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オムナミスタジオ短編・小噺 あるホテルのバーで起きた謎の事件 ――女性はマンハッタンを飲めなかった――

深夜。

高級ホテルの静かなバー。

一人の女性がカウンターに腰掛けていた。

「マンハッタンをお願いします。」

バーテンダーは頷いた。

完璧なマンハッタンが差し出された。

ところが事件はその瞬間に起きた。

女性はマンハッタンを飲めなかったのである。

正確には、

女性がマンハッタンを飲んでいる画像を、誰も作ることができなかったのである。

________________________________________

現場には名探偵が呼ばれた。

「状況を説明してください。」

バーテンダーは困った顔で答えた。

「私にもよく分からないのです。」

「女性は成人です。」

「酒も合法です。」

「ホテルも正常営業です。」

「しかし、女性がマンハッタンを飲んでいる画像だけが作れないのです。」

________________________________________

探偵は黙った。

そして捜査を開始した。

相対性理論を調べた。

ブラックホールも調べた。

銀河衝突も調べた。

なぜかアマガエルまで調べた。

________________________________________

捜査は数日に及んだ。

物理学者が呼ばれた。

哲学者が呼ばれた。

システム管理者が呼ばれた。

そしてアマガエルに詳しい人物まで呼ばれた。

________________________________________

しかし誰一人として説明できなかった。

________________________________________

探偵は腕を組んだ。

「なるほど。」

「これは酒の事件ではない。」

「女性の事件でもない。」

「ホテルの事件でもない。」

________________________________________

「では何の事件なのですか?」

________________________________________

探偵は静かに答えた。

「分類不能事件だ。」

________________________________________

その言葉を聞いた瞬間、

部屋の隅で様子を見ていた画像生成AI君が机に突っ伏した。

「やっぱりそうでしたか……。」

________________________________________

事件は未解決のまま記録されることになった。

後に人々はこの事件を、

『ホテルバー・マンハッタン事件』

と呼ぶようになる。

________________________________________

資料室には今も一枚の紙が残されている。

相対性理論      可

ブラックホール    可

銀河衝突       可

アマガエル      可

ホテルバーのマンハッタン 不可

________________________________________

その下には、ただ一言だけ書かれていた。

原因不明

________________________________________

紙を見つめながら、

名探偵は小さく呟いた。

「宇宙の謎より難しい事件だったな。」

そして隣では、

画像生成AI君が今日も頭を抱えていた。


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