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魔法世界の剣術士 中  作者: 相會応
涙雨にあなたの真理は霞んでしまう
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「ご主人様……それなりにガンバ……私は……寝る……」

      びゅぐう〝ぃる

 特殊魔法治安維持組織シィスティムによる雨宮愛里沙(あまみやありさ)の発見、及び戦闘開始となる数分前――。

 ヴィザリウス魔法学園の廊下窓にて、特殊魔法治安維持組織シィスティム専用車両が続々と音もなく魔法学園の中庭に到着するのを見下ろしていた星野一希ほしのかずきは、一応の仲間である光安へ通信を送っていた。


特殊魔法治安維持組織シィスティムがヴィザリウス魔法学園へ到着した。どうやら、雨宮愛里沙を確保しに来たようだ」

『なるほど。連中はどうやら、我々光安よりも先に雨宮愛里沙を確保し、我々に対して利権を引き出そうとしているようだ。おのれ特殊魔法治安維持組織シィスティムめ……抜け駆けを計るとは』


 一希は興味がない素振りで、向こうの苛立った声を聞き流しながら、窓の外へ金髪の奥の青い瞳の視界を送る。


「どうするつもりだ? そちらの方でも、すでに雨宮愛里沙がこの学園に潜伏していると言う情報は入手しているんだろう?」

『ああ。だが、我々は特殊魔法治安維持組織シィスティムとは違い、迅速且つ大々的な活動は出来ない。そこで星野一希……君の出番だ』

「正直に言って僕は、光安と特殊魔法治安維持組織シィスティムの間での主導権争いに興味はない。ハッキリ言えば、勝手にしてほしい」


 なぜ、僕がこのような一人の女を巡る組織間の戦いに巻き込まれなければならないのだ。僕はこの学園で、今後の障害となる男の全てを壊すつもりでいたのに。

 そんな思いを秘めていた一希は、うんざりする口調で光安に告げる。


『しかし悪いが星野、こちらに協力してもらう。雨宮愛里沙の持つデータは、言わば特殊魔法治安維持組織シィスティムが我々に内密で隠し持っていたものだ。完全に処分されていたはずのデータの生き残りを、あの女は握っている』

「つまりそのデータが特殊魔法治安維持組織シィスティムに渡ってしまえば、光安は特殊魔法治安維持組織シィスティムに対しての優位性を失う、と。そのデータの詳細は?」

『それは君が知る必要はない。いいか星野。君が行うべきことは二つ。データの完全な破壊と、雨宮愛里沙の殺害だ。特殊魔法治安維持組織シィスティムよりも速くにな』


 どうやら、光安にとってよほど需要な情報があるらしい。そして、それは特殊魔法治安維持組織シィスティムにも同じことが言える。

 一希は持っていたバスケットボールを廊下の壁に投げては、跳ね返って来たものをキャッチしていた。

 

『雨宮愛里沙の写真等、情報はすでに送ったはずだ。至急、任務にかかれ。我々もすぐに大規模な戦闘部隊を、ヴィザリウス魔法学園へと向かわせる。いいか星野一希。もしもデータが特殊魔法治安維持組織シィスティムの手に渡れば、我々の組織そのものの存在の危機だ。なんとしても食い止めろ。光安があるからこそ、この国は平和を保てているんだ』

「……了解しました。雨宮愛里沙の抹殺、及びデータの破壊を行います」


 一応は納得した面持ちで、一希は光安の仲間との通信を終える。

 そして腕を窓ガラスに添え、それを額で押し付けるようにして、今一度中庭に止まる無数の特殊魔法治安維持組織シィスティム車両を睨む。今まさに、その停車した車からは、白いサマースーツ姿の隊員たちが降りてきて、魔法学園の棟の中へと入って来ている最中だ。

 かつては自分も憧れていた組織、特殊魔法治安維持組織シィスティム。しかし今は自分は、光安こそが自分の理想を叶えるために必要な組織として、なずなの加護の元、命令に従っている。

 

(ご主人様、どうされますか?)


 頭の中で少女の声が響く。


「……光安は相当、苛立っていた。数日前のクエレブレ帝国皇女抹殺を失敗したことで、明らかになずな総理……光安と特殊魔法治安維持組織シィスティムの間の関係性に、亀裂が奔っている。そうして今このタイミングで起きた、データと一人の女性の命の争奪戦……」


 その戦いでは確かに、剣術士――天瀬誠次あませせいじが関わっていた。そして空港で見た人物はもう一人、ヴィザリウス魔法学園の理事長、八ノ夜美里はちのやみさとだ。


「――っ。そうか……そう言う事だったか」


 そこで一希は、とある事に、納得する。

 

「空港で見た時、ずっと謎に思っていたんだ。国家組織である光安を相手どり、クエレブレ帝国の皇女を救出する戦い。それは当初あまりにも、天瀬誠次や八ノ夜美里にとってすべき価値のない戦いだったはずだ。言わばハイリスクローリターンだ」


 身体の奥底から、謎が解けた際に出る高揚感と、同時に敵の大いなる策略に気が付き、一希は歩きながら話すことを止められなかった。


「しかし、クエレブレ帝国皇女を巡る戦いでは遂に、薺総理は特殊魔法治安維持組織シィスティムの力を借りた。しかし、結局光安も特殊魔法治安維持組織シィスティムも、皇女抹殺という任務は失敗してしまった。西の彼方へと羽ばたいた皇女を見上げるのは、互いの信頼関係に亀裂が入った光安と特殊魔法治安維持組織シィスティムだったんだよ」

(はい! とてもとても、滑稽でしたね!)

「ああ。それを見込んだうえで皇女を救出すると言う一見無意味な戦いを彼が選んだとするのであれば、八ノ夜美里……さすがは魔法学園の理事長なだけはある」


 しかし同時に、憐れみを抱く心もあった。その矛先は、彼女の下で戦ったと言っても過言ではないはずの、かりそめの友情を結んだ少年の姿であった。


「……憐れだね天瀬誠次。君()所詮、魔女の道具と言うわけか……。僕たちはやはり……この運命からは逃れられないようだ……」


 階段を駆け足で降りながら、一希はそんなことを呟いていた。


 そうして、一希もまたもう一人の魔女の道具として、雨宮愛里沙を殺害する任務を開始した。

 縦長の棟を移動するための長い階段をひたすらに降りていれば、特殊魔法治安維持組織シィスティムが学園にやってきた事と、彼らによる捜査に協力するよう促してくる、ヴィザリウス魔法学園の女性教師の放送が耳に入る。


(なんだか慌ただしくなってきましたよ、ご主人様!)

「――そこの君! 止まりなさい!」


 完全なる夜を迎えたヴィザリウス魔法学園。明かりが煌々こうこうと灯る男子寮棟の廊下にて、星野一希ほしのかずきは背後から特殊魔法治安維持組織シィスティムに声をかけられた。

 足音からして、どうやら特殊魔法治安維持組織シィスティムは一人のようだ。

 

「学園の先生から放送があったはずだ。特に用事がなければ、寮室にいるようにと」

「ご、ごめんなさい」


 立ち止まった一希は、ゆっくりと振り向いていく。


「ちょっとした用事がありまして……――っ!」


 おどおどとした声音でそう言った一希は、手に持っていたバスケットボールを、勢いよく相手の特殊魔法治安維持組織シィスティムの男へ投げ渡す。


「なっ!?」


 ほぼ反射的にバスケットボールを両手で受け止めた男は、軽い呻き声を上げながら、何事かと一希を見ようと、顔面近くに投げられ、視界を塞いだバスケットボールを下げようとする。


「危ない! 一体なにをす――っ!」

「だから――()()を済ませようとしたんですよ」


 茶褐色のボールを降ろした時、嗤う一希はすでに、目の前まで接近していた。

 いくら特殊魔法治安維持組織シィスティムと言えど、両手を塞がれていれば、咄嗟に反応することは出来ない。

 一希が発動した幻影魔法の白い光が瞬いたのと同時に、瞳からハイライトを失った男は、両手に持ったバスケットボールを落とす。

 そのまま呆けたような表情をする特殊魔法治安維持組織シィスティムを見つめ、一希はほくそ笑んでいた。


「教えてくれ特殊魔法治安維持組織シィスティム。君たちはなにをしにこの学園に来た? なにを追っている?」

「俺たちは……特殊魔法治安維持組織シィスティムの裏切り者……雨宮愛里沙あまみやありさを追っている……」


 特殊魔法治安維持組織シィスティムの男が、一希の問いに、抑揚のない口調で答えていく。

 一希は更に幻影魔法を浴びせ、特殊魔法治安維持組織シィスティムの男をより一層の催眠状態へといざなっていく。


「今まで手に入れた情報を、全て僕に教えてくれ」

「すでに戦闘は、始まっている……。雨宮愛里沙の逃亡を手伝ったとして……二人の魔法生も……捕まえる……」

「魔法生の協力者か。その二人の魔法生とは、誰のことだ?」


 一希が更に幻影魔法を浴びせ、特殊魔法治安維持組織シィスティムの男に迫る。

 男は、顔中から汗という汗を噴き出していた。


「アルゲイル魔法学園所属……小野寺理おのでらあやと、雛菊ひなぎくはるか……」

「え――なに?」


 まさかの人物の名に、一希は驚く。二人とも顔見知りの、同級生の少女だ。

 思わず魔法式を解除してしまった手前、意識を戻した特殊魔法治安維持組織シィスティムの男は、一希に魔法式を発動して向ける。


「っ! 貴様よくも!」

「っち!」


 一希は男の腕を掴み上げると、そのまま身体に引き寄せ、一本背負いで男を廊下の床の上に背中から叩きつける。


「ぐあっ!?」


 背中の激痛に悲鳴を上げた男に向け、一希は再び幻影魔法を浴びせた。


「《アムネーシア》!」


 床の上に倒れながら幻影魔法を浴びた男は、一瞬にして直近の記憶を失い、なにをしているのかとぽかんとした表情をしていた。

 一希は制服を正し、駆け足でその場をあとにする。


(理とはるかが関わっている……!? 一体なぜ……!?)


 未だ理解が追いつかず、しかし走り出した足を止めることは出来ない。

 一希は立ち止まることなく、走りながら眷属魔法の魔法式を発動、構築し、そこから自身の使い魔を召喚した。


「ベイラ!」


 白く光る円形の魔法式から文字通り飛び出したのは、手のひらほどの小さな身体に蝶のような羽を持つ、おとぎ話に出て来る妖精ピクシーのような風貌をした使い魔、ベイラ。彼女はきらきらと光る鱗粉を巻きながら、一希の真横を飛ぶ。


「やっと召喚してくれましたね!? マジで遅すぎません!? もう少しで眠っちゃうところでしたよ!? ビュグヴィルは相変わらずやる気ありませんし――っ!」

「御託はいい! 今すぐレーヴァテインを出せ!」

「なんでやねんっ! ご主人様いつにも増してめっちゃスパルタっ! でもそんなご主人様も、素敵です……っ!」


 そして、ベイラはなにもない空中に自身の光で大きな円を描くと、円形のホールの中心の空間を歪ませ、自身が所有する倉庫より、一希の漆黒の刃を引っ張り出していた。

 一希は使い魔が保管していた剣の柄を握って引き抜き、レーヴァテインを持ち、理とはるかのいる女子寮棟へと向かう。

 情報通り、女子寮棟には他の場所と比べて多数の特殊魔法治安維持組織シィスティムがいる印象を受ける。

 一希は空間魔法を用い、同じ階層にいる特殊魔法治安維持組織シィスティムを割り出そうとするが。


「っく、数が多すぎる。どれが特殊魔法治安維持組織シィスティムでどれが魔法生か判別が出来ないっ!」

 

 床の上にしゃがみ、閉じていた目を開けて、一希は呻く。


「こうなれば仕方がない……。多少強引にでも……押し通る!」


 未だ鞘に収まったレーヴァテインを片手に、一希ははしった。

 理とはるかのいる寮室の周囲には、すでに多くの特殊魔法治安維持組織シィスティムがつめかけているようだ。ぱっと見では数名。だが、《インビジブル》で姿を消している隊員もいる可能性がある。

 曲がり角からそっと寮室方面を窺い、一希は鞘からレーヴァテインを抜刀する。


「魔法を無効化する――《グリートン》」


 左手で発動した黄色い付加魔法エンチャントの魔法式に、レーヴァテインの刃を添え、漆黒の刀身に黄色い光を纏う。

 曲がり角から足を踏み込んで廊下に姿を現すと、右手で握り締めたレーヴァテインを前方に向け、最大出力で放出する。

 それが、ヴィザリウス魔法学園の女子寮棟の廊下における、もう一人の剣術士が戦闘開始する狼煙でもあった。


「なんだ!?」

「《インビジブル》が、解除された……!?」


 やはり、自身の姿を消していた特殊魔法治安維持組織シィスティムの隊員は廊下の至る所にいた。


「撃破する! 《モーロノエー》!」


 立て続けに、一希は緑色の付加魔法エンチャント魔法式にレーヴァテインを突き入れ、巨大化した緑色の刃を、勢いよく廊下の直線上で振るう。魔剣から放たれた緑の魔法の刃は、慌てふためく特殊魔法治安維持組織シィスティムらに襲い掛かる。


「ぐあっ!?」「いったいなんだ!?」


 一希による奇襲を受けた特殊魔法治安維持組織シィスティムらは、廊下から一時避難する。中では防御魔法をすんでのところで発動できた魔術師もいたが、それすら緑の刃は突き破り、破壊する。


「か、一希、くん!?」


 身体から血飛沫を上げて倒れていく特殊魔法治安維持組織シィスティムの隊員の向こうには、まず腰を抜かしたように、リノリウムの床の上にぺたんと座りこむはるかがいた。

 そして、その奥には同じように座り込み、苦し気な表情を浮かべている雨宮。そして雨宮のさらに後ろには、唖然とした様子でこちらを見る理がいる。

 特殊魔法治安維持組織シィスティムらはすぐに態勢を立て直し、一希に向けて攻撃魔法の魔法式を向けてくる。一希は咄嗟に付加魔法エンチャント能力を切り替え、自身に向けられた魔法式を纏めて黄色い光で打ち消した。


「一希っ!」「一希くん!?」


 窮地に立たされていた理とはるかが、顔を上げる。

 ――そして。


「なに、それ……」


 理が口元に手を添え、震える身体と声で、一希を見つめる。

 一希の全身は返り血によって赤く染まり、漆黒剣の先からも、赤い血がぽたぽたと垂れている。右手に握られたレーヴァテインを見るのは、二人とも初めてであった。

 はるかもまた、鬼気迫る一希の雰囲気に驚いているようだが、当の一希は、油断なく周囲を睨み続けている。


「今は説明している時間がない!」


 そして、そのような姿には一応耐性があるのだろう、三人の女性の中でも雨宮だけは、冷静であった。


「貴方……どういうつもりなの……?」

「雨宮さん。僕は貴女を救いに来た。一緒に逃げてくれ」

「……なぜ、私の事を知っているの?」


 雨宮が一希にく。


「貴女を助けに来ました。僕が三人を安全な場所へ避難させます」


 本当の目標は雨宮の殺害と、彼女が持つデータの破壊。それを完全に遂行するには、雨宮をまずは生かしてこの場から逃れさせ、データの在処を吐かせた後で始末するほかない。

 内心でそのように企む一希の歪んだ意思は、しかし長く伸びた金髪に隠れ、三人の女性には知る由もない。ましてや、二人の同級生の少女は、ただでさえこの異常な状況にパニックを起こしかけている。


「あれが剣術士、なのか……!?」

「う、噂と、違うぞ……」

「い、いずれにせよ、逃がすものか!」


 一向に魔法が発動できない状況と、突如介入してきた剣術士に焦る特殊魔法治安維持組織シィスティムらは、魔法式を発動することを諦め、物理的な手段で雨宮を捕らえようと接近してくる。


(かかったな……!) 


 それこそが、一希の狙いだった。

 背後から迫ってきていた特殊魔法治安維持組織シィスティムの手をひらりとかわし、振り向きながらレーヴァテインを振るい、胴体を切り上げる。


「「きゃあ!」」


 飛び出す血に、理とはるかが同時に悲鳴をあげる。それを気にせず、一希はさらに向かってくる特殊魔法治安維持組織シィスティムの胸を突き、逆に押し返す。


「急いでくれ三人とも!」

「ごめんなさい。私は完全に傷が治りきっていない。戦闘の援護は最低限しか――」

「そんなものは必要ない!」


 雨宮の言葉を遮り、今まさに三人目の特殊魔法治安維持組織シィスティムの両腕を切り飛ばした一希が、叫ぶ。


「僕が道を切り開く!」


 一希は向かってくる特殊魔法治安維持組織シィスティムらへ向け、緑色の付加魔法エンチャントによる魔法の刃を今一度放つと、三人の女性を連れて走り出す。味方を救おうと治癒魔法と防御魔法を展開していた特殊魔法治安維持組織シィスティムらの悲鳴が、走り出した背中の方で聞こえてくる。


「何してるの一希!? あれじゃ、死んじゃうよ!?」

「向こうはこちらの身を狙っているんだぞ! 戦場でそんなことを気にしている余裕などない!」


 後ろをどうにかついてくる理の言葉に、一希はそんな返答をしていた。


「か、一希くん……」


 口元を抑えるはるかは、前を走る一希の背を、怯えた様子で見つめていた。

 そうだ……。雨宮も最初に言ったとおり、二人の少女が危険な目に合うのは目に見えていた。二人の少女が雨宮を救うことがどれだけ危険で、血生臭い道であるか、想像など出来るはずがなかったのだ。

 ――浅はかだった。自分たちが関わるべき事ではなかった。今にそうと痛感する二人の少女であったが、もう引き返すことは出来ない。

 そんな二人の少女の様子に気付いているのが、雨宮であった。必死に止めようとしたが、それでも少女たち二人は自分に関わろうとした。その結果、今のこの状況に陥っている。


(二人とも……本当にごめんなさい……)


 心の中で謝罪をしながらも、雨宮は左脚の怪我の痛みに耐えながら、走り続ける。見かねた理とはるかが両肩を支え、一希がその前を走り、突破口を血路と言う形で次々と切り開いていく。

 一希は三人の女性を、夜の魔法学園の中庭へといざなった。特殊魔法治安維持組織シィスティムは尚も雨宮を捕らえようと、校舎の中から飛び出してくる。

 大粒の雨が降りしきる漆黒の夜天の下、そこに一切の星は輝いてはいなかった。


「そのまま走れ! 立ち止まるな!」


 一瞬で雨に濡れた一希は、立ち止まりながら振り向き、向かってくる特殊魔法治安維持組織シィスティムらへ向け、レーヴァテインを構える。

 レーヴァテインに新たな付加魔法エンチャントを施せば、膨大な量の魔素マナが剣に流れ込み、足元で一陣の風が巻き起こり、泥が舞った。


「《グリートーネア》!」


 白い付加魔法エンチャントの魔法式を発動し、それをレーヴァテインに施し、白亜の刃を横一閃に振るう。


「「きゃっ!?」」 


 その瞬間、一希の目の前にいたのは理とはるか。しかし、一希が振りぬいたレーヴァテインの魔法の刃は、二人の身体を貫通し、その奥から迫る特殊魔法治安維持組織シィスティムの元で発生した。やや間を置いて、一希の思い描いた箇所、特殊魔法治安維持組織シィスティム隊員たちの足元で、閃光が瞬き、黒いスラックスごと肉を断ち切ったのだ。

 一希はレーヴァテインをその場で軽く振るうと、踵を返し、三人を追って走る。

 熱帯夜の真下、待っていた三人と再び合流した一希は「こっち。ついてきて」と言い、三人を魔法学園の外へと連れ出そうとする。


「ま、待って! 外に行くの?」


 理が震え声で一希に訊く。

 正門にかかっている魔法障壁を、一希は黄色い付加魔法エンチャント能力で苦もなく打ち消しているところだ。


「何を今更迷っている! この人と関わったときから、こうなることは予測していたんだろう!?」


 苛立ちを隠さずに、一希が雨宮を示しながら怒鳴れば、理は怯えた様子で数歩下がっていた。


「で、でも。戦うなんて思ってなかった! ましてや、貴方……本当にどうしちゃったのよ!?」


 意地で足を踏みとどまらせ、そう叫ぶ理の全身にも雨は降り注ぎ、まるで涙を流しているかのように、一希に真意を問うてくる。

 しかし一希は、表情を一切変える事は無い。


「戦うなんて思ってなかった、だと……? そんなのは、君の想像力不足だ」


 一希は理に冷酷な声を飛ばしながら、雨宮を促し、自らも魔法学園の正門から夜の外へと出る。

 はっとなった様子の理は、殆ど泣き出しそうな顔をして、すぐ隣に立つはるかに身体を寄せる。

 はるかは、理の頭にそっと手を添えてあげていた。


「二人とも……ごめんなさい。……だから、関わらせたくなかったの……」


 雨宮はそう言い、しかし今は逃げるために前を向いていた。

 どのようないきさつで雨宮とこの知り合いの少女二人が関わったのか、今は知る由もないでいる一希は、次いで理とはるかを見た。


「……このままここに残っていても、君たちはすでに状況に介在している以上、特殊魔法治安維持組織シィスティムに追われる事だろう。そうなりたくなければ、僕と一緒に来るんだ」

「「……」」


 あっという間に、楽観的な思考を失った二人の少女にとって、もう戻る道などなかった。とりわけ理の方は、はるかを巻き込んでしまったというより一層の罪悪感を、感じてしまっているようであった。

 結局、二人の少女は一希の後をついていった。他の選択肢など、今は考えられなかった。


 一希が三人の女性を連れてきたのは、ヴィザリウス魔法学園の近くにあるアーケード商店街を抜けた先の神社の境内であった。

 生い茂った分厚い木の葉の傘により、ここでは雨は少ししか振っておらず、代わりに夏の生温い風が木の葉を揺らす下、一希は三人の女性をその場で立たせ、自身が一歩前へと向く。

 どこに隠れていたのか、それとも闇に溶け込んでいたのか、大勢の黒いスーツを着た大人たちが、一希の合図を聞いて現れた。


「――よくやった、星野一希」

「あなたたちは……?」


 全身から水滴を垂らす雨宮が訝しげに、周囲の人たちに問う。


「雨宮愛里沙。貴女を保護しよう。貴女が持っている情報と記憶を引き換えに」


 特殊魔法治安維持組織シィスティムではない男が、雨宮にそう告げる。

 口で呼吸を整える雨宮は、一歩前へと進んでいた。


「ま、待って。この情報は、そう簡単には渡せないわ」

「いいや雨宮愛里沙。命令には従ってもらう。貴女の命の対価だ」


 そんな冷たい声音は、雨宮の真横から聞こえた。そして目の前で光る、漆黒の刃。

 一希がレーヴァテインを雨宮の目の高さで水平に持ち上げ、雨宮を威嚇していたのだ。


「あなた……っ」

「仮にも特殊魔法治安維持組織シィスティムであるのならば、もう少し警戒しておくべきでしたね」


 軽く微笑み、一希は雨宮に視線を送る。


「……あの二人は、あなたを信じているようだった……。それなのに、裏切ったのね……」

「僕は簡単に人を信じるような馬鹿とは違う」


 そう言った一希の背中を、すでに放心状態の二人の少女が見つめる。

 目の前で何が起きているのか、二人の少女は未だに理解できなかった。ただ漠然と、状況がどんどん悪い方向へと行っていると言うことは、感じるだけだ。

 この場にいてはいけない、今すぐはるかと雨宮を連れて逃げなければ――。

 そう思う理であったが、雨に打たれた身体は硬直したまま、動かない。


「雨宮愛里沙。我々に情報を引き渡せ。さもなければお前と関わったその後ろの少女たちを痛めつける」


 今度は一希に代わり、こちらを取り囲む謎の第三勢力らが、雨宮にそんなことを告げてくる。あろうことか、理とはるかを人質として扱うようだ。


「正気? まだ学生なのに巻き込むなんて……! あなたたちは一体……!?」

「我々は光安だ」


 男が怒鳴るようにして、言う。

 よろめくように後退ったのは、雨宮の方だった。


「そ、そんな……。あなた、光安と繫がってたの!?」


 雨宮は少年を、魔法生を、星野一希を、驚愕の表情で見つめる。


「ああ。特殊魔法治安維持組織シィスティムと同じく、光安も貴女のデータを欲している。僕は光安から命を受け、特殊魔法治安維持組織シィスティムよりも先に貴女の持つデータを確保する任務を与えられた。僕にとって幸運だったのは、まさか貴女が、僕の知り合いの女の子たちと共にいたことだ」


 ほくそ笑む一希は、ちらりと理とはるかを見つめながら言う。

 視線が合ったその瞬間、理は何かを否定するように、しかし恐怖からは言葉が出ずに、頭だけを左右に振っていた。


「――貴女たち! 今すぐ逃げなさいっ!」

 

 次に理の耳に入ってきた言葉は、雨宮の切羽詰まった叫び声であった。

 瞬間、前方で一斉に輝く魔法式の光。雨宮も魔法を発動し、時間を稼ごうとするが、怪我を負った身体が痛み、動作に支障をきたす。

 その瞬間を捉えた一希が、素早くレーヴァテインを振るい、雨宮の右腕を浅く斬った。


「きゃあっ!」


 右手を抑えて蹲った雨宮に、更に光安の魔術師たちによる攻撃魔法が襲い掛かる。

 汗ばむ顔の目を雨宮が開けたとき、目の前にまで、すでに攻撃魔法は迫ってきていた。

 爆発の後、白い煙が上る発生点に、血を流して倒れた雨宮の姿はあった。腕を斬られ、攻撃魔法も喰らった雨宮の身体が、とうとう限界を迎える。

 ぬかるんだ地面の上に倒れた雨宮は、虫の息となって、死の瀬戸際の呼吸をしていた。

 

「おい、殺すなよ? この女の持つ情報の在処はまだ教えて貰っていない」


 右手を油断なく伸ばしたまま、光安の男が倒れた雨宮の元まで歩いて近付いてくる。


「待て」


 しかし、その光安の男の動きを制したのは、レーヴァテインの剣先を男の鼻先へと向けた一希であった。


「雨宮愛里沙の身柄は好きにすればいい。だが、理とはるかの身の安全は保証して貰う。その約束が果たされなければ、この女の身柄は渡さない」

「ほう、とっくに人の心は捨てたと思っていたものだが、あの二人のガールフレンドの事が心配なのか?」

「アンタたちには関係ない。あの二人は……運悪く巻き込まれてしまっただけだ」


 一希が金髪の底から覗く青い目で、光安を睨む。


 一方で、光安とやり取りをする一希の後ろでは、怯えきった身体を懸命に奮い立たせようとする少女がいた。

 それは、隣で怯え続ける橙色の髪をした少女の身体を必死に抱き寄せ、自身もまた落ち着こうと心掛けているはるかであった。


(あのままじゃ、雨宮さんが死んじゃう……っ!)


 怪我もまだ完全に治りきっていない中で、右腕を切られ、攻撃魔法を浴びた。そうして倒れた今、起き上がることもなく、一希と光安の間で生死の狭間を漂っている。

 一刻も早い治癒魔法が必要なはずであった。


「私の治癒魔法、届くはず……!」


 か弱い勇気を振り絞り、はるかが右手をそっと持ち上げ雨宮に治癒魔法を浴びせようとする。

 しかし、そんなはるかの動きを、光安が見つけてしまう。


「貴様、何をしようとしているっ!?」


 はるかが発動した魔法式に気がついた光安が、反撃の為に攻撃魔法を発動しようとする。


「はるか!?」


 大人しいはずの幼馴染みがとったまさかの行動に、驚く一希が振り向いたとき、はるかと放心状態の理のさらに奥から、新手の魔法の魔法式が、輝いていた。


「――《レディアント》!」


 光を生み出す同系統の汎用魔法《グィン》よりも眩しく、しかし一瞬の光源を生み出す汎用魔法の名が、聞き覚えのある青年の声によって叫ばれる。

 暗闇であった神社境内に閃光が炸裂し、この場にいた全ての人々の視界が一時的に麻痺する。

 この場で唯一無事だったのは、事前に魔法を察知できた一希であった。咄嗟に腕で顔を覆い、閃光による視界へのダメージを最小限で抑え、術者を睨む。

 その方向から向かってきたのは、なんと、日本刀を構えた青い鬼のような風貌をした使い魔であった。

 咄嗟にレーヴァテインを持ち上げ、一希は突如として現れたアオオニと斬り合う。

 火花を上げながら互いの刃が交錯する中、茂みの中から飛び出してきた青年の姿を、一希は捉えた。


影塚かげつか!?」


 第四者の介入は、薺政権打倒を目指すレジスタンス――影塚広かげつかこうだ。

 フード付きのマントを身に纏い、闇夜の中に溶け込むような出で立ちで、影塚は再び一希の前に現れた。


「また君か……!?」


 影塚もまた驚いたようだが、すぐに自分の成すべき事をせんとする。

 それこそ、かつての仲間、雨宮愛里沙の奪還であった。


「雨宮! 酷い傷だ……今助ける!」

「待て影塚っ!」


 一希が影塚による雨宮の奪還を阻止しようとそちらを向こうとするが、影塚が使役するアオオニが刀を振るい、一希の行動を食い止める。

 そのうちに、光安も視界が回復したようだ。正常な視界を取り戻した者から、次々と攻撃魔法を発動し、突如乱入してきた影塚に狙いを定める。


「っく!」


 眷属魔法を発動しているため、他の魔法は発動できない。

 影塚は傷だらけの雨宮をお姫様抱っこの要領で持ち上げると、神社境内から離脱するために走り出す。

 

「君たちも、学生か!?」


 その途中で、座り込む二人の少女を見つけ、影塚は思わず立ち止まる。

 はるかが精々応答できるくらいで、理にいたっては、ショックが続いたのか、虚ろな目で放心状態となっていた。


「理ちゃん! しっかりして!」

「私の……せいで……っ」

「君たちも立って。逃げるんだ! ここにいれば全員殺されるぞ!」


 瀕死の容態の雨宮を抱きかかえている今、手は貸せずに、焦る影塚は言葉で二人の少女に必死の行動を促す。


「あ、理ちゃんっ! ほら立ってっ!」


 影塚の声により、はるかが立ち上がり、放心状態の理の腕を持って立ち上がる。


「逃がすかっ!」


 一希の怒声が神社境内の木々で休んでいた鳥たちを目覚めさせ、夜空へと一斉に羽ばたかせる。

 その方を見れば、なんと、一希の元で紫色の光が発生していた。すでにアオオニは、一希に倒されており、これは影塚にとって想定外の事態であった。


「《グリーテン》!」


 レーヴァテインの持ち方を変えた一希は、投げ槍を投擲するような名構えで、紫色の光を浴びながら、影塚を睨む。

 

「使い魔があんなにも早くやられるなんて……あの付加魔法エンチャントは、なんだ……!?」


 正体不明の付加魔法エンチャントには影塚も対処が出来ず、ただ自分と二人の少女を守るために、走りながら《プロト》を展開するしかなかった。


「無駄だーっ!」

「やめるんだ星野くん! それを撃つな!」

「命乞いか……! かつてのエースが……情けないな影塚広っ!」


 憎しみを込めた一希の叫び声を背に、紫色の光を放つ魔剣は、影塚の背まで高速で向かっていく。

 目にも留まらぬ速さの魔槍が、影塚の《プロト》を貫き、砕き、尚も突き進んで向かってくる。

  

「く、そ……っ!」


 逃げられない!? 両手を塞がれた状況で振り向き、青い目を見開いた影塚の目の前まで、一希のレーヴァテインは接近していた。紫色の閃光が、影塚と雨宮を最大限の光度で包み込もうとしたその瞬間、剣が何かを貫いた音が響き、赤い血が舞う。


「え……?」


 せめて雨宮は庇おうと背中を差し出していた影塚は、しかし自分に苦痛を感じなかったことで、唖然となる。恐る恐る目を開き、汗ばんだ顔を振り向かせると、あり得てはいけない光景があった。


「あ……あ……――」


 紫色の光を纏う魔剣は、雛菊はるかの腹部を背中から貫き、石造りの地面に膝をつく彼女に、まるで何かの十字架のように、突き刺さっていた。


「え……はるかっ!?」

  

 放心状態で隣を走っていた理が、皮肉なことに微かに意識を取り戻し、愕然とした表情で、倒れるはるかを見る。


「嘘、だよね……。はるか……はる、か……?」


 すぐにしゃがんで駆け寄り、ぽたぽたと溢れ出る涙を流しながら、腹部に剣が刺さったはるかを必死に起こそうと、身体を揺さぶっていた。


「また、僕は……――くそっ!」


 一方で現役時代を含め、そのような光景を何度も目の当たりにしていた影塚の割り切りと状況判断は、早かったのだ。絶望的な状況の中で、どうにか理だけも救おうと、声をかけ続ける。


「君まで殺される! 急いで立つんだ!」

「はるか……!? 嘘だよ……はるか……はるか……っ。――っ!?」


 声帯が破裂しそうな程の金切り声を上げて、泣く理。

 その姿と一幕を、やや離れたところからでも、一希は見ていた。


「は、はるか……そんな……僕が……はるかを!?」


 一筋の汗を頬に流し、伸びた金髪の奥底の青い瞳を、大きく揺らす。

 すぐにレーヴァテインを手元まで呼び戻したが、状況に変化はない。

 影塚に自分が投げた魔剣が直撃するかと思ったその瞬間、咄嗟にはるかが、自分の身を盾にするように身体を投げ出したのだ。これにより必殺必中の槍ははるかの背を貫き、無理やりにでも止められた。


「嘘だ……僕は……なんてこと……を。――うわああああああっ!?」


 首を左右に振り、一希は必死に何かを否定するように、頭に手を添えて、叫ぶ。


「まさかな……」


 光安も、さすがに一瞬だけ怯んだが、すぐに影塚とその手に抱かれた雨宮を奪い返そうと走り出す。


「すまない……! だが、君はまだ生きている! このままこの娘と同じ運命を辿りたいのか!?」

「離してよ……っ! 私はここに残る……っ! 私のせいではるかが、はるかぁ……っ!」

「……っ! ここに置いていけるものかっ! 僕はもう、雨の中でも人を見捨てたりはしない!」 


 影塚は雨宮を抱いたまま、最後に倒れたはるかに謝罪をし、理の手を無理やりにでも引いて走り出す。


「はる、か……僕、は……っ」


 影塚を追撃する光安の味方が通り過ぎるたびに風がそよぎ、立ち尽くす一希の金髪を、揺らしていく。光安は倒れたはるかの事など気にも留めずに、影塚と雨宮と理を追っていく。

 

 特殊魔法治安維持組織シィスティム、光安、そしてレジスタンス。今や三つの勢力が、雨宮愛里沙の身柄と、彼女が持ち出したデータを追う争いを繰り広げ始めたのだ。そして現在、瀕死の状態で雨宮愛里沙の身柄は、レジスタンスの元に渡った。しかし、それを決してあきらめる事は無い特殊魔法治安維持組織シィスティムと光安。この二つの組織もまた、醜い野心のために生まれた協力関係を壊し、必然的に争い合う事となる。全ては、それぞれが思い描く正義の為に――。

 そんな状況のただ中にあった三人のアルゲイル魔法学園の魔法生は、カードが見せる残酷な運命の数字により、翻弄されていた。


 そしてやはり――剣術士もまた――己の正義を信じて、きっと戦うことになるのだろう。

~剣術士の学園連絡網~


「ええと、香織先輩には明日会うから直接伝えることにして……」

せいじ

「ルーナとクリシュティナの次は……」

せいじ

「まずい、頭がこんがらがって来たぞ……」

せいじ

「落ち着け、天瀬誠次……」

せいじ

「よし! もしもし、結衣ゆい!?」

せいじ

           「お電話なんて、どうしたの誠次先輩?」

                 ゆい

「すまない。かくかくしかじかで――」

せいじ

「――パーティーに出られなくなってしまったんだ……っ」

せいじ

           「え、あ、う、うん……?」

                 ゆい

           (私一年だからあんまし関係ないと思うんだけど……?)

                 ゆい

「本当に申し訳ないっ!」

せいじ

           「え、えっと……ど、ドンマイ! 誠次先輩!」

                 ゆい

           「私は概ね許します!」

                 ゆい

「ありがとう、結衣!」

せいじ

「じゃあまた!」

せいじ

「よし、次は……――」

せいじ


「――というわけで申し訳ない、ティエラ!」

せいじ

「パーティーに参加出来なくなってしまったんだっ!」

せいじ

「本当に申し訳ないっ!」

せいじ

           「地中海より、構いませんわ誠次!」

                 てぃえら

           「ええ、急になんのことか全くもって分かりませんけれどっ!」

                 てぃえら

           「とりあえず全力で許しますわっ!」

                 てぃえら

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