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『無限転生した俺、最弱辺境村から“神殺し”へ至る〜継承スキルで世界最強になったので、滅びの運命を変えます〜』  作者: Y.M
第1章

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どこから来た?

その問いは、戦いの音よりも静かに落ちた。


『君はどこから来た?』


 空の裂け目の向こう。


 “意志”だけがこちらを見ている。


 レインは剣の柄に手をかけたまま、動かなかった。


「……どこから、って」


 ミナが小さく呟く。


「なにそれ質問?」


 セリアは警戒したまま空を睨む。


「攻撃じゃない……?」


 リシアは唇を噛む。


「でも、嫌な感じがする……」


 ネアは一歩下がりながら言った。


「これ、“侵食”でも“観測”でもない」


「もっと前の段階」


 レインは空を見上げる。


「質問してくる敵とか初めてなんだけど」


 ゼノスの声が静かに響く。


『これは“上位認識”だ』


「上位認識?」


『世界を“現象”としてではなく、“問い”として扱っている』


 レインは眉をひそめる。


「意味わかんねぇよ」


 裂け目の向こうの意志は、もう一度問いかける。


『君はどこから来た?』


 まるで同じ質問を繰り返す機械のように。


 だが違う。


 そこには“確認”ではなく、“興味”があった。


 レインは少しだけ黙ったあと、答えた。


「……この世界だ」


 その瞬間。


 空気が揺れた。


 裂け目の向こうの“意志”が、わずかに沈黙する。


 そして――


『誤差』


 短い一言。


 セリアが顔をしかめる。


「誤差……?」


 ミナが叫ぶ。


「人の答えに誤差とか言うな!」


 ネアが震える声で言う。


「違う……それ」


「そういう“分類”じゃない」


 レインは一歩前に出る。


「じゃあ何だよ」


 裂け目の向こうの存在は、ゆっくりと“考える”。


 そして答える。


『君はこの世界の外部要因だ』


 沈黙。


 その言葉の意味を、誰もすぐには理解できなかった。


 だがゼノスだけが、低く呟く。


『……なるほどな』


「なるほどってなんだよ」


『お前は最初から“例外”だ』


 レインの眉がひそまる。


 裂け目の向こうの意志は続ける。


『この世界には通常、干渉因子は存在しない』


『だが君は存在している』


 ミナがレインを見る。


「ちょっと待って、それどういう意味?」


 セリアも険しい顔になる。


「“この世界の外から来た”ってこと?」


 リシアは小さく息を呑む。


 ネアは静かに言った。


「……やっぱり」


「そういうことになる」


 レインは一瞬だけ黙る。


 そして、笑った。


「は?」


「俺が外から来た?」


「いやいやいや、普通にこの世界生まれなんだけど」


 だが。


 ゼノスは否定しない。


 沈黙が、答えだった。


 レインの笑みが少しだけ消える。


「……おい」


『事実だ』


 ゼノスは淡々と言う。


『お前の“起源”はこの世界じゃない』


 空気が一段冷える。


 裂け目の向こうの意志が、静かに反応する。


『興味深い』


『観測値に修正が必要』


 レインはゆっくり剣を抜いた。


 蒼黒の光が走る。


「……勝手に人の設定いじってんじゃねぇよ」


 ミナが一歩前に出る。


「レイン、それ今どういう状況!?」


「知らねぇよ!」


 セリアが叫ぶ。


「でも今のは“敵対”っていうより……!」


 リシアが続ける。


「解析……?」


 ネアは小さく呟いた。


「見てるんじゃない」


「探してる」


 その瞬間。


 裂け目の向こうの意志が、はっきりと言った。


『君は“回収対象”ではない』


『君は“起源不明の鍵”だ』


 レインの背筋が冷える。


「鍵……?」


『世界の外側へ接続するための』


 ゼノスが低く言う。


『最悪だな』


「今の話、全部最悪なんだけど」


 裂け目が広がる。


 空そのものが、ゆっくり開いていく。


 そして――


 向こう側から“何か”が見えた。


 今までのどれとも違う。


 門でもない。


 監督者でもない。


 ただの“空白”。


 その空白が、ゆっくりとこちらに近づく。


 レインは剣を構える。


「……来るなら来いよ」


 その声は震えていなかった。


 空白は、静かに答える。


『接続開始』


 世界は、もう一度“裏返ろうとしていた”。

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