朝の幸せ
山小屋で一晩過ごした翌日には、麓まで下りて少し大きめの町に辿り着いた。
町の中は人間族の文化と竜人族の文化が混じった様な雰囲気で、普通の木造の家だったり竜人族の様に土壁の家も有る。
頭に角を生やした人は見かけないが、服に鳥の羽を着けた人は見かける。
そして町行く女性の抱える果物は、人魚の持つスイカ程大きくはなく、竜人の様な夏みかんでもない、かと言ってエルフの様なマンゴー程小さくもない。
程よく手に収まり、しかも張りと弾力と柔らかさを兼ね備えた、大き目のトマトを隠し持っている様に思われる。
それを見て人間族の国に戻ったと、帰って来たと実感できた。
エルフ族の国は自然が、空気が美味しく、竜人族の国は景色が最高だった。
人魚族の国は夢と魅力と誘惑が一杯に詰まっている、でも人間族の国が一番落ち着く気がする。
日も赤くなり始め、ゆっくりしている時間は無く、真っ直ぐ宿屋に向かった。
部屋は二人部屋だけだったがスチイは子供だ、半分で数えても良いだろうとは思ったが、一応は形だけ聞いてから部屋を借りようと思う。
「二人部屋しかないんだが、スチイは御両親と一緒の一部屋で良いかい?」
「うううん、それだと三人に成っちゃうから、スチイはノーバン様と一緒でも良いよ」
予想していなかった答えが返って来たて一瞬戸惑い、御両親を見てみると姫様は優しい笑顔を、若様は少し怖い顔をしている……、見なかった事にしよう。
落ち着いてスチイの気持ちを考えてみる、もしかして俺の事が大好きで一緒のベッドで、体を重ね合わせて眠りに付きたいのだろうか?
それとも、子ども扱いしないで一人として数えて欲しい年頃なのかもしれない。
そう思ったら、無理に御両親と一緒の部屋にしない方が、スチイの為にも、俺の為にも良いと思う、そして朝までスチイの事を抱き締めたい。
「ありがとうスチイ、助かるよ」
「えへへ」
スチイの提案を快く受け入れて御礼を言った、勿論、二人づつで九人だから他の組み合わせも有った。
若様とスチイを一緒の部屋にして、俺と姫様が一緒の部屋でも全然良い。
男が四人で女性が五人だから男女別れて二人づつで、女性の内の誰かが一人と言う部屋割りも考えられるが、俺は少しでも長くスチイと一緒に居たいから、気付かなかった振りをする。
皆も俺とスチイが一緒に旅をして来た事は知っている、特に何も言われなかったが、若様はスチイに色々と言い聞かせた後に、俺の事を恨めしそうに見ながら一言『お願いします』と頭を下げて来た。俺も頭を下げて受け入れる。
若様はスチイの事に成ると少し怖いが、姫様は終始優しい笑顔を向けてくれる、もしかしたら俺に気が有るのかも知れない、若様より先に出会えていたら……。っと思うが若様と姫様の二人は仲が良いんだよなぁ、よく分らん。あの笑顔は俺に向けてじゃないのか?
各自荷物を部屋に置き、共有の大きな風呂に入った、再び部屋に戻り寛いで居ると、少し顔を肌を赤らめたスチイが戻って来た、可愛くも色っぽい。
服は着替えて宿屋の浴衣を着ているが、風呂上りで少し暑そうにしている。
緩く合わせた襟をパタパタと仰いで風を通しているが、下着が見えない……、代わりに生肌が浅い谷間に見えている。
ジッと見詰めているとスチイの手が止まり、襟を深く重ね合わせて一言。
「えっち!」
「ごめんごめん、スチイが魅力的だったから……浴衣が良く似合ってるよ」
もう少しで可愛いサクランボが見えたのに、惜しい。視線に気付かれてしまったが、スチイの成長は実に楽しみだ。
「もぅ」
「ははは」
スチイは頬を膨らませているが、取り合えず笑って誤魔化し、機嫌を取る様に少し長く成ってきた金色の綺麗な髪を、タオルで優しく何度も拭う。
スチイも直ぐに機嫌を直し、俺が半歩後ずさりベッドに座ると、後ろを向いて太腿の上に座り、小さなお尻をで俺の足を押し広げて股の間に入り込む。
目を閉じるように言って、スチイの髪を拭いながら胸一杯に香りを楽しんだ。
スチイの髪は生乾きだが、新しいタオルを頭に巻いてあげて、少し遅れ急ぎ食堂に向かうも、女性が多く時間が掛かった様で、皆と一緒に夕食を頂けた。
夕食には肉料理も出ていたが、若様も一緒に食べている、豚の肉なのだろうか?角が生えた者は食べないと言っていたが、見て分かる物なのだろうか?
以前スチイに肉を食べさせているが大丈夫なのだろうか? 後で若様に聞いてみるか。人魚族の例も有るし古い言い伝えなら、食べさせる訳にはいかない、人間族は何でも食べるから注意が必要だ。
食事の後に姫様の経過観察を頼まれて、若様と姫様の部屋にスチイと一緒にお邪魔した。
どうせなら風呂上りに呼んで欲しかったが、町に着いたのが遅かったので仕方ない。
二人部屋に四人も入ると狭く感じる、二つのベッドをピタリと付けて広い場所を確保し、姫様と一緒のベッドに上がり……、診察する。
姫様と一緒にベッドに上がったとは言え、若様とスチイの目が有り変な事は出来ない。二人きりにしてくれれば診察と言って服を脱がせたり、色々な所を触れた筈なのに、とても残念に思う。
患部だけを少し見せてもらい、異常は無く綺麗に治った事を確認してスグに診察は終わったが、姫様が動く度に腰に手を当てるのが気に成った。
起き上がった姫様に今一度うつ伏せに寝てもらい、腰を優しくマッサージするも、あまり効果が無く俺が楽しんだだけに終わる。下心が無かったとは言えない。
おそらく馬に乗り、腰に負担が掛かり疲れてしまったのだろう。
姫様には腰のストレッチを、前後左右に大きく伸ばす事と、左右に捻ると言いと伝え、実際にうつ伏せの姫様の両脇に自分の腕を差込み、後ろへ大きく仰け反らせる。
失敗した!これは若様に手伝ってもらい、俺は姫様の正面から観察するべきだった。
今頃、姫様の抱えたメロンは、はち切れんばかりに自己主張しているだろう、きっと正面から見たなら涎が出そうな位に美味しそうだろうな。
気を取り直して今度は足を伸ばして座ってもらい、前屈をさせる様に姫様の肩から肩甲骨の辺りを強めに、ゆっくりと押して倒していく。
俺は姫様を気に掛け顔色を伺う振りをして、胸に抱えた大きなメロンを見ながら『大丈夫ですか?』と『痛くは無いですか?』と聞く……が。
少しゆとりの有る服で、先程の診察で背中を診た後に加減が分らず、背中開きの服の紐を緩く結んでしまい……失敗した!失敗した!失敗した!
もっと強く結ぶべきだった、横からメロンを覗くも服が撓み、何処までが実態で何処からが服なのか分らない。強く結んでいれば、もしかしたら……。
二度も失敗した俺は元気を無くし、そう何処とは言わないが元気が無く項垂れて、姫様には左右にも体を倒して伸ばす事と、左右の捻りもすると良いと伝えて、『スチイをお預かりします』と小さな声で言って部屋を後にした。
失敗して元気の無い俺は、スチイ成分を補充して元気を取り戻すしかない。
部屋に戻って、スチイが何かを言う前に離れた二つのベッドを繋げてしまう。
これでスチイは俺の者だ、一緒のベッドで寝るしかない、そして今日のスチイは下着を着けていない、今夜は楽しめそうだ。
スチイは無防備にも一緒のベッドに入り込み、俺の腕を枕にしてスグに寝てしまう。
スチイが寝息を立てて身動ぎした頃を見計らい、薄い掛け布団を少し持ち上げて覗き込むと、スチイの浴衣は少し肌蹴て小さなサクランボが今にも顔を出しそうだ、もう少しと思い顔を近付けて行く……と『痛い!』スチイの手が顔に飛んで来た、バレてしまったのだろうかと思い慌てて布団から顔を出すも、スチイはスヤスヤと寝ている。
スチイの肌蹴た浴衣を直して、俺は少しづつ起こさない様に時間を掛けて近付いて、そっと抱き締める……と大事な部分を蹴られて、仕方なくスチイの香りと温もりだけを楽しみ眠ってしまう。
スチイは一見無防備に見えるが、寝込みを襲うのは危険だと思った。
翌朝は山からの風で冷えるのか少し肌寒く、スチイが俺に抱き付いている。
仰向けに寝ている俺のお腹に手を乗せて、両足で太腿を抱え込んで俺の左足は動かせず、左腕も枕元でスチイの首の下に固定されている。
俺もスチイの温もりを求め、体の向きを変えて向かい合う様に抱き付いた。
温かく良い香りがする、この時俺は二度寝を決意して深い眠りに就いた。
ドアをノックする音に気が付いて飛び起きた、どうやらスチイも起きなかった様で寝過ごした、ドアを開けると族長の付き人がミルクを持って来てくれていた。
『ありがとう』とお礼を言って受け取り、スチイを起こしてミルクを飲んだ。
そしてスチイが白い髭を生やしているので、舐め取ろうと唇と唇を近付けて行くとスチイが目を閉じて……手で体を止められてしまう。
そうスチイはキツク目を閉じて、少し顔を横に向け俺の肩に両手を伸ばして止めに来たのだ、どうやらチューは良いがキスは駄目らしい。
「近いよぅ、ノーバン様」
「鼻の下にミルクが付いてるから舐めてあげるよ」
「んんぅ恥かしいぃ」
顔に付いたミルクを自分の舌で舐め取り、恥かしいと言うが、その仕草が可愛い。
「今朝はチューしてなかったし……」
「後でね、ノーバン様」
今朝はノックの音で起きてしまい、目覚めのチューが欲しいと、あまり期待せずに少し遠回しに言うと予想より良い返事が貰えた。
その言葉で急に目が覚めた俺は、急いでミルクを飲み干しコップを片付ける。
部屋にはスチイと俺だけ、そして寝坊した為に時間が少ない為、スチイの着替えを手伝う事にした。下心は少ししかない。
「少し恥ずかしいよぅ」
凄く恥ずかしいと言う訳では無く、少しだけらしい、そう思いスチイの後ろに回りながら話を続ける。
「大丈夫、笑ったりしないから」
「ぅうぅん、そうじゃなくてぇ…………」
スチイも嫌がる風でも無いが、何かを口篭り俯いてしまう、時間が無い。迷ってる間に脱がせてしまおう。
「スチイ、手を少し広げて力を抜いてごらん」
「こぅおぅ?」
スチイが少し手を広げた所で、後ろから抱き付く様にお腹を触りながら、浴衣の帯を解きベッドの上に投げ捨てる。
体に掛かるだけに成った浴衣の襟を持ち、肩からゆっくりと脱がし下ろしてゆく。
浴衣もベッドの上に投げ捨てると、スチイの可愛いお尻は茶色の下着に覆われていた。見覚えが無いが何処かで貰ったのだろうか?可愛いから良いか。
そして着替えを用意してない事に気付いたスチイは、慌てて取りに行く。
着替えを持って帰って来たスチイは、服で胸のサクランボを大事そうに隠してしまう。俺に食べられたくないのかもしれない。
着替えは取り合えずズボンからにして、俺は膝立ちに成り腰を少し屈め顔がスチイの胸の正面に来るようにして、可愛いサクランボを間近に見ながら肩をかしてズボンを片足づつ入れさせ、ゆっくりと引き上げる。
下心は少ししかない……。が美味しそうなサクランボを舐めてみたいとは思う。
上着も静かに着せて見栄えを整えて、優しく正面から抱き締める。
スチイを味わった後に解放すると、頬に優しくチューをしてくれた。
「ありがとう、スチイ」
「こちらこそ、ありがとう……えへへぇ」
スチイからのチューは優しくて柔らかかった、今日も幸せだ。
俺も急いで着替えスチイと一緒に食堂へ行くと、皆が食べ終わる頃で、エルフの族長には、からかわれ、若様には睨まれてしまった。少し反省。
それでもスチイとの旅は、スチイとの朝は楽しく思う。




