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『無限転生した俺、最弱辺境村から“神殺し”へ至る〜継承スキルで世界最強になったので、滅びの運命を変えます〜』  作者: Y.M
第2章

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判定不能領域

黒い柱は、まだそこにある。


 だがその存在感は、さっきより薄い。


 まるで“どう扱えばいいか分からないものを、無理やり表示している”ような不安定さだった。


 ミナが眉をひそめる。


「なんか……さっきより弱くなってない?」


 セリアは首を振る。


「違うわね」


「“弱くなったように見せてるだけ”」


 リシアが不安そうに言う。


「じゃあ強くなってるの?」


 ネアは静かに答える。


「“学習が止まっただけ”」


 黒い柱の表面に、ノイズが走る。


『再評価試行』


『対象情報不足』


『比較不能』


 その文字が出るたびに、柱の輪郭がわずかに崩れる。


 ミナがぼそっと言う。


「完全に詰んでない?」


 セリアは苦笑する。


「詰んでるというより、“詰みという概念に届いてない”感じね」


 リシアは小さく呟く。


「もう評価するための材料がないんだ……」


 影の腕が再び動く。


 今度は攻撃でも接触でもない。


 ただ、“測定”。


 レインに向かって伸びる瞬間――


 空間が一瞬だけズレる。


 ――ズンッ


 測定が成立しない。


 ミナが目を見開く。


「また止まった!」


 セリアが息を呑む。


「いや違う……“測れない位置に移動してる”」


 リシアが震える。


「それってどういうこと……?」


 ネアは静かに言った。


「“定義の外側にいる”」


 レインは黒い柱を見上げる。


「まだやるか?」


 柱は答えない。


 だが代わりに、地下全体がゆっくりと鳴動する。


『警告』


『判定不能領域拡大中』


『封印層維持率:低下』


 ミナが顔をしかめる。


「え、今のこっちのせい?」


 セリアが即座に否定する。


「違う」


「“レインがいること自体が影響”」


 リシアが小さく言う。


「じゃあ……ここにいるだけで壊れてるの?」


 ネアは首を振る。


「壊れてない」


「“元のルールが通用しなくなってるだけ”」


 黒い柱が初めて“動揺”する。


 回転が乱れる。


 表面の文字が崩れる。


『再定義要求』


『再定義不能』


『再定義不能』


 同じ言葉が繰り返される。


 ミナが息を呑む。


「これ、パニック起きてない?」


 セリアは静かに言う。


「システム側が“言葉を失ってる”状態ね」


 レインは剣を軽く回す。


「で、どうするんだよそれ」


 ゼノスが答える。


『選択肢は消滅した』


「は?」


『上位判定は“判断できない対象”を処理できない』


 間。


『結果:保留固定』


 リシアが小さく息を吐く。


「また保留……」


 ミナが呆れる。


「この世界、保留好きすぎない?」


 セリアは肩をすくめる。


「でもそれしかできないのよ」


 ネアは静かに言った。


「“拒否”と“評価不能”が重なった結果」


 黒い柱がゆっくりと沈黙する。


 攻撃でも降伏でもない。


 ただ、“判断を停止したまま存在し続ける”。


 そしてその中心で、わずかに一文だけ更新される。


『対象:未分類』


 ミナがぽつりと言う。


「未分類って……いちばん怖いやつじゃん」


 セリアは小さく笑う。


「いえ、一番怖いのは“分類できないことを認めたこと”よ」


 リシアは少し安心したように言う。


「じゃあ……もう襲ってこない?」


 ネアは静かに答える。


「襲う理由がなくなった」


 レインは剣を肩に担ぐ。


「じゃあ終わりか」


 黒い柱は何も答えない。


 ただ、地下の奥でさらに深い“層の起動音”がする。


 ――ゴォン……


 ゼノスが静かに言う。


『まだ下がある』


 ミナが顔を引きつらせる。


「それもう聞き飽きたんだけど!!」


 セリアはため息をつく。


「でも、まだ終わってないのよ」


 リシアは不安そうに見下ろす。


「この下って……何があるの……」


 ネアは静かに言った。


「“封印の理由そのもの”」




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