何故か嫌な予感が……
「カズトさん!ユウトさん!今日はよろしくお願いします!あのカイザードラゴンを倒したカズトさん勇者であるユウトさんと一緒に依頼を受けられるなんて………俺、感激ッス!」
「いやいやそんな僕なんて勇者の職業を持ってるだけでまだまだだよ。それよりキンニくんだっけ?この依頼が終わったら色々話したいことがあるんだけど。」
「キンニ、嬉しそう………でも私のことも見てほしいのに………。」
「?なんか言ったか?ネット。」
「ううん!なんでもない!」
今、俺は勇人と新人冒険者のキンニ・ビエルくんとネット・ラーレちゃんと一緒に盗賊退治の依頼に出ている。
なぜそんなことになったのかと言うと話は2時間前まで遡る。
いつものように暇になった俺は久しぶりにギルドの依頼に行こうと思い1人だと寂しいので同じく暇だった勇人を連れてバザシー支部のギルドに行った。
「なあどんな依頼にする?」
「お、この盗賊退治の依頼にしようよ。僕と和人なら余裕のよっちゃん酢漬けイカでしょ。」
「お前古いこと知ってんな。それ昭和のギャグでしょ?今の若い人達知らないと思うぞ。」
「それを知ってる和人も大概だよ。」
「でもさこの依頼、四名以上でないと受けられないって書いてあるぞ。」
「じゃあ臨時パーティーを作ろうよ。そうすればあと2人いれば依頼受けられるから。」
「でもそんな都合良く2人組の冒険者なんているのか?」
「あそこにいるじゃん。」
俺が勇人が指差した方向を向くと犬耳と尻尾が付いてるガタイのいい男と犬耳と尻尾が付いてる華奢な女の子がいた。
「ジュル………ちょうどいいからあの子達にしようか。」
「よだれ出てるぞ。」
「あのー君達、ちょっといいかい?」
「え?なんす………ええっ!?もしかして勇者の職業持ってるユウトさんとダンの町のダンジョンをたった1人でしかも1日でクリアしたカズトさんですか!?」
「え?なんで俺達のこと知ってるの?」
「なんでって、冒険者やってるやつならお二人のことを知らないやつなんていないっすよ!」
おお……俺、有名人なんだ……なんだかスターになった気分だ。
「お、俺、キンニ・ビエルっていいます!コイツは幼馴染で同じパーティーメンバーのネット・ラーレって言うんです!おいネット!お前も挨拶しろよ!あのユウトさんとカズトさんだぞ!」
「あ、あの私、ネット・ラーレです……。よろしくお願いします……。」
「「よろしく。」」
「で、なんでお二人が俺達に声かけたんですか?」
「実は今から盗賊退治の依頼を受けようと思ったんだけどさ、パーティーメンバーが四名じゃないと受けられないらしくてさ、それで2人組の冒険者を探してたんだ。そしたら君達を見つけたってわけ。」
「ええっ!?てことはお二人と一緒に依頼を受けられるってことですか!?」
「君が良ければね。」
「も、もちろん行きます!良いよな!ネット!」
「あ、う、うん……。キンニがしたいなら私は構わないよ?あ、後、顔が近い………。」
「よっしゃあ!」
ネットちゃんがキンニくんの顔を見て顔を赤らめてる………。ははーん、なるほど、そーゆーことですか。
「それじゃあ早速依頼を受けに行こうか。」
「はいッス!」
というわけで依頼を受けた俺達は今、冒頭のシーンのやりとりをしているところだ。。
そして俺はネットちゃんに勇人とキンニくんに聞こえない音量でネットちゃんに話しかけた。
「なあなあネットちゃん。君、キンニくんのこと好きでしょ。」
「ええっ!?」
「ん?ネット、どうした?」
「あ、ううん!なんでもない!」
「そっか。それでですね………」
キンニくんは再び勇人に話し始めた。
(あ、あのなんで知ってるんですか?)
(いや、いくらなんでも分かりやすすぎたからさ。で?告白とかしたの?)
(あ、いえまだです……。でもこの依頼が終わったら告白しようかなって思ってて………)
(そうか!頑張んなよ!)
(カズトさん……。ありがとうございます!)
しかし何故だろう。この恋が成就することはないような気がするのは何故だろう。できれば2人は結ばれてほしいんだけどな………。
そして話してる間に盗賊達のアジトに着いた。アジトから声が聞こえるのでどうやら盗賊達は中にいるようだ。
「ちょっと待っててね。今回は僕1人で戦かってくるよ。」
「え?なんでですか!?」
「君達は初心者だ。まだ戦い慣れていないだろ?それに対して盗賊は戦い慣れているし、基本的に集団で襲ってくる。対人戦もしたことがない君達では死んでしまう可能性が高い。だから今回は僕1人で行ってくるよ。」
「ちょっと待ってください。1人でって、それならカズトさんも連れていった方がいいんじゃ内ですか!?さすがのユウトさんでもたくさんの盗賊達相手に1人で戦うなんて無謀っすよ!」
「カズトは君達にもしものことが起こらないために君達と一緒にいさせる。もしかしたら一部の盗賊が外にいるかもしれないからね。それに盗賊相手に勇者の僕が遅れをとるわけないだろ?」
「確かにそうっすけど………。」
「分かってくれ。キンニくん。僕は君達を死なせたくないんだ………。」
「ユウトさん……。わかりました!ユウトさん!気をつけて行ってきてくださいね!」
「ああ!」
アイツずっとカッコいい感じで言ってたけど話してる間、ずっとよだれ垂らしてたぞ。
絶対他の意図があるだろ。
そして勇人は盗賊のアジトへと入っていった。
しばらくすると中から盗賊の怒号や悲鳴のほかに喘ぎ声が混じっていたような気がしたが俺は聞かなかったことにした。
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