第4話 令嬢との対面、その1
あらすじ:ヴィシーを仲間に加えたアレンスとキビン、新たな令嬢との対面をするが…
アレンスとキビンは、先ほどヴィシーを迎えた応接間で、次にくる令嬢を待っていた…
「殿下…もうすぐですよ…」
「そ、そうだな…」
2人がひそひそ話をしていると、応接間の扉が叩かれる音がした。
扉を叩いた使用人がアレンスに声をかける。
「殿下、クラウディア・リ・アルン侯爵令嬢様がいらっしゃいました。」
「良い。通せ。」
アレンスの言葉に反応したかのように扉が開かれると、薄い銀色のウェーブがかかった長髪の女性が現れた。
「失礼いたします。クラウディア・リ・アルン、ただいま参上いたしました。」
女性…クラウディアはそう言うと、アレンスに向かってお辞儀をした。
「うむ、こちらに来て座りたまえ。」
アレンスがそう言うと、クラウディアはアレンスの正面にあるソファーに向かって歩きだした。
「失礼いたします。」
そう言ってクラウディアはソファーに腰を掛ける。
クラウディアは手に持っていた扇を広げ、口元を隠しながら話し始めた。
「それで殿下、ご用件は?」
アレンスはクラウディアの質問に、フッと笑いながら答える。
「何、【妃選定】が始まる前に候補の令嬢達と話をしようと思ってな。」
「なるほど…人当たりの良い殿下らしい考えですわね。」
「いずれは私の妃になるのだ。姿や声、話し方は確認しておきたい。」
アレンスの言葉を聞いたクラウディアは、少し目を見開いた。
「…人となりは良いのですか?」
「そなたやヴィシー嬢のように、幼い頃から知っている者なら良いが、ほとんど初対面の令嬢もいるのだ。そう簡単に人となりは分からんよ。」
「…それもそうですわね。」
そう言ってクラウディアはテーブルの上にあるクッキーをつまみ、口に運んだ。
クッキーの味に満足そうな表情を見せるクラウディアに、アレンスは話し始める。
「クラウディア嬢、君は今の我が国について、どう思う?」
「殿下!」
キビンがアレンスの言葉に反応する。言葉を続けようとしたキビンを、アレンスは手で制する。
「何、ただの雑談だよ。」
あっけらかんと答えるアレンス。
「…」
アレンスの質問を聞いて、クラウディアは言葉に詰まる。
少し考えた後、クラウディアは口を開いた。
「…私個人としては、良いと思いますわ。国や領地を運営するのに優秀な人材は多いに越したことはありませんもの。例えそれが平民であっても」
「その通りだ。国は人があって始めて成り立つもの。人を上手く活かすことこそが国の運営に最も必要であると私は考えている。」
「そうですわね。お父様や領地の民も同意見でしょう。ですが…」
言葉に詰まるクラウディア。
そんなクラウディアの様子を察してか、アレンスは口を開いた。
「一部の貴族からは反感があるだろうな。」
「…ええ。お父様と補佐官のマルガウ様はお互いに尊重し合いながら領地経営をしておりますが、他の領地だと上手くいかない所もあるようですわね。」
「…なるほどな…」
そう呟き、腕を組みながらソファーの背にもたれ掛かるアレンス。
クラウディアは、そんなアレンスを見て、少し訝しげな表情を浮かべながら話しかけた。
「…殿下、何を企んでいるのです?」
「私は、何も。」
そう言いながら首を横に振るアレンス。
そんなアレンスを見て、クスリと笑みを浮かべるクラウディア。
「…そうですか…そう言うことにいたしましょう。」
そう言って、クラウディアは紅茶を飲み干した。
「あ、そうだ。クラウディア嬢。君の実家によく咲いている花がようやく咲いたんだ。良ければ見に行かないか?」
「…いいえ、それはまたの機会にいたしますわ。」
そう言ってクラウディアは席を立った。
そして扉の方に向かって少し歩いた後、アレンスの方へ振り返り、お辞儀をした。
「それではアレンス殿下、ごきげんよう。【妃選定】でお会い出来ることを楽しみにしていますわ。」
「ああ、私も楽しみにしているよ。」
アレンスの返答を聞いたクラウディアはニコリと笑った。
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クラウディアとの対面を終えたアレンスとキビンは、再びアレンスの部屋に戻ってきた。
「…ふうぅぅぅ…」
テーブルに肘をつけながら頭を抱え、息をつくアレンス。
「…緊張しましたね、殿下。」
そう言ってキビンはアレンスの前に紅茶とクッキーを置く。先ほど使っていた余りだ。
「ああ、全くだ。」
「クラウディア様は真面目な方ですから…不用意な発言を指摘されないかヒヤヒヤでしたよ…」
アレンスの斜め後ろに立つキビンはふうと息をつきながら話す。
「…そうだな。全くだ。」
「殿下が発言したんでしょ!今の時代、王族は政治的な発言を容易にするべきではありません!」
「うむむ…気を付けるよ。」
そう言って縮こまるアレンス。
「全く…では殿下、本日は次の方で最後です。」
そう言ってキビンはアレンスに紙を見せた。
紙の内容を見てアレンスは呟く。
「…彼女か。だったら…」
「だったら?」
「…彼女は、説得をしようと思う。」
「…!遂に説得ですか!何か案はあるのですね!」
「…」
「…殿下?」
「…考えないとな。」
「殿下!?」
次へ続く!
殿下のキャラが掴めねえ…




