はいぃ?
「はりゃぁぁぁっ!」
カーラが薙刀を振り回して相手の攻撃を防ぐ。しかし、相手の攻撃もやむことを知らず、一進一退の攻防が続いていた。
「きりがないわね。」
右手で薙刀を振り回しながら、カーラが左手を掲げる。すると、カーラの眼前にマス目が展開した。攻撃を避けながらも、マス目の一つを見つめている。
「転移」
そうカーラが呟いた瞬間、カーラの姿が突如として消えたのだ。しかし、次の瞬間には相手の背中側に立っている。まるで瞬間移動だ。背中合わせのまま、薙刀の柄で相手に一撃を入れる。基本的に魔法の威力で攻撃と防御をするこの相手は、至近距離での攻撃には慣れていない。まともに当たってしまう。勿論の事、攻撃も止んでしまった。
「最後ね。」
薙刀を発光させ、カーラが突っ込む。すかさず防御を張ろうとするが、再び転移してしまった。
「終りね。」
相手の首筋に薙刀を当てるカーラが立っていた。
「勝者、カーラ・シエン!」
「おぉ~。委員長勝ったじゃん。」
「まぁね。カーラはあの転移魔法が使えるから、この学園にスカウトされたんだよ。」
「あれくらい当然よ。」
「すごいな、カーラ。」
「え、あ、ちょっと…」
顔を真っ赤にしてうつむくカーラであった。
「さて、俺もやってみるか…。」