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石蕗学園物語  作者: 透華
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交流会 ある電波転校生の苛立ち

申し訳ありませんが、体調不良により次回から毎日更新が難しくなるかもしれません。


 なんで、アタシがこんなことしなきゃなんないのよ! だいたい、自分をよりミリョクテキに見せるためにメイクするなんて当たり前でしょ! 膝下よりも膝上のスカートの方がアタシのキレイな足が見れて、みんなだって役得じゃないの! それなのに、なんで、必修科目の課題を二倍になんてされなきゃならないのよ。ホントにワケが分からないわ!

 しかも、ポエム作れとか意味分かんないわよ! 反省文じゃなくてポエムとか、あの学校おかしいんじゃないの! 第一そんな設定なかったじゃない! 反省文だったらネットで調べて、ソレっぽいの書けたのに! その上、添削者に何回も提出するなんて面倒くさすぎよ。折角のゴールデンウイークにそんなことするなんて、ホントに馬鹿げてるわよね!

 絶対、あの風紀委員長の嫌がらせに決まってるわ! 蒼依あおい君に相手にされないからってアタシにあたるなんてサイテーよ! そんな性格だから蒼依君に相手にされないんだって分からないのかしら?

 クラスの女共も風紀委員長以外の他の同学年の女共もアタシが一樹いつき先生に気にかけてもらったり、蒼依君やそう君がアタシとおしゃべりするのを恥ずかしがって逃げてるのが気に入らないから文句言ってくるし。ホントに女のシットってみにくくて嫌になるわ!

 しかも、けい先輩やあかね先輩、浅葱あさぎ君に萌黄もえぎ君とは他学年の女共にジャマされて、いまだに会うことすら出来ていないのよ! かなめ先生もほとんどお話ししてくれないし、つまらないわよ!

 そうそう男達は、みんなアタシが可愛すぎて、近づけないみたいなのよね。「タカネの花」ってヤツなのかしら。まぁ。顔の良くない男達に囲まれてもうっとうしいだけだし、別にいいけどね。やっぱり囲まれるなら颯君達みたいな顔も家柄も一流な人達じゃなきゃアタシにはつりあわないわよね!

 えっ? 課題したりポエム作ったりしてるかって?そんなのするわけないじゃない! だってアタシは悪いことなんて、なんにもしていないのよ! 何でこんな面倒くさいことをマジメにしなくちゃいけないのよ!

 それにアタシはこの世界の主人公だもん。みんなに愛されるために存在するのよ。課題とかしなくても問題ないわ! 一樹先生やパパやママには「ちゃんとしなさい」って言われたけど、出来なくても、みんな許してくれるに決まってるわよね!

 だって仕方ないじゃない。アタシだってチラッと課題を見たりポエムのお題だって見たけど課題は難しくて何書いてるか分からなかったし、ポエムのお題「奉仕」なんてワケ分からなかったんだもん。

 やっぱり、あの風紀委員長がアタシが分からないような問題をワザと出してるとしか思えないわ! 何であんな女が風紀委員長とかしているのよ! イジワルで性格悪いだけの女じゃないの! 風紀チェックの時だって、ニコニコしてて気持ち悪かったわ!

 ニコニコしてたって言えば、蒼依君達とはじめて会ったときに蒼依君達といっしょにいた女も気味が悪かったわね。アタシが“悪役令嬢”のホントのコトを言ったら横から誰に聞いたのかとか口出ししてきたのよね。早口だったから、ちゃんと聞き取れなかったけど。

 “悪役令嬢”が“悪役令嬢”なのは当たり前のことじゃないの。でも、颯君も何か否定してきたわよね。あっ、もしかして、あの“悪役令嬢”もアタシと同じ転生者だったりするの!?

 そういう小説はたくさん読んだことあるし。だったら、颯君はあの“悪役令嬢”にだまされてるってことよね。女共がジャマするのもアイツが何かしてるからなんじゃないの!

 もしも、そうだとしたら颯君達をアタシが助けてあげなくちゃ! アイツは生徒会役員だったハズだし、螢先輩達もだまされてるのかもしれないし! ヤダッ! アタシったらホントにヒロインじゃない!

 悪女にだまされてるヒーロー達を助けるヒロインとか、スッゴいシチュエーションじゃない? オリジナルの“石蕗つわぶき学園物語”より、ドラマチックだわ! アタシは颯君達を“悪役令嬢”から助けてあげるために転生したのね。

 あっ。でも、“悪役令嬢”に近づこうとしたら、あの気味が悪い女にも近づかないといけないのよね。そもそも、颯君達にも今は近づけないし。もうっ! なんか難易度高くない? せめて、クラスが同じだったら颯君達に近づけるんだけどなぁ。

 そういえば、もう少ししたら体育祭があったわよね! そのときに近づけばいいんだわ! アタシったら頭いい! きっと、颯君達も体育祭でなら恥ずかしがらないで話してくれるわよね! 体育祭ってイッシュの交流会みたいなモノだし!

 うーん。体育祭のときに一番近づきやすいのは蒼依君かな? 多分写真係だし! アタシの写真いっぱい撮っていいよって言ってあげたら、きっと喜んで撮るに決まってるわ! だってアタシは主人公! この世界で一番の美少女だもん!

 なんだか体育祭が楽しみになってきたわ! でも、その前に課題提出があるのよね。あーあ。ユウウツだなぁ。絶対、あの風紀委員長に文句言われるんだわ。ちょっとだけしてあげたらマシになるかしらね。


ひめちゃーん! お菓子もって来たわよ」


「ありがとう。ママ!」


 ママはアタシほどじゃないけど美人だし気が利くからラッキーだわ。前世の親とは大違いよ。あの人達ときたら、直ぐに怒るし文句は言うし最悪だったわ。パパもイケメンで優しいし。転生してよかったわ。


「姫ちゃん課題進んでる?」


「ぜんっぜん! だいたいアタシ悪いことなんて、なにもしてないのに、こんな課題出されるなんてヒドいよっ!」


「あのね。姫ちゃん。姫ちゃんがイヤなのは分かるけど、ちゃんとしないと、停学になっちゃうのよ?」


「えっ?」


 テイガクってなによソレ! そんなの聞いてないわ! ちょっとスカートのたけ短くして、メイクして、メイク道具もっていっただけでテイガクなんて、ありえないわよ!


「な、なんでテイガクなんて……」


「石蕗学園は名門校だから厳しいのよ。生徒指導部の先生も課題を渡すときに言っていたし、課題にも書いてあるでしょう?」


 ママの言葉にあわてて課題を見ると確かに「提出期限までの進行状況、また提出後の正解率によって、停学や学園への奉仕活動等の処置をとる」って書いてある。

 ゴールデンウイークは明日で終わり、課題提出は明後日って絶対に終わらせるなんてムリじゃない! こんなバツゲームみたいなこともゲームにはなかったじゃない! そもそも、ゴールデンウイーク中の宿題として出された分もぜんぜん出来てないのに。


「どうしよう。ママ!」


「頑張るしかないわね。ママも手伝ってあげたいけど、石蕗学園のレベルは高いからママも覚えてないことも多いし……」


「そんなぁ」


「そうだわ。姫ちゃんお友達に手伝ってもらえないかしら?」


「友達?」


 友達なんていないわよ。みんなアタシとはレベルが違うモブキャラばっかりだもん。アッチから「どうか私の友達になって下さい」とかお願いされたら考えてあげなくもないけどね。

 そういえば、サポートキャラが同じクラスにいたっけ? ゲーム内容おぼえてるし別にいらないからマトモに話したこともないわ。っていうか、サポートキャラならアッチからアタシに話しかけてくるべきじゃないの!?

 あっ。でも、攻略キャラのみんながなんとかしてくれるわよね! だって、みんなもアタシの姿が見れなくなるのはイヤに決まっているもの! それに、主人公がいないゲームなんておかしいし、なんとかなるわよ!

 あー。もう。心配してソンしちゃった! 大丈夫よ。アタシのために世界はあるんだもん。なんとかならなきゃ、ギャクにおかしいわよね!


「姫ちゃん大丈夫?」


「大丈夫よ。ママ! アタシはテイガクになんてならないわ! だってアタシはお姫さまだもん! みんながなんとかしてくれるわよ!」


「……姫ちゃん……とりあえず、お菓子、置いていくわね。一応宿題用の課題だけでも、終わらせてね」


 ママはそう言うと何ともいえない顔をして直ぐに部屋を出ていった。変なママ。あっ。でも、ママはアタシがこの世界の主人公だって知らないんだから仕方ないかしら? まぁ。そのうちアタシが世界の中心だって分かるわよね!

 アタシは鼻歌でも歌いたくなりなかがら、ママが持って来てくれた美味しそうなお菓子に手を伸ばした。ふふっ。学校に行くのが楽しみだわ!


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