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悪いな
一通り笑い終わると、ジャールは話し出した。
「いや、すまない。こんなにもシエン君がうろたえるのは初めて見るからね。いいよ、シエン君。俺は見学させてもらうよ。」
そう言うと、ジャールは壁際のほうまで歩いていった。
「悪いな、ミリィ。」
「早く終わってね。」
フィールドに入る燈馬。
「遅いわね。」
イライラした声でカーラが言ってくる。
「悪かったな。じゃ、始めようぜ。」
燈馬が大型のナイフをホルスターから外して構える。カーラも持っている薙刀を構えなおした。
「戦闘開始!」
ジャールの声で、燈馬とカーラの決闘が始まった。