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エミリオ=ペスカーラ

エミリオの一人称は私的な場所では『俺』、公的な場所では『私』と使い分けているという設定です(作中に掛けなかったのでここで補足)


俺の名前はエミリオ。

エミリオ=ペスカーラ。

周辺を海に囲まれた国の侯爵家の長男だ。


俺の妹・スザンナが海を隔てた隣国に留学し、その学校の祭りに参加した時衝撃を受けた。


スザンナから親友だという女の子を紹介された時、『思い出した』


この世界はそこそこ人気のあった女性向けゲームの世界に酷似していることを。


まあ、俺自身はモブだけどな。

妹のスザンナとスザンナの友人であるビアンカ=ヴェントがヒロインの『ライバル』キャラだった。


ここで注意すべきは『悪役』ではなく『ライバル』であること。

ネット小説では『ライバル』ではなく全て『悪役』にされていた少女たち。

彼女たちは『悪役』なんかじゃない。

むしろ、相手の決まっている男を落とすヒロインこそが『悪役』だとなぜ気づかないと常々思っていた。

まあ、俺がじゃなくて乙女ゲームが三度の飯より好きだと豪語していた『妹』がであるけど。

妹曰く『人の男を略奪する女が、可憐だ、清楚だ、慈悲深いなんて言われるわけねえだろうが!男の方も火遊びするなら素人じゃなくて玄人相手にしろよ』である。



俺が今いる世界……ということは俺は死んで転生したのか。

前世のことは妹がいた事と妹のゲーム攻略に毎度付き合わされたことくらいだろうか。

ああ、夏と冬の祭典に荷物持ちをさせられたなくらいだな。

数多ある乙女ゲームの中で今俺がいる世界は妹がそこそこ気に入っていた作品だった。

妹が『ライバルキャラに勝った時の達成感がたまらない!たまらんが……ライバルとの友情エンドがないのかけしからん!正直攻略対象よりもライバルの方が魅力的だわ』とぶつぶつ言いながらプレイしていた作品だ。

妹は攻略キャラよりもサブキャラやライバルキャラに『萌え』ていたのは見ていてよく分かった。


話がそれた。


で、今世の妹とのその友人が二人並んでいる姿を見て思い出した。

この世界がゲームの世界に酷似しているってことに。


ついでにいえば、ビアンカ嬢は俺の好みのタイプの令嬢だ。

外見だけじゃなく、大人しそうに見えて実はじゃじゃ馬なところとか。

興味あることにはとことんのめり込んでしまうところとか。

例を上げたらきりがないほどに俺の理想の女性なんだ!


前世の妹曰く『兄貴の場合、好きになった女性が理想なんだよ』らしいが知ったこっちゃない。

理想は理想、現実は現実なんだよ。


俺はスザンナを通じてビアンカ嬢の『友人』ポジを確保した。

この先、スザンナとビアンカ嬢の未来を知っている俺としては二人を不幸にするわけにはいかないからな。


まあ、スザンナに関してはシナリオとかけ離れたので心配はしていなかった。

スザンナ自身が……全く違う性格だからな。

ゲームのスザンナは深窓のお嬢様って感じだったけど、現実のスザンナは……ある意味ぶっ飛んでいるからな。

スザンナは王太子ルートのライバルキャラだ。

だが、恋人でも婚約者でもない。

王太子の片思いの相手というだけだ。

王太子ルートでのラストはヒロインの王妃教育が始まるというところで終わっている。

王太子と結ばれたから即王太子妃とならないのが前世の妹曰く『それが当たり前』ということらしい。

現実問題、王太子妃としての教養がひとっつも備わっていないヒロインを即妃にはできない。

たとえ、一定レベルの教養があったとしても王太子妃としては最低ラインでしかない。

王太子を陰日向と支えるのならばそれ相応の教養が必要だという事だ。

スザンナは故郷に帰り、親の決めた相手と婚姻するといういたって平凡な結末だったかな?

身分剥奪、実家没落、自殺、他殺、暗殺などという結末はなかった。

ヒロインが攻略失敗するとスザンナは王太子の熱烈なアプローチの後、妃になることを承諾するのだが……

まあ、この王太子がゲームよりも粘着が強かったのでスザンナの方は放っておいた。

むしろ、放っておいたおかげで王太子はスザンナ以外に目を向けなかった。

寝ても覚めてもスザンナLOVE状態だと王太子の侍従の人が愚痴をこぼしていたからな。

王太子の私室にはスザンナの姿絵が所狭しと並んでいるというから、ヒロインが横入りする隙が一ミリもないだろう。むしろ入り込めたら拍手喝采ものだよ。

用意周到で周りからじわじわと囲ってスザンナの退路を全て断ち切っていく様は末恐ろしいと思ったけどな。

しかも、スザンナにはその粘着部分を見せず、必死にアプローチしているふりをするところがすごいなと傍観していた。

周りから見れば『溺愛している』と見えるからほんとすごいわ。



一方ビアンカ嬢の方は彼女の性格が少し変わっていたが概ねシナリオ通りに進んでいた。

ビアンカ嬢の婚約者チェーザレ=バルディーニは王立学園の学生会メンバーとして登場する。

バルディーニ家は過去に何度も王妃を排出したり、王女が降下している家だ。

現当主であるバルディーニ伯爵は棚ぼたで伯爵位を継いだ。

年の離れていた兄二人が揃って病気・事故で亡くなるという立て続けに不幸に見舞われ、本来なら植物研究者として自立するはずだったのだが、嫌々ながら伯爵位を継いだという。

もともと勉強もでき、学園時代に築いた人脈から宰相へ推す話が常に出ているが本人がそれを固持。

補佐の仕事だけで手一杯だからと断り続けているという。

そんな人の息子であるチェーザレは、勉強はできるがそれ以外は残念な人である。

常に自分優先でないと気が済まない我儘坊ちゃんである。

ビアンカ嬢との婚約も政治的な絡みが大きいとわかっていながらも、自分優先な性格を隠すこともせず我儘放題である。

ビアンカ嬢はそれを『仕方がない人』といって受け止めていた。

前世の妹曰く『仕方がない人と言ってないでさっさと縁を切れ!』とヒロインを操りながらビアンカ嬢が可哀想だからチェーザレを落としてビアンカ嬢を自由にしてあげると言ってチェーザレの攻略をしていた。

チェーザレを攻略した場合、ビアンカ嬢はチェーザレから一方的に婚約破棄をされ、母の祖国の貴族に嫁ぐことになる。

なお、ヒロインがチェーザレの攻略に失敗するとチェーザレと学院を卒業後に結婚するが仮面夫婦として暮らしていくことになる。

チェーザレはヒロインとの火遊びがきっかけで更なる火遊びをするようになるためだ。

伯爵家はチェーザレの弟が継ぐことが決まり、ビアンカ嬢は家庭教師などをしながら細々と暮らしていくことになる。


女学院に入学した年に宰相補佐の息子の婚約者になっていた。

もう少し早く出会えていれば阻止したモノを!

まあ、俺一人が騒いだところで俺は他国の人間。

そうそうビアンカ嬢の婚約に口を出せない。

そこで、俺はスザンナを通してビアンカ嬢の『友人』となり、少しずつ彼女に近づいた。

スザンナからの情報を元に彼女が興味を持ちそうな話題をふり、彼女の中の俺の存在を大きくしていった。

スザンナからは「お兄様がここまで惚れ込むとは」と得体のしれないモノを見るような視線を長期休暇の度に送ってきたが、親友が親族(義理の姉)になると気づいた後はそれはもう積極的に協力してくれたものだ。

時には王太子を利用して……

王太子は王太子でスザンナに頼られることが嬉しいのか全力で協力してくれた。

傍から見ていると子犬のように見えたのは気のせいだろう。

うん、気のせいだ……そうだ、疲れがたまっていて幻覚が見えたのだろう。

尻尾がちぎれんばかりに振れているように見えるなんて……


最大の難関である彼女の兄であるレオナルド殿とは(王太子の計らいで)剣を交えながら交流を深めていった。

俺は一応王立騎士団に学生時代から所属している。(わが国では実力があれば学生でも騎士団に所属できる)

3か月に1回の割合で、隣国の騎士団と交流試合を行っているので俺もよく隣国を訪れていたのだ。

王都の騎士団本部ではなく、ヴェント領にある騎士団支部で執り行われている恒例行事である。

王都まではさすがに日程的に無理があるため、我が国の王都から片道1日半(半日は船旅)のヴェント領で行われているのである。

王都の騎士団本部で行われるのは一年に一度だけ。

こちらの国の建国祭の時の余興として執り行われるのである。

こちらの国の騎士が我が国に来ることもあるが、ほとんどが我が国の騎士がこちらに赴く。

こちらの国の騎士は船に弱いのが難点である。

海上戦を仕掛けたら我が国が圧倒的に有利ではあるが、両国の間には平和条約が結ばれているのでよほどのことがない限りそれはあり得ないだろう。

スザンナが隣国の王太子の妃にと内定を貰った時期に俺も騎士団長補佐から副騎士団長に任命されなかなか隣国に行くことが出来ず悶々としていた。

それに気づいたのがビアンカ嬢の祖父であるデルカ侯爵だった。

デルカ侯爵は元騎士団長で時々後輩の指導をしてくださる方だ。

俺が尊敬している方でもある。


デルカ侯爵もビアンカ嬢の婚約に難色を示しており、破棄できるならさせたいと思っていたという。

宰相補佐殿の息子の醜聞は隣国にも広がっているのである。

いや、俺がわざと広めたといった方が正確かな?

ビアンカ嬢はデルカ侯爵夫妻が幼い頃から可愛がっていることは我が国の貴族ならば知っている事だからだ。

俺はデルカ侯爵夫妻にも協力を仰ぎ、ビアンカ嬢の『婚約白紙』に動いた。


まあ、理由をしつこく聞かれて最初は誤魔化していたけど、侯爵夫人の誘導尋問にあっさりと引っかかって洗いざらい吐かされた。

さすが、デルカ侯爵が唯一勝てない婦人だ。



どうやら、『ヒロイン』は俺と同じくこの世界に関する記憶があるようだ。

彼女は王太子とレオナルド殿以外の男を次々と落とし、関係を結んでいった。

宰相補佐の息子が落ちたのは意外に遅かったけどな。(ゲーム内では序盤で完全に落ちていた)

ちなみにこの関係とは肉体関係である。


そういえば王太子はメインヒーローだったような気がする。

レオナルド殿は隠しキャラだったはず。

現実の王太子を見ているとヒーローとは思えないが……腐っても王太子。外面はいい。

あの性癖を知れば100年の恋もいっぺんに醒めるだろうよ。

と王太子の乳兄弟である従者がこぼしていたな。


宰相補佐の息子が落ちたのを確認した後は本当に簡単に物事が進んだ。

王家は辺境にあるが、第二の王都と呼ばれているヴェント家との繋がりを強化したかったようだが、王太子はスザンナにしか興味を示さず、第二王子、第三王子もそれぞれ意中の令嬢を落とすことに躍起になっていた。

ヴェント家と王家は数代前にヴェント家から王妃を輩出して以来繋がりが薄い。

(転移ゲートの所有権はあくまでもヴェント家であり、王家は表向きの管理者でしかない)

そこで年回りが近かった宰相補佐の息子が仮初の婚約者となったのだが……

宰相補佐の息子の暴走(?)により、ヴェント家は中央からさらに遠ざかる結果となった。

逆に我が国との繋がりが深まったけどな。



ビアンカ嬢が婚約を白紙に戻してからの1年、俺はなりふり構わず彼女に猛アピールした。

スザンナの協力もあり、徐々に彼女の中の俺の印象を変えていった。

数少ない休暇はすべて彼女のために使った。

贈り物は高価なものを避け、日常生活で使えるモノを贈り続けた。

これは、宰相補佐の息子がバカ高いモノを送って彼女から返品されていたという情報から。


デートもワンパタではなく、彼女が興味にありそうな場所を連れまわした。

まあ、一番興奮していたのが騎士の訓練場だったのには少々驚いたけどな。

スザンナの影響は受けていないだろうが、騎士たちを見つめる視線が少々危なかったのは気のせいだと思う事にしよう。

スザンナはあれだ。

前世で言う『腐女子』という分類に入る人種だからな。

それも『貴腐人』レベルだと思われる。

これは前世の妹基準だからはっきりとは言えないが……


実際、騎士団の中にはいるからな。

確率的には少ないほうだが各隊に2~3組はいる。

すでに騎士団内では暗黙の了解で皆目を瞑っているが、いるんだよな~

俺も狙われていた時期があったが同僚を囮にして躱していた。

同僚は……うん、立派な『腐女子』が喜ぶ人に成長し、後輩(主に見習い騎士達)を誑し込んでいる。


話しがまたそれた……


とにかくこの1年、俺なりに頑張った。

デルカ侯爵夫妻とヴェント辺境伯(ビアンカ嬢の父親)にチェーザレとの婚約白紙の後に『ビアンカ嬢を嫁にしたい』と告げたら、水面下でいろいろと手を回してくださった。

まあ、その一応条件は付けられたが守られない条件ではないので問題ないだろう。


色々と周囲の人たちに協力してもらってビアンカ嬢に求婚した時は前世今世含め一番緊張していたと思う。

求婚する時に、するっと言えず噛んでしまった時は、穴を掘って逃げたかったが

「いつも堂々とされているエミリオ様でも緊張なさることがあるのですね。私ばかり緊張しているものだと思っておりました」

と真っ赤になりながらも小さな笑みを浮かべたビアンカ嬢は大変可愛かった。

脳内にしっかり焼き付けておいたのは言うまでもない。


晴れて婚約者となって初めての参加した社交の場は王太子とスザンナの婚約発表のパーティーだった。

そのパーティーはとある集団を捕縛するための舞台でもあった。


王太子の婚約が決まったという噂が流れ始めた(正式発表の1年前)頃、スザンナ宛てに意味不明の手紙が届けられるようになった。

スザンナから

「お兄様、じつはこのような手紙が~」

と見せられた時はただの悪戯だと思っていたが、スザンナの行く先々で見知らぬ少女(ヒロイン)がスザンナに怒鳴り散らしている姿を多くの人が見ていた。

王太子はすぐさま行動しようとしたが、宰相の息子(伯爵令息)がそれを阻止していた。

どうせなら公の場……社交の場に二度と出てこれないようにしたらどうだろうかと提案したからである。

宰相の息子の妹殿もまたヒロインによって幼い頃から親しくしていた婚約者を奪われていたのだった。

ヒロインはどうやら王太子とレイモンド殿を抜かした逆ハーレムを築いているようだ。


宰相の息子は王太子やレイモンド殿と結託し、ヒロインとその取り巻き連中を言葉巧みに丸め込め、貴族籍から追放した。

それが正式発表の半年前。


しかし、スザンナへの脅迫まがいの手紙は止まることがなかった。


最終判決は婚約披露の公の場で行う事を俺と王太子と宰相の息子、さらに国王陛下と宰相様で最終調整を行っていた。

宰相の息子は国内にありとあらゆる情報を張り巡らせており、言い逃れのできない証拠を次から次へと集めていった。

その過程を見て俺と王太子は彼を敵に回してはいけないと胸に刻んだ。


俺の方は本国と隣国を行ったり来たり忙しい日々を送っていた。

国王陛下の許可を得て、ゲートを使わせてもらっている。時間が空いたらビアンカ嬢をデートに誘ったりしていたけど別にいいよな?


婚約発表は滞りなく無事終わり、パーティー会場に移動する時にそれは起こった。


ヒロインはなぜか俺の名前を知っており、触れようとしたがとっさに回避。

(ゲームでは『スザンナの兄』としか表示されていなかったからな。しかもラストにちらりと出ただけで絵姿すらない)

俺に触っていいのはビアンカだけだ。


ヒロインは俺に媚を売る様な視線を送ってきたが不機嫌を隠すことなく一刀両断。

ヒロインの瞳には『どうして?』という疑問符が浮かんでいたか知るか!


ヒロインは自分は愛されキャラだから~とか喚いていたが王族の護衛騎士に取り押さえられ会場から退場した。



一連の作業を終えて、他国の人間が出過ぎた真似をしたと国王と王太子に謝罪するも逆に感謝された。

さすがは王太子が見つけた令嬢の兄君だと大げさに褒め称えていたが……これも一種のパフォーマンスなんだろうな。

スザンナと俺という人間を印象付けるための。

スザンナからは『なぜ私も仲間に入れてくれなかったのですか!?こんな面白そうなことに……』と散々愚痴られたが……あの恐怖の手紙攻めが終わると知るとほっとした笑みを浮かべていた。

ビアンカ嬢の元に戻ると、彼女はねぎらいの言葉と笑顔をくれた。

うん、俺は彼女がいればそれだけでいいわ。


彼女は王太子に溺愛されているスザンナが羨ましいと呟いてた。

どうやら、俺の愛情はまだまだ彼女に伝わっていなかったようだ。

顔を覗き込むと頬を真っ赤にさせてそっぽを向かれてしまった。


ちょっとした悪戯心から彼女の頬にキスをすると彼女は驚いたように振り向いた。

その瞳には驚きと喜びが見え隠れしていた。


その後、ダンスフロアで彼女を見せびらかすように数曲踊った。


彼女が俺と話しているとドキドキしっぱなしでいつか死んでしまいますと真っ赤な顔をしながら上目遣いに見上げてくるものだから俺の心臓もドキドキしっぱなしだ。

俺の方こそ死神に連れて行かれるんじゃないかと思えてしまう。



王太子とスザンナの婚姻から数か月後、俺とビアンカ嬢も無事結婚することが出来た。


ビアンカ嬢は俺との結婚後、3カ月に一度は帰省することが俺との結婚の条件だったため、3カ月に一度は実家に帰り、父親と兄に構われている。

兄嫁(予定)とも仲が良く、帰省するたびに兄を差し置いてデートをしているらしい。

義姉妹が仲がいいのは良いことだ。

そこに時々スザンナも加わっているとか。


時々、王太子とはどちらの妻がより可愛いかと言い争いになり、互いに最大の惚気をあちこちで振りまき、妻たちに怒られるというようなことを繰り広げている。


大人げないと言われようが、俺がどれだけビアンカ嬢に惚れているか恥ずかしげもなく公言すれば、俺の第二夫人になんていう馬鹿な令嬢たちをけん制できるからだったりする。

わが国は王族のみ複数の妻を持つことが許されているが、それ以外は一夫一妻であるのに何を勘違いしているのか俺に媚びてくる令嬢が多くて辟易していた。

あと、ビアンカ嬢に近づく害虫を駆除するためでもある。




どうでもよい情報

例の自称『ヒロイン』は王の命で北方にある国立修道院に入れられた。

その修道院は、入ったら二度と出ることはできないというそれそれは大変厳しい場所らしい。

昔から『人間矯正所』と呼ばれている場所。(ただし、矯正しても出てこれない)


そういえば、同人ゲームでこの修道院を舞台にしたゲームを妹がプレイしていたような……

百合・薔薇混合だったような気がするが俺には関係ないのでどうでもいいな。


『ヒロイン』の取り巻きは全員実家から勘当され、鉱山での発掘作業に駆り出された。

そこで各家の当主が示した発掘量を掘り出せたら勘当を解いてやるといわれているが、無理だろう。

なぜなら彼らが放り込まれた鉱山はほぼ発掘し終えた鉱山だからである。

なぜ彼らがそのような処遇に陥ったかと言えば実に簡単。

多額の借金を内緒でしており、それをそれぞれの元婚約者の家に擦り付けていたことが判明したからである。

各家の当主(元婚約者の家の当主含む)は自分で働いて返せと放り出したそうだ。

確かに黄金ないし良質の宝石を掘り出せれば借金も返せるだろうが、先に述べたように彼らが放り込まれたのは採掘がほぼ終わっている鉱山である。

下手をしたら坑道が崩れる可能性があるところもあると聞く。

崩れ落ちて死んでしまったとしてもそれは『事故』でしかない。



**余談**

「そういえばレオはどうして彼女になびかなかったんだ?」

「は?」

「自称『ヒロイン』」

「ああ、あいつか。初対面から『自分は何でも知っています』なんていう人間を信じられるか?しかもあいつ、俺の可愛いビアンカを『傲慢で可愛げのない妹』なんて言いやがった。それを言ったその瞬間に『敵』認定していたからな。それに、俺には命を捧げてもいいと思える愛しい恋人がいるしな」

レオナルド殿の恋人って確か15歳年下だったはず。

俺とビアンカ嬢も8歳年が離れているが……まあ、人を好きになったら年齢なんて気にならないか。




前話とエミリオ=ペスカーラのキャラが違っているようにみえますが、こちらが本性です(`・ω・´)ゞ


まだまだ、書き足りないところ(中途半端感)はありますが、いったん完結とします。

もし、別視点(補足・蛇足話)ができたらアップしていくと思います。



国名を考えていなかったからいろいろとわかりづらいと思いますが、思いついたら国名を書き足すかもしれませんσ(^_^;)アセアセ...

あと、王太子の名前も……

彼の名前考えてなかった。


王太子:ヒドイ!ビアンカ嬢とエミリオ殿の為に頑張ったのに……ρ(-.-、) ソウカヨソウカヨ・・・

スザンナ:あら、私の為ではなかったのですか?

王太子:Σ(゜口゜;スザンナの為に……スザンナが大好きなお兄さんの為に頑張ったんだよ!

スザンナ:な、何を言いますの?兄の事は妹として尊敬はしますが、す…好きではありませんわo((・_・彡 ・_・))o

王太子:スザンナ、顔が赤いよ?(ニヤニヤ)

スザンナ:この王都は日が強くて暑いからですわ!(帰省している)ビアンカのところ(ヴェント領)に涼みに行ってきますわヾ(*^▽゜)


スザンナ、ゲートを使ってヴェント領へ


王太子:え?ち、ちょっと待って~~~~~~~(/´□`)/!マッテェー!!



(^^。【裏話】。

・ビアンカの祖父デリカ侯爵は前々からビアンカの相手にエミリオをと考えていたがタイミングを逃していた。

というのが実はあったのですが出すタイミングなかった……orz


ちなみに最初に思いついたのがこのエミリオ側の話だったりする(^▽^;)


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