適正試験
第20話 適正試験
カルドラ『適正試験を始める前に一つ…』
カルドラ『今から審査する…「魔力質量」について…』
カルドラ『魔力質量とは、魔力の根幹を担い…「質」は、「魔力の精度」を表し…「量」は、「魔力の限度」を表す。』
カルドラ『ほとんどの者は、「魔力の練度」で補っている。磨けば向上する…魔力を補う為だ。』
カルドラ『魔法の基礎は、「精度・限度・練度」の3つで構成される。戦いを専門としない魔法師達とは、少しかけ離れているが…まあ覚えていてくれ…』
カルドラ『では…試験を始めよう…』
カルドラ『魔力質量はこの…「未鏡」と呼ばれる「魔導具」で審査する。』
カルドラ『この魔導具は、前に立つ者の「魔力質量」によって様々な変化が現れる。』
カルドラ『この名前になった意味は…まあ…後で分かる…』
カルドラ『自分自身が写るだけなら…ただ魔力を持たない者となる…』
カルドラ『逆に中には、何も写ら無かった。者も居たらしい…取り敢えず立ってみないと分からない…』
ゼイル『クシュン!』
レクサム『風邪か?』
ゼイル『さあ…』
カルドラ『立つ者の魔力属性も…反応に関係するよ…』
カルドラ『では…シェルピーさんから…』
シェルピーがその鏡の前に立つと…途端に鏡から光が溢れ出す…
何やら奥に…輝く雲の様なものも見えていた。
カルドラ(彼女の内で眠る…魔力属性が写し出されたのか…)
カルドラ『よし…次はパメラさん…』
その鏡の前に立つと…先程の反応とは違い鏡の中で静かに反応が始まる…
鏡の中で写し出される光景…それは、何処か見たことがある…
私はそれが…夜に空に広がる無数の星々に見えた。
シェルピー『ふむ…赤に青にそれに緑…奥まで鮮明に写し出されています。とてもきれいです…』
カルドラ(これも…彼女の魔力属性が関係しているのか…)
カルドラ(それに…この鏡の中で光景が広がり続けている様だ。)
カルドラ『この様に何が起こるか分からないし…その反応次第で「魔力質量」を推定する…その為この名前になった。』
シェルピー『具体的なのは、分からないと…』
カルドラ『そう言うこと…派手な反応ほど…魔力質量が良いとなる。』
一体…この魔導具を作った人はどんな人だったのか…
カルドラ『次は「魔法術の適正」を審査する。』
カルドラ『魔法術の適正とは…魔導協会が定める。「五つの魔法術」の適正のことだ。』
カルドラ『五つの魔法術は、その名の通り…5つある。』
応用術「魔法術の中で最も種類があり習得が困難となる。」
回復術「魔力属性である(光)が必要となる。」
紋章術「魔力属性である(闇)が必要となる。」
結界術「魔法術の中で使い分けと両立が難しい…」
召喚術「魔法術の中で最も簡単…」
カルドラ『応用術の扱いに長け…その練度を極めた者は、長い歴史から見てもほとんど居ない。』
カルドラ『ただ習得し…扱うだけなら可能だ。』
カルドラ『まずは、応用術から…』
カルドラ『応用術は、言わば思い付き次第で無限に広がる術となる。』
カルドラ『「日常魔法」を軸に幾つもの分岐や派生からなる…今も尚…編み出され続ける。「魔法学術」の要となる魔法術…』
シェルピー『「魔法学術」は、主に…魔法の研究による…魔法の解明や新たな魔法を編み出すこと…それに「魔導具発明」にも最も必要となる知識です。』
カルドラ『「高等技術」になるが…「属性変化」も応用術の一つだ。』
カルドラ『ちなみに、応用術はつい最近までほとんど解明仕切れていなかった。』
カルドラ『その応用術を解明したのは…』
カルドラ『現魔導協会会長であり…歴代最年少で魔導将軍から会長まで上り詰めた…異才…ライル・イズ・ラーテ会長だ。』
カルドラ『話は逸れたが…次は「回復術」と「紋章術」について…』
カルドラ『この2つの魔法術の特徴は、特定の「魔力属性」が必要であり…また魔力質量が大きく関わる点だ。』
カルドラ『回復術の場合…扱う者の魔力質量によって…「治療範囲」が変わってくる。』
カルドラ『その為…ほとんどの者達は、傷を癒すことしかできない…』
カルドラ『紋章術の場合は、扱う者の魔力質量によって…「効果範囲」が変わり…対象を強化する。「紋章魔法」が一般化されている…』
カルドラ『それ以外は、主に「魔術」に分類される…』
カルドラ『結界術も扱う者の「魔力質量」によって左右する。』
カルドラ『魔法術の中で「召喚術」と並ぶ基礎となる術であり…また…使い分けと両立が困難なことでも知られる。』
カルドラ『結界術を扱う上でこの使い分けと両立は、重要となり…練度による性能の違いで大差が生まれる魔法術だ。』
魔力質量により効果範囲と強度が変化
防壁・障壁・遮断・分断・無効
魔法妨害・魔法反射・魔法反撃
不可侵・不可視
カルドラ『召喚術は、呼び出される存在との「信頼」と「契約」で成り立つ魔法術…その度合いによって様々な共存が実現できる。』
最上階「魔力属性の代わりに強力な魔力特性を宿す。」
上階「魔力属性を宿す。」
中階「魔力属性を宿す。」
下階「魔力属性を宿す。」
信頼と契約により実現できる共存
命令・共有・供給・解放
カルドラ『召喚される存在によって…術者が扱えない魔法術を補い合うことができる。』
カルドラ『この「五つの魔法術」の中でどの適正があるか…』
カルドラ『今…可能となる魔法術のみを審査していこう…』
カルドラ『所で…シェルピーさんは、既に「応用術」は扱える様だね…』
シェルピー『少しだけですが…』
カルドラ『応用術は、多彩な「魔法技術」が必要となる。』
カルドラ『器用なシェルピーさんには、持ってこいの魔法術だ。』
シェルピー『「魔法技術」とは、主に「魔法術の練度」のことを指しますよ…パメラさん…』
シェルピー『以前から応用術は、鍛錬して来ました。お祖父様の得意な魔法術でしたので…』
カルドラ(やはり…流石は…かつて…「七彩の獅子」(しちさいのしし)と呼ばれた。英雄軍の1人…セザール陛下のご令孫…)
カルドラ(どうりで…「6属性」も宿るわけだ。やはり7つ全てが…引き継がれるのは稀らしい…)
カルドラ『さて…あとは…「回復術」かな…』
カルドラ『回復術の適正は、この…植物で審査する。「回復術」は…植物などでも代用できる…』
カルドラ『植物の傷や病気が治るだけでも…適正が十分にある…』
カルドラ『それでは…植物が可哀想だが…これら全てに当てはまる。植物に「回復術」を施して見よう…』
シェルピー『この植物…枯れています。』
カルドラ『ああ…それは…後で取り替えておくよ…』
シェルピーさんは、回復術では無く…祈りをしている様だった。
カルドラ(一体…何を…明らかに回復術では無い…)
シェルピー『枯れてしまった植物さんも…今此処に再び…緑を取り戻しますよ…』
すると…突然…光が、辺りを包み込み…
自然の爽やかな音が鳴り響く…
とても心地よい音色だ。
カルドラ『これは…一体…』
枯れてもう生える事は無かった植物は、本来の綺麗なピンクの色の花を付けて再び緑を取り戻す。
まるで…植物自体が生え変わる見たいに…
カルドラ『!』
カルドラ(あり得ない…枯れてしまった植物は、人間なら死んでしまっているのと同じだ。)
カルドラ『それを、蘇らせる…それは…歴史ある学園でも可能とした入門者は1人も居ない…』
シェルピー『でも…植物だけですが…』
カルドラ(それは違うよ…シェルピーさん…たとえ植物でも可能とした者は存在して来なかった。)
カルドラ(やはり…この子達は…)
カルドラ『常に驚きを見せてくれる…』
パメラ『あれ…この植物…』
カルドラ『それは…元には治せない…昔から解明されていない…植物のみが発症する病気だ。』
カルドラ『この病気は…他の植物にも移っていく…人で言う不治の病だ。』
私は、この植物を助けたい。
一瞬…無意識に、探したいと思った。
不治の病を治せるお薬を…
すると…急にポケットに違和感を覚える…
私はポケットを探る…すると…
一つの小さな瓶を見つける…
カルドラ『それは…何だい?』
カルドラ『どうやら…何も書いていない小さな瓶の様だが…中に何か液体が入っている…』
カルドラ『これを、パメラさんは今まで持っていた?』
私は、首を横に振る…
カルドラ(いきなりポケットに…「転送魔法」でも無い…この子達は、まだ応用術の基礎の段階だ。)
カルドラ(あれは…そうすぐに出来る魔法術ではない…)
カルドラ(では、これは何だ?)
カルドラ(!)
カルドラ(もしや!)
カルドラさんは、小さな瓶を開けると不治の病が広がる植物に振り掛けた。
すると…瞬時に不治の病が癒える…
カルドラ(不治の病だ…今まで決して治ることの無い…この植物だけが発症する病気それをいとも簡単に…)
カルドラ『本当に君達は、何者なんだ…』
カルドラ『パメラさん…この枯れた植物に回復術を施してみてくれ…』
カルドラ(まさかな…)
カルドラ(回復術は…「光」の魔力属性を持つ者のみが扱えるはずだ…)
パメラ(自分の感覚を植物に移すイメージ…)
私は、回復術を施そうと植物の前に立つ
するとカルドラさんが、こう呟く…
カルドラ『長い歴史の中で…死した者を生き返らす者は、存在してこなかった。』
カルドラ『これが魔法の理であり…魔導協会が定めて来た。魔法の原則だ君は…』
植物が再び緑を取り戻す。
まるで…生え変わる様に…それは、再び命を取り戻した。
カルドラ『君達は、今その常識を覆した。』
カルドラ(本当に…会長が選ぶ人は、常識にとらわれないよほんと…)
適正試験を終えて…広場を後にする。
ふと…大きな石像が目に入った。
何故…今の今まで目に留まらなかったのか…




