまで崩壊が迫ってる状況では、そうして足留めをくらう事が命取りになる。

 それでも、このままではカズヤと二人で共倒れになる。

 そうならない為にも、カズヤだけは外に向かっていくしかない。



「……分かりました」

 躊躇いがちにカズヤは承諾する。

 崩壊に飲み込まれて二人とも死ぬわけにはいかない。

 やむなく男を置いて先に進んでいく。

 後ろを振り返る事なく。



 途中、後ろで戦闘になった気配を感じた。

 だが、戻る事は無い。

 そのまま先へと進み、出口に向かう。

 途中にまだ敵はいたが、ものともせずに倒していく。

 時間はかかるが、出口までもうすこし。

 待ち伏せしてる敵も多くはない。

 ギリギリだったが、なんとか崩壊前に巣から脱出する事が出来た。



 しかし。

 カズヤのすぐ後ろで巣は崩壊した。

 男もその中にいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。




活動支援はこちら↓

あらためて支援サイトであるファンティアの事でも
https://rnowhj2anwpq4wa.seesaa.net/article/501269240.html
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。