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元デブス、国宝級イケメンになる。  作者: 豊川 楓
現デブス、生まれ変わる。
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いよいよ始まる新生活

青い空、白い雲。

鳥のさえずりが心地良い。


今日はいい日だなぁ……気持ちよさそうだ……




……ん?



「嘘でしょ!?」


飛び起きた。

ハッキリとクリアな視界、潤いが保たれた喉、何の不自由もない四肢に気温を感じ取れる肌。

熱っぽさは――全くと言っていいほどない。と言うか、超元気。

体温計には、36度2分。布団の上で、思わずガッツポーズをしてしまう。


だってさ……人知れず、()()()()()()()の”戦争”に勝ったんだよ?

ちょっとくらい、ガッツポーズしてもさ……いいじゃん!!


とりあえず、学校の準備をしよう。やっと学校に行ける!!

今何時かな……7時30分?


ヤバい、ご飯は食べなくてもいいから急いで準備しよう!!


――――


「あぁサッパリする……」


まず向かったのは――お風呂場。

急いでるのに、そんな呑気にシャワータイムしている場合かって?

そりゃだって、汗びっしょりで身体中がベトベトですから♪

初対面で臭いなんて思われたらもう……立ち直れないですよ……


急いで出て、急いでバスタオルを身体に当てる。

ドライヤーなんて使う余裕もないし、とりあえずさっと水気だけ拭き取ろう。

髪のセットとか、そんなもんカッコいい人達がすることだし、寝ぐせさえ無ければ気にしない。

鏡なんて――見る余裕もない。

そしたら、急いで歯磨きをして……トイレも済まして……


さぁ、お着換えタイムだ!!


クローゼットにある制服を取り出す。

ピカピカに輝いた、紺色のブレザー。

ワイシャツを着て、ズボンを履いてと……あれ?

()()()()()()()()()


「なんで? えっ……なんで?」


制服って、測ってもらった特注の服だと思うんですけど……

と言うかパンツでも思ってたけど……その……ブカブカ……

まぁ、これだけずっとご飯も食べれずに居たから、()()()()()()()()()()()()()()()()()!!

ベルトでも調整しきれなかったし、時間も無かったから安全ピンでものすごく詰めていく。


さぁ準備万端、出発だ……とその前に、学校に連絡しなきゃ。

出席出来ることを伝えたいし、時間割も聞かないとね!

電話の相手は……やっぱり、あの先生。


「あの……吹上空良です。元気になりました……が、学校…行けます!!」


電話の向こうで、すごく驚いている。

”声が違うけど……空良さんですか?”って言われた。今まで風邪引いてたから、声が違って聞こえたのかな……

でもその後は、何も問題なく会話が進んだ。

学校に着いたら、まず職員室に寄って欲しいとのことなので、もう行かなきゃ!!


――――


戸締りオッケー、忘れ物オッケー、家の鍵も持った。


「行ってきま~す!!」


カバンを肩に掛け、家を出る。

自然が豊かな場所という訳じゃないけど、外の空気はとても美味しい。

今から歩くのは、グルーグルマップのストリートビューで何度もトレーニングした15分間の道のり――何も問題ない。休んでたからなのか、身体がすごく軽く感じるし早く着きそうだ。


しばらく歩くと、人の流れが少しずつ多くなってきた。

ワンちゃんと散歩してる奥さんや、仕事に向かうサラリーマン。それに、自分と同じように学校に向かう学生。


なんか――すごく視線を感じる。

気のせいかな……


ちょうど、前から大学生らしき女性がこっちに歩いてくる。



―チラッ



―チラッ



―チラッ



いや、絶対に気のせいじゃない!! 少なくとも、5回くらいは見られた!!

すれ違った後も、何度もこちらを振り返っている。

俺って……何か変?


コンビニの目の前を通る。

別の高校の、女子生徒が二人。


「えっ、ねぇあれって大樹寺学園の……」


「あの見た目やばくない? 絶対に芸能科だよ!!」


内容は分からないけど、ひそひそと話す声だけが聞こえる……

一瞬、目が合った気がしたけど、すぐに目を逸らされてしまった。


やっぱり俺……変? ズボンとか脱げてる?


下半身を見てみると、しっかりとズボンは履けている。

不安だけど……歩くしかない。学校はもう、すぐそこだ。

いつの間にか、周りには大樹寺学園の学生ばかり。

ここでもやっぱり――チラチラと見られてる。というか……ザワザワしてる。

そんな、”アイドル”じゃないんだから……


「見たこと無いから、1年生だよね? 今年の1年生ヤバすぎる…」


「私普通科だけど、この学校選んでて良かった……」


「ヤバい私、一目ぼれしたかも……」


「ちょっとさすがにレべチすぎる……事務所どこ?」


みんな、顔を見ては友達とこそこそ話してる。

やっぱり……俺の顔に何かついてる……?

毛とか、そっち系の見えちゃいけないものとかが見えてる……?




そうだ、マスクをしよう!!

マスクなら、顔に何かが付いていても隠せる。

それに……休み明けだからマスクしていても違和感ないよね♪


カバンからマスクを取り出して、顔につけよう。

マスクのサイズは、恥かしいけど――特大サイズ。


つけてみたら、顔の前でマスクがだら~んと垂れた。


……隠せていない。なぜか()()()()()()()()()


おかしい。これが俺のサイズなのに、顔まで少し瘦せたんだ……


マスクをポケットにしまい、どうしようかと考えていたらいつの間にか学校に着いた。

さすがに、ちょっと後で鏡でも見てみよう。

でもまず、職員室に向かわないと……

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