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『無限転生した俺、最弱辺境村から“神殺し”へ至る〜継承スキルで世界最強になったので、滅びの運命を変えます〜』  作者: Y.M
第2章

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最終選択

地下世界は、完全に“止まっていた”。


 だがそれは停止ではない。


 選択を待つために、すべての動きが保留されている状態。


 空白が、ゆっくりと広がる。


『最終選択提示』


『A:完全抹消(封印の終焉)』


『B:層維持(現状固定)』


『C:再設計(共存再定義)』


 ミナが顔を引きつらせる。


「また三択!?しかも全部重い!!」


 セリアは静かに息を吐く。


「ここまで来て“選ばされる側”なのね」


 リシアが不安そうに言う。


「これ……どれ選んでもヤバいやつじゃない?」


 ネアは小さく頷く。


「うん」


「“正解がない選択”」


 レインは空白を見上げる。


「で、どれ選べばいいんだよ」


 空白は答えない。


 代わりに、世界がわずかに揺れる。


 選択そのものが“圧”になっている。


 ゼノスが静かに言う。


『選択は提案ではない』


『確定条件だ』


 ミナが叫ぶ。


「説明もっと優しくしてよ!!」


 セリアは目を細める。


「Aは全部終わる」


「Bは何も変わらない」


「Cは……一番危険ね」


 リシアが震える。


「危険なの!?」


 セリアは頷く。


「“未知の構造を作る”ってことだから」


 空白が動く。


 Aの文字が一瞬強く光る。


 ミナが青ざめる。


「え、A押し始めてない?」


 ネアは静かに言う。


「違う」


「“世界が元に戻ろうとしてるだけ”」


 レインは剣を肩に担ぐ。


「めんどくせぇな」


 一歩前に出る。


「なら簡単だ」


 ミナが叫ぶ。


「どこが簡単なのそれ!?」


 レインは続ける。


「選ぶんじゃねぇ」


「決めるだけだろ」


 その瞬間。


 空白が“揺れる”。


 初めて、選択肢が均衡を崩す。


『選択干渉検知』


『外部意思介入』


 セリアが息を呑む。


「今の……選択に干渉した」


 リシアが震える。


「そんなことできるの……?」


 ネアは静かに言った。


「できる」


「“選択の外側にいるから”」


 レインは空白を見る。


「俺はAでもBでもCでもねぇ」


「俺は俺だ」


 ――拒否。


 その瞬間。


 選択肢が“意味を失う”。


 A、B、Cの文字が一斉に崩れる。


 ミナが固まる。


「え、今の……選択消えた?」


 セリアが目を見開く。


「違う」


「“選択という概念が一度止まった”」


 空白が初めて“沈黙”する。


 長い沈黙。


 そして――


『再定義失敗』


『最終選択:未成立』


 リシアが小さく息を吐く。


「これ……勝ったの?」


 セリアは首を振る。


「違うわね」


「“選ばれなかっただけ”」


 ネアが静かに言う。


「でもそれでいい」


「選択が成立しないという結果が、新しい状態になる」


 ミナが呆れる。


「それもう意味わかんないよ……」


 空白がゆっくりと収束する。


 攻撃でもなく、撤退でもない。


 ただ“判断の放棄”。


 ゼノスが静かに言う。


『封印の理由は消えた』


 レインは剣を肩に担ぐ。


「じゃあ終わりか」


 空白は一瞬だけ揺れて――


『未定義状態:継続』


 ミナが叫ぶ。


「結局終わってないじゃん!!」


 セリアは小さく笑う。


「でも敵でもないわね」


 リシアはほっと息を吐く。


「じゃあ……安全?」


 ネアは静かに言った。


「安全でも危険でもない」


「“判断されない世界”になった」


 レインは歩き出す。


「ならそれでいいだろ」


 空白の奥で、最後の音が鳴る。


 ――ゴォォン……


 それは崩壊でも起動でもない。


 “記録完了”。


 そして地下世界は、静かにその形を変えたまま残り続けた。

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