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第57話:最終戦への意気込み


 「お待たせしましたー! いよいよ最終ステージ、発表のお時間です!」


 公式MCの元気な声が、再び大会配信に戻ってきた視聴者たちの耳を打つ。


 「ここまで激戦を繰り広げてきた5チームが、最後に挑むのは──」


 『ステージ3:協力レイドバトル』


 「その名の通り、全チーム協力による超大型レイドボス戦です!」


 「このステージはこれまでのような“チーム対抗戦”ではありません! 全員が同じバトルフィールドに入り、一つの巨大なボスモンスターに挑む形式となります!」


 「でもご安心を! ここでもしっかりと順位がつく仕組みは用意されていますよ~!」


 実況がそういうと、特設ステージの巨大スクリーン、あるいは公式配信の全画面に順次ルールが表示される。


---------------------------------------------------------


● ステージ3 ルール説明(最終ステージ)


 ステージ形式:全員協力型レイドバトル(時間内に巨大ボスを討伐)


 制限時間:60分


 リスポーン:死亡後1分で復活可能


 ボスを討伐出来ても、出来なくてもこれが最終ステージ!



● ポイント獲得の仕組み(重要)


 ステージ終了後、視聴者アンケートを実施。


 内容は「今回のステージで一番活躍していたと思うプレイヤーは?」


 この投票はチーム・人数関係なく、参加者全員が対象!


 ただし、1チームにつき"得票が最も多かった1人"の票数のみがチームポイントとしてカウント。


例:

・まどか 1000票、いろは 500票 → チーム「まどいろ」の得票数は1000

・サロロでサーシャ 900票、ロロ 600票 → サロロの得票数は900


その上で得票の多いチーム順に、以下のポイントが付与。


1位:20P、2位:16P、3位:12P、4位:8P、5位:4P


---------------------------------------------------------


 「今回は視聴者数ポイントなし! 本当に最後の勝負は“誰が一番輝いたか”!」


 「チーム内で投票を一人に集めるもよし、みんなで光るもよし! でも、最終的にチームを勝利に導くのは、視聴者の票だけです!!」


▶ ガチの人気投票きたぞ

▶ これ人数多いと得票分散してヤバいんじゃ?

▶ フィー農場がどうまとめるのか楽しみ

▶ ロロに入れるよロロ!!

▶ 二人の内一人を選ぶなんて、俺には無理だ……!!

▶ コノエが淡々と取ってく未来もある

▶ ソラは、そのままのソラでいてくれ(信仰)



 「それでは最終ステージが始まる前に、各チームの皆さんに意気込みを聞いていきましょう!」


 「お、あそこにいるのはフィー農場のみなさんですね! 最終ステージに向けて一言お願いします!」


 MCが、ずいっ、とマイクをフイーノの方へと向けるとフィーノが応える。



 「正直、トップを取るのはかなり難しいと思う。けど──一矢報いるくらいはしてやるさ」

 

 そう言うとフィーノ達は3人集まって円陣を組んで、エイ・エイ・オー!と気合を入れていた。

 

 「でもさ、もしかして俺たち一矢報いる事しかしてない?」

 

 という元も子もないフィーノの言葉に

 

 「弓使いはいないのにな!!」

 

 とユーリが突っ込みまた3人で笑いあい、非常に楽しそうにしていた。



 笑いあうフィーノ達を後に、ソラの方へ向かい一言を求めるMCに対して、ソラも短く答える。

 

 「……投票とか、向いてないな。けど、やれることをやる。ちゃんと見ててくれれば、それでいい」


 「ありがとうございます!まさに孤高と言った所でしょうか!」



 「あっちにいるのはサーシャさんとロロさんのお二人ですね、意気込みをお願いしまーす!」


 MCがマイクを差し出そうとするとロロがグイっと顔を突き出しマイクを奪う。

 

 「ロロ、ぜーんぶぶっ飛ばすから、みんなロロに入れてねっ!ロロだよー!?ロロだよー!?」


 「だから言ってるだろ落ち着けっての……でも、ま、ロロが暴れてる方が票は入るか……? うーん……悔しいけど否定できない」


 わるいね、ははは、と笑いながらロロが握ったマイクをぶん取りMCへと返す。


 「いやー凄まじいパワーでしたね!」



 「さて次はまどいろの2人ですね! 一言おねがいします!」


 「うわわわー! どうしよ、まどにゃん! そう! まどにゃん! うちのまどにゃんに清き一票をお願いします!!」


 「いや選挙か。よくそんなに慌てながら勢いで喋れるね。」


 「協力戦ってことで、あまり慣れては無いんですけど、タンクと火力は私、支援はいろはがMVPとる気で頑張ります!」


 「コンビの相性抜群のまどいろでした!」



 「最後は暫定1位のコノエさんですね! ズバリ今の意気込みをお願いします!」


 「運営の意図は理解した。これは、視聴者の心を動かした者が勝者。……けど小細工は苦手。ボクはボクのやり方で戦うだけ」

 

 コノエもソラ同様に簡単に応える。

 

 

 「さて! これで各チームの意気込みを聞けたところで、間もなく第3ステージ! 協力レイドバトル! 開始いたします!!」



 巨大な咆哮が、地平の彼方から響き渡った。

 レイドステージの扉が、ゆっくりと開かれる──。

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