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入学式2
見切り発車が顕著になってきた
「さっきはありがとうございました」
と驚きと教室内はまだ騒々しいこともあり、自分でもびっくりするほど大きな声でつい10分前に生まれた些細な目標が達成されてしまった。
しかし彼はまた手をヒラリと振るだけで、ポケットからスマートフォンを取り出し操作し始めた。
嫌われちゃったかな?と自嘲気味に苦笑いを浮かべ琴がどこに座っているのか見渡してみた。
肩にトントンと指で叩かれた。叩かれた方の左を見ると、その男の子がスマートフォンの画面をこちらに向けてきた。
メモのアプリが開かれており文字が打ち込まれていた。読めということでいいのだろうか。
「読んだらいいの?」
の質問に対し彼はコクンと頷いた
『大丈夫だよー笑
俺声が小さいから笑ごめんね
あっ名前は後東悠宇だよ!よろしくね〜君の名前も教えて貰っていいかな?
あと同級生だからタメ語でいいよ笑笑』
結構ファンキーだなという真っ先な感想とともに画面から顔を上げると彼の隠れていた顔のうち右目の前の髪が掻き分けられ、その右目が人懐っこくニコッと笑った。
多分、初めての場所、知らない人に助けられ無視されなど多少の不安や緊張での吊り橋効果が働いたのかは定かではないが、私はこの瞬間に隣の席の男の子、後東悠宇に恋をしてしまったのだ。
回想終わりー




