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次、いいよ
「トーマ、お風呂上がったよ。」
髪を拭きながらミリィが出てきた。既にパジャマ姿である。リーナは一番最初に入っており、牛乳を飲んで本を読んでいた。
「あぁ、ありがと。ってか、入っていいのか?生理的に受け付けないって言うなら、俺適当にシャワーだけでいいからな?」
一応常識的な考えは持っている燈馬。確かに、学園長に言われたとはいえ、年頃の女子二人の部屋に住むのはアレだろう。
「いいよ、トーマ。私の抱き枕なんだから、ちゃんと綺麗に体洗ってきてね?」
「了解。」
「一緒に入る?トーマ?」
「子供か、お前は。」
いつもながらの鉄拳制裁をリーナに加える燈馬。ウヒィ~といいながら崩れ落ちたリーナ。
「お前は俺が奈々に殺されるように仕向けてるのか?」
「ここは異世界なんだから、ばれないよ。」
「いや、あいつならやりかねない。兎に角入ってくる。」
タオルを片手に向かって行った燈馬。
「本当にナナってどんな女の子なんだろうね?」
「分からない。」
「それより、ミリィ。トーマ時々貸してよ。私も抱き枕欲しいよ。」
「嫌!」