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6/8

5歳での驚愕

えー長らくお持たせしてすみませんでした!!!就職は相変わらず決まっていませんが、就活も小説もかんばっていくのでよろしくお願いします!!


あと、やっぱり色々いそがしいので不定期更新になります。申しわけありません。


久しぶりに描くと中々エンジンがかかりづらいですね。なんかちょっと変な感じですが、書くことは書けたので投稿します。


 逃走。


 すなわち、逃げること。エスケープ。遁走ともいう。


 この行為の目的は、多くの場合は身に降りかかる危険から逃れるためにあるこの術は、生き物ならほとんどのものが持っている。それこそ生物が誕生した超古代的な時代から本能レベルで存在しているものから、理論や科学的に考察された訓練などの経験を基に作られた“業”レベルのものまで。


 その、身体的または精神的あるいは両方への“恐怖”、“危険”、“不利益”等の脅威に対するある種もっとも手っ取り早い回避方法がこの逃走である。





と、私の前世の友人・N氏は語っていた。



まあ、私も部分的には彼の意見に賛成です。


態々、危険に対する事は避けたいですからね。避けれるコストなら咲けた方が賢明でしょう。


…時と場合にもよりますが、ね。





さてと。


すっかり紅茶も覚めてしまったことですし、現状に戻りましょうか。



題して…








「ノリと勢いでムカつく餓鬼をバラして町中が糞貴族の手先だらけになっちゃったけど何か質問ある?」


「ええ、大いにあるわよ。このバカ」



おおっと、意外と辛辣な意見が来ましたね。


まあ、無理もないか。


改めて言うと、今、私たち…もとい私の現状は、


・麗しきレディー達に対し男としての礼儀もマナーも持ち合わせていない糞貴族(餓鬼)達とパーチー。


・彼らの薄汚れた血を衆人環視の道路で盛大にまき散らしてスプラッタにメイクアップ。


・その後、重傷をおった彼らをせせら笑ってエスケープ。


・そして行きつけの喫茶店に隠れて大好きな紅茶をテイスティング。←今ここ



という訳です。はい。



「…事実その通りだし、助けてくれたことには礼を言いたいけど…。なぜかしら?…今すぐにこいつを憲兵隊に突き出すべきだって私の心が訴えかけてくるんだけど」



「お、お嬢様…」



ふむ。葛藤に苦しむ令嬢と気弱な従者か。



実にいいね!!これを見れただけで私はもう満足さ!!」




「黙れ変態!!」




「おっと」


 と、思考が唯漏れの私めがけ渾身の力を込めたストレートは、難なく首をひねることで避けさせてもらいました。でも、この様子に更に恨めしさと困惑と疲れと苛立ちがミックスされ、平常心がガリガリと削られていくが、それでもなお可憐なる少女は、憎々しげに目の前の異常な少年(私。うん、自覚はありますよ。治しはしませんが)をにらみつける。



「はぁ。はぁ。本当に疲れるわ…。さっきの喧嘩…ううん。そんな優しいもんじゃないか。殺戮…虐殺?うん。虐殺と言い、今の態度と言い、本当になんなのよ。あんたは」


虐殺って…人聞きが悪いなあ。別に殺しちゃあいませんよ?



まあ、ほっといたら死ぬでしょうけど」



「いや!結局死ぬんじゃない!!」



「いえいえ、違いますよ。その場で殺意をもって殺したら殺人罪ですが、多少痛めつけてほっといて死んだら傷害罪と過失致死だったはずです。あ、その前につかまった場合は殺人未遂が付くかもしれませんね」



うん。刑法では責任の立場や、その後の刑期、その他多くの事象に関し大きく違ってきますからね。


非常に大事です。


…まあ、前世の事で今世ではたぶん違うでしょうが。


ってか、前世の法律なら私は無罪…まではいかなくてもそれなりの罰で済みますけどね。悪くて施設送りとか。



まあ、前世は前世でこのさいポーイしといて、これからの事を考えますか。


…後、なんか考えてる子夜が漏れてるみたいですね。自重しましょう。うん。


「あ、あのう…」


と、ここで気の弱い従者ことロリーちゃん(先の話参照)がオズオズと(可愛い。もう、すごく可愛い)はなしかけてきた。


「はい。どうかしましたか?…えーと…」


名前だけ知ってて苗字は聞いていないので、そうあえて振ってみます。


「あ、えと、私はロリー。ロリー・カルテッドです。こちらのメリーお嬢様にお仕えしているものです。先ほどは危ないところを助けていただき、本当にありがとうございました。お嬢様はこうおっしゃってますけど、本当は感謝していますので…」


そう言ってロリーちゃんはチラッと傍のメリーちゃんを見る。


「う…。まあ、確かにね。ありがとう、助かったわ。やり過ぎと思うけど。あと、私はメリー・テラボルト・マッケンダ。メリーでいいわ。ああ、それとロリーに手をだしたら殺すわよ。いいわね?」


「お、お嬢様!!!」



ふむ。二人ともいい名前ですね。それとメリーちゃん、いやメリー嬢。心配しなくても大丈夫ですよ。私は紳士ですから。女性にむやみに手は出しませんて。ホント。…かつての彼じゃあるまいし。


「ははは肝に銘じておきますよ。後、助けたことはどうか気にせずに。紳士として見逃せなかっただけですから」


((…あれの何処が紳士だったのよ(んでしょう)…))


軽く会釈し、続いて私も名を名乗るとしよう。まあ、一人だけ名無しはどうかと思いますしね。



「それと、私の名はクリス・ウォーカーと申します。ああそれから…」


私はクッキーに手を伸ばしつつ言葉を続けた。


「なんで貴族…いや、“辺境伯のご令嬢”があんなところにいたので?」


「「!?」」


うお。二人とも驚いて紅茶吹いちゃいましたね。まあ、私のコップで全部受け流せますから無問題、無問題。


…うん。ライフルや散弾銃の玉とか、雷に比べればなんてことはないですよ…はは。



「ゲホッゲホッ!!…い、いきなり何言ってんのよ!?ってか、こんな所で…!」


驚いた様子で聞いてくるメリー嬢。ははは。まあ、そう驚かずに。


それに、大丈夫ですよ。この店にいる人たちは決して秘密を漏らすことはありませんってかそんな真似は絶対にできませんから。


それと、あなたがかなり偉い貴族の方だっていうしっかりとした理由はあるんですよ。


「そのあなたの纏っていらっしゃる服の胸元についてる紋章。かなり地味目にしてあえて目立たなくしてますが、それでも“紅い獅子と蒼色の盾”の紋章が確認できます。で、その紋章の種類と構図は貴族の…それもかなり位の高い方のものだったはずです。なので、初見でも、少なくとも伯爵かそれ以上の方の関係者と思ったわけです」


シャロンやサリーヌ達に貴族相手のマナーを教えてもらっている時に、この国の王族や貴族の紋章なども教えてもらいましたしね。これでも記憶力には自信があるんですよ。


「…確かに、この“紅獅子あかじしとラズベルの盾の紋章”は貴族の、もっというと代々王族に忠誠を捧げてきた…“建国の一族”を示す由緒あるものよ。でも、これだけじゃ私が辺境伯の娘とは言えないんじゃない?特に最近じゃ、一年ごとに功績を評してこの紋章を王様から授与される“功評式”っていうのがあるし。そっちで表彰された低級貴族の関係かもよ?」


「それに!私がもし本当に辺境伯の娘なら、あのバカどもを止める護衛くらいいるんじゃない?よほど平和ボケしたトラブル大好き人間じゃない限りわ」


と、どうやら落ち着いた様子のメリー嬢は正論で反論なさる。


ふむ。


まあ、確かにその通り。



「ええ。確かにそうですね。それだけでは弱いでしょう。しかし…」



でもね。



理由はまだあるんですよ。



「それでも私は、あなたが辺境伯のご令嬢だと断言できますよ?襲われても護衛が飛んでこなかった訳も勿論含めて」



自信を持って言えますよ。はっきりとね。



「…」


「え、ええと…」


私の発言を聞いて何やら黙ってしまったメリー嬢。それと対照的に私とメリー嬢の顔を見比べ困ったている様子のロリーちゃん。マジ可愛い」



「ええ!?///」



Oh!!照れるとまさに天使!!可愛い!!



「あ゛ぁ?」



Oh!!怒るとまさに般若!!殺される!!




「いえ、すいません。何でもありません。本当です」



っとしまったしまった。またやらかしてしまいましたか。


全く、我ながら困ったものですね。一体どうしてしまったのやら…。


ま、きっとこんな初々しくて可愛い御嬢さんの前に私も浮かれているってことですかね。


ははは。”隠せないものが3つある。咳、貧困、愛だ。”…確かイディッシュのことわざでしたっけ。


まさにその通りですね。


まだまだ若いですね…私も。



「全く。今度言ったら殴るわよ?ロリーは私の親友なんだから。…まあ、その話は良くはないけどこの際置いとくわ。で、ほら。続き話してみなさい?私がどうして偉い貴族様の娘なのかを」



ええ。了解しましたメリー嬢。まあ、後ろから「お、お嬢様!?殴るなんてダメですよ!そりゃいきなり言われて驚いたのはありますけど…でもクリスさんって結構好みのタイプだし…で、でもお嬢さまの親友っていう気持ちもうれしいし…ああ、私はどうすれば…ってそうじゃなくて!!」って聞こえてきますけど、まあ無視して進めますか。



「では、お言葉に甘えて。まずは簡単なところから。あなたが低級貴族ではないという証明よりも、あなたが上流貴族の関係者という方向から証明しましょう。その、あなたが髪に飾ってある“髪飾りの花”を用いて」


「?この髪飾りで?」


「…ああでもやはり私はお嬢様への忠義に答え…ほえ?髪飾り?」


ええ。そうです。


その髪飾りこそが、私の推理の確信にして絶対の根拠です。


「ええ。まず、その花の名前を知っていますか?」


「当然よ。この花はロックフラワー。岩の上に咲く花よ。…何を考えたのかは知らないけど、はっきり言ってこれが根拠にはならないと思うわよ?どこにでも生えてるから。この花」


うんうんとメリー嬢の言葉に頷くロリーちゃん萌(ry


ううん!!そうじゃない!!心頭滅却!!火もまた涼し!!


ちょっと抜けたところが好みなんて考えない!!ストライクとかもってのほか!!



今は集中なさい!!クリス・ウォーカー!!!!



「うッッッ!…ふぅ…ええ。そうですね。証拠にも何もならないでしょう」


(何よ?今の声?)


(?何かあったんでしょうか?)




ええい!スルー!スルー!!




「普通のロックフラワーならば」



「「…え?」」



そう、この花は普通ではないんですよ。



残念ながらね。




「さてさて。植物には成長する為に必要な要素があります。それは、


・空気・水から得る成分として、酸素 水素 炭素。


・根から吸収する養分として、チッソ リン酸 カリ カルシウム マグネシウム イオウ マンガン モリブデン ホウ酸 亜鉛 塩素 銅 鉄 …等々。


まあ、これらは具体的に植物が育つのに必要な栄養分という話ですが、これをもっとざっくり大きくアバウトかつ簡潔に言ってしまうと、“周囲の環境”と言えなくもありません」


「そして、この“周囲の環境”というのは、この場では、暑かったり、寒かったり、雨が多かったり、日照りが多かったり、空気が乾燥していたり、湿気が多かったり等々…まあ、乱暴に言ってしまうと国や地域の“気候”と解釈してください。

 …まあ、実質、気候の違いによって作物や植物にもいろいろな変化が現れたから、試行錯誤を繰り返して、多種多様な進化を遂げて今にあるわけですから間違っちゃあいないと思いますけどね。ほら、例を挙げると畑で作られている麦なんかは、気候が涼しいサンディアやその周辺諸国ではよく取れますが、南の方の地方…ルガッタ位かな?まあ、あそこ位暑い国だと麦よりも米の方が良く育ちますよね。良く輸出してますし。そのように、環境によって作物の育ちやすさにも違いがあるんですよ」



「…」



「ほぇ~。クリスさん物知りなんですね~」



うん。ありがとうロリーちゃん。まあ、かなりおおざっぱに言ってて正確ではないですけどね。そこは重要じゃあないのでまあいいですけど。後、メリー嬢。黙ってると怖いです。何か言って。



「…さて、この事からも一応、“環境が異なると植物にも違いが出る”って事がもう分かっていただけたと思います。で、ここで本題ですが、このロックフラワーにも、当然環境によって影響を受けるんです」




そう。そして、これが私の確信です。






「ロックフラワーは、育つ環境によって“花の色”を変えるんです」





「「!?」」





お。どうやら知らなかったようですね。二人ともけっこう驚いてますよ。





「そう。このロックフラワーの色は変色するんです。しかも、植えられた地域で花が咲いたその時に色が変わるんで、ずっと同じところのロックフラワーの色しか知らず、他の地域で咲いた花を見たことがない人は知らないことが多いんですよね」



つまり、ある寒い地域で植えて咲いたロックフラワーの色が青なら、そこでは気候が変化しない限り、ほぼすべて青色のロックフラワーが咲くんです。で、咲いてから花を摘み取っても色は変化しませんから、他の所…たとえば、“暑いところで咲いたロックフラワーの花を持って、寒いところへ移動したから花の色が青く変色した”…なんてことはありえません。


「また、あなたの髪飾りに使っているこのロックフラワーの色…実はこの色に変色する条件はシビアでしてね。限られた地域でしかこの色にはならないんですよ。そして、その地域が…」







「…辺境伯爵領…ってことね」








「…ええ。そうなんです」



この事はエルザに教えてもらいました。やはり、色々な所に移動するサーカスだけあって、みんなかなり物事に詳しいんですよね。私も情報収集とか大好きですし、ノウハウを習っていつか自分だけの情報網を確立したいですねぇ。




「…でも、それだけじゃ証拠としては弱いわよ?その領地でしか取れないなら十分価値があるわ。市場が発達したサンディアなら買い手も数多。特産品として売りに出したんじゃない?で、そのうちの一つが買われて、私の髪飾りになったと…そうは考えられない?」




なるほど。確かにそれも充分考えられますね。





…ロックフラワーでなかったら。





「それはありえませんね。ある場所で咲いたロックフラワーを他人に送ることや売買はできない…いや、タブーとされているので」


「!!」


そう、ロックフラワーは法律でその扱いをかなり厳しくしているんですよ。



「…ここサンディアでは、昔から商売の競争が激しく盛んに経済戦争を繰り返してきた歴史があります。そして、そういった戦いを繰り返してきたこの国の人々は、ゲン担ぎ等をして幸運を呼び込みたいという思いがかなり強い面があるとも言えます。事実、サンディアでは、ロックフラワーが石の上に咲く事から、“硬い石の上に咲く花”=“石のように固い意志を持つ象徴”と言われ、自らの強い意志を表す重要な花なのです」


なので、結婚式とかに、花嫁の髪飾りにしたり、新郎の心臓の位置を示す左胸のポケットに入れる花等にロックフラワーが使われるのは、意志や気持ちの固さを象徴し、一途さ、誠実さを示したりするからなんです。



「よって、ロックフラワーを人に送ったり、売買してしまうことは、“自らの意思を手放す”ということになり、そういった事は法的にも禁止されているんです。どうしても欲しい時には自分からそのロックフラワーが生えているところに行かねばなりません」



まあ、恋人同士が婚約の約束として、お互いの故郷に咲いた(どうしても無かった場合は買ったものでも可)ロックフラワーを交換し合う事はOKらしいですけど。



「故に、辺境伯爵領に生えている色のロックフラワーを持っているということは、そこに住んでいたか、取りに行ったか。それに、先ほどの会話からしてこの色しか見たことがないというのなら…領地に住んでいた可能性も高くなってきますし…まあ、どちらにしても辺境伯の関係者でなければできない事ですね」



これらをもって、私は…



「あなたは、やはり辺境伯の関係者ではないでしょうか?しかし、先ほどからの態度を見るに、それを認めるわけにはいかない様だ。それはなぜか?」



「考えられる原因としては、何か緊急を要する要件があるのではないか?それも家の方や護衛を漬けていない事、また絡まれても反撃らしい反撃をしなかった点から、騒ぎになって問題となり、万が一に大事になると不都合になるから。この事から考えると…やはり、権力や名声などで国や世間に半端でない影響力を持っている“ご家族”に関する問題でしょうか?」


まあ、ただ単に五歳の子供がお忍びで遊びに来てて、親に叱られるのが嫌だから身元がばれたくないっていう可能性もありますが…。



それは低いでしょう。



「…」


「あ、あの、えっと、その…」





こんなにも、いくつの物を背負い込んでしまっている様な…。




そんな苦しそうな顔なら。




「…ええ。その通りよ…。私は、アレン・メリー・テラボルト・マッケンダ辺境伯爵の娘。ここに来たのも、その父の事で…あまり公にしたくない問題があってね…」




「お嬢様…」




「…やはり…そうでしたか」




…同じく父親で苦労してるんですね。



まあ、それはそれとして。





さて。問題はこれからです。






目の前でレディーが困っているのを見捨てる気はさらさらない。が、私にも問題はある。



忘れてたかもしれませんが、昼間っから飲んでる父上を引きずって帰らなければならないんですよね。


本当にめんどくさ。



まあ、それでもやりますけどね。トホホ。



ううん。で、問題は…



(家族…それもかなり影響力や力のある特殊な家庭環境での問題。果たして介入すべきか?)



ほっとく気はありませんが、かかわったとしてうまく解決できるかどうかは怪しいですね。


最悪、もっと悪いことになりかねません。


事実、外は貴族の手下どもがわんさか湧いてますしね。


ああいう輩は、権力とか弱みとかなったら、即食いつくものなんですよ。


うざったらしいことこの上ない。


まあ、一応、策はありますがね。


でも…


(介入したとして、これ以上何かが起きると…下手したら相手が相手だけに国の行く先にも関わってくる可能性もある…)



判断が付きにくいですね。



出来れば話を聞いてから考えたいですが…。



先ほどの話の最中からの様子だと、警戒心高そうですしね。話してはくれないでしょう。



一体、どうすべきか…。



「ねえ」



と、悩んでいたその時。


メリー嬢が真剣な面持ちで私に声をかけてきた。


心なしか、少し緊張しているようにも見える。


そんな中で、彼女の小さな唇が動いた。



「あんたってさ。一体なんなの?」


はい?


…。


ああ。



そりゃそうですわな。



今までの会話振り返ったら、五歳児のそれじゃないですわな。



そりゃ、疑って当然だ。






まあ、でもこう聞かれたら…




「…ただの、サーカス団の一員ですよ」




こう答えるしかありませんね。



例え、不安や疑問を煽ることになろうとも。



これは譲れませんよ。



「!…そっか」



「へぇー!!クリスさんて、サーカスの方なんですか!!」



ああ。なんかいいなー。マジでいいなー。


こう純粋なところがいいですねー。


まったく、エルザやシャロンも、もうちょっとこうなんていうでしょう。


健全…そう、健全さがあればいいんですけどね。


キャリーはそのままでいいですけどね。はい。



「…じゃあさ。話、聞いてくれない?」



…はい?


え?


今なんて?


…。


「あの。すいません。つまり…訳を話してくれる…と?」


全く持って上流階級に関係ない、ただの小僧に?



「ええ。さっきまではちょっと迷ってたけど。もう決めたわ。あんたなら大丈夫そう」


「…?お嬢様?どういう、え、なんですか?…あ、ああ!そうですね!それなら!クリスさんならいいかもしれませんね!」


ほほう。


一体どこでフラグがったたんでしょうね?


そしてロリーちゃんは何を耳打ちされたんでしょうね?



全くわかりませんでしたよ。



「しかし、聞いても助けになれるかは…」


「ああ。大丈夫。大丈夫。ただちょっと聞いてもらいたいだけだから。協力とかいいわよ」


「うん!うん!」


さいですか。


なら、聞くだけ聞いてみましょうか。


彼女たちの理由…その全てを!


「実はね…」














「今町に来てるサーカスの団員に誘われて、職務ほっぽり出して昼間っから酒飲みに行ったお父様を見つけて粛清するってのが、私たちが隠密にここにいる理由よ」













…はい?




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