表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元デブス、国宝級イケメンになる。  作者: 豊川 楓
現デブス、生まれ変わる。
PR
2/6

目覚めても、治ってない

その朝、突然ぱっちりと目覚めた。

期待とは裏腹に、未だに続いている頭痛。依然激しい倦怠感と寒気、熱っぽさを持ったまま窓の外をのぞきこむ。

目に飛びこんできたのは、カーテンのすきまから見える青空。


「多分、それなりに寝たな……」


今何時だろうか。重い体を必死に操作して、ベッド横にあるスマートフォンを手に取る。

画面に映るのは――11:30の文字。

体温を測ってみるが、昨夜と変わらず38度代。

長時間睡眠しても、体調が回復していないことだけが確認できた。


「午後から病院に行かないと……」


スマホで近所の病院の診察時間を調べる。午後の診察時間は15時からだ。

それまでは――大人しく安静にしよう。

もうすぐお昼だが、食欲が全くない。何か栄養のあるものを摂るべきなのはわかっているのに、その気力がない。

少し考えて冷蔵庫からスポーツドリンクを取り出すと、そのままベッドの上に転がり込む。

診察開始の30分前にアラームをセット。

相変わらずの寒気で寝付けが悪いが、再び瞼を閉じ、少し強引にまた眠りについた。


――ピリリリリ


携帯のアラームが鳴り、ゆっくりと身体を起こす。

相変わらず身体が重いが、今から病院に向かうため、仕方がない。

寝汗をしっかりかいたのでジャージに着替え、マスクを取り換える。

そして戸締りを確認すると、近所の大門医院を目指し歩き出した。


本来なら5分で着く道のりを10分かけて必死に歩くと、大門医院が見えてくる。昔からお世話になっているかかりつけの病院だ。院長先生は70代と高齢だが、代替わりすることなく未だに現役である。

どうやら院長先生の息子は大学病院で勤務しているらしい。

入口のドアを手で開け、受付に向かう。待合室にはまだ2人しかいない。どうやら自分で3人目のようだ。


「こんにちは。本日はどうされましたか?」

「き……昨日の夜から、はは……発、発熱し、しまして……」


体温を測り、問診票を書いて受付に出すと、待合室で待つように案内された。他の人にうつさないように、距離を取って待合室に座る。

壁には、生活習慣病の予防ポスターや予防接種の案内、そして今月の担当医表も掲示されている。今日の担当医は大門院長先生だそうだ。


1人2人と名前を呼ばれ、診察室に向かっていく。次は自分の番だ。少しソワソワしながら大人しく待合室で待っていると、診察室のドアが開き看護師さんが出てくる。


「吹上空良さんーどうぞー」


ようやく自分の番がきた。重い身体をゆっくりと持ち上げ、診察室へ向かう。

待合室のクッションは、まだ凹んだまま――申し訳がない。

診察室に入り、イスへ腰かける。診察室では猫背に白髪、厚みのある眼鏡をかけた院長先生がすでに待ってくれていた。


「う~ん 今日はどうしたの~」

「き、昨日から熱が出て……」


診察が始まり、聴診器で心音を観た後、首周りの触診を経て喉の様子を観る。

大きく口を開き、金属のヘラで舌を抑えられたため、異物感で咳き込んでしまった。


「あ~すこ~し腫れているかもね~  まぁ一応インフルの検査もしとこうか~」


長い綿棒のようなもので鼻の内側の粘膜を取ると、待合室に戻るように促された。

節々の痛みを我慢しながら待合室に戻り検査結果を待つ。

10分ぐらい経つと、再び診察室に呼ばれた。


「ん~何も出なかったよ~ まぁ()()()()()だね~ お薬だしとくね~」



物凄く、あっけなかった。


こんなんでいいの?

俺、本日にただの風邪なんだよね……?


そう思いながらも、受付で会計を済ませて処方箋を受け取った。次の目的地は調剤薬局だ。

そのまま、大門医院の道向かいにある調剤薬局で処方箋を出す。

調剤薬局の待合室にあるテレビでは、去年大ヒットした恋愛ドラマが再放送されていた。某アイドルグループ出身でイケメン俳優の”三好蓮”と、数年前に大樹寺学園を卒業し、国民的女優と称される”設楽すず”による胸キュンシーンの数々。画面の中に映る二人は、キラキラ輝いて見えた。


俺なんかとは正反対だな……

大樹寺学園で過ごしたら、俺も――キラキラ輝けるようになるのかな……


そう思いながら処方薬が出来上がるのを待っていると、ついに出来上がった。

解熱剤とビタミン剤の説明を受けてお会計。

レジでもらったサービスの飴は、のどの痛みが少しだけ和らいだ気がしてる。

最後に近所のコンビニでドリンクをたくさん購入し、自宅へ。

「ただいま~」

返事などあるわけないのは分かっているが、癖でやってしまう。

買ってきた飲み物を冷蔵庫に入れ、そのままベッドに倒れこんで瞼を閉じる。

体調が悪い中、たくさん歩いた俺の身体はもう限界だった。


――パチッ


瞼を開けるともう辺りが暗くなっていた。スマホを見ると時刻は18時半。

流石に少しお腹が空いてきたので、キッチンに立つ。

玉子とお米があるので今日は、卵入りのおかゆを作ろう。

ご飯が食べれるのだから、お風呂に入って身体を洗おう。

汗でベタベタだったので、スッキリだ。

お風呂から出ると、ボーっとしてきた。多分、夜になりまた熱が上がってきたのだろう。


「今日も、早く寝よう……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ