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第55話:ステージ2 リザルト発表1


 ──90分経過。

 ステージ2終了のシステムアナウンスが、ダンジョン内に響き渡る。


 それと同時に、参加者たちの姿は各自の待機部屋へと転送されていく。


 視界が一瞬白くなり、次に目を開いた時には、全員がそれぞれの個室の中に戻っていた。


 「いや〜〜〜!!ステージ2も大盛り上がりでしたね!!!

 次から次へと巻き起こる予想外の展開に、我々実況の心臓も限界寸前でした!!」


 元気いっぱいの司会の声が配信を通じて響き渡る。


 「それではさっそく!皆さまお待ちかねの順位発表に参りましょう!

 まずはメイン競技である、ダンジョンTAタイムアタックの順位発表からです!」


 会場に仮想のスポットライトが展開され、演出用のエフェクトが光り始める。


 「それではまず、第5位からご紹介!」


 「最終到達点は第三層ボス!

 残念ながら初回は瞬殺されてしまいましたが──それでも諦めず、

 ラスト20分を使って再突入! 一矢報いてみせました!」


 「ボスへの再接触、そして意地の一撃!

 3層ボスまでの到達タイムは 68分12秒──」


 「第5位──フィー農場!」

 

▶ 農場がんばったよほんと

▶ ちゃんと一発入れてきたの熱い

▶ 勝ち筋なかったのにここまで動いたのは偉すぎる


 

 MCの声に合わせて、フィー農場のメンバーの姿がステージ中央のビジョンに表示される。

 

 やや悔しげな顔もありつつ、拍手と歓声を受けて穏やかに手を振る3人。




「続いて──第4位!」


「最終到達点は同じく第三層ボス!

開幕から罠をくぐり抜け、一気に進行して見事1層トップ通過を果たしたチーム!」


「……しかし3層ボス戦で一度全滅! それでも諦めず再突入、HPを半分以上まで削り切ってみせた!」


 「まさに怒涛の展開、カオスとドラマをありがとう!!

 3層までの到達タイムは 56分33秒──」


「第4位──サロロでGO!」


▶ ロロ無双だったな今回もwww

▶ サロロってどのイベントでも記憶に残るのすごい

▶ ステージ1からの進歩がやばい


 元気よく手を振るロロと、ちょっと気恥ずかしそうに微笑むサーシャの姿が画面に映る。




 「そして──TOP3の発表です!」


 「まずは第3位!」


 「最終到達地点はなんと──ゴールポータルの目の前!

 惜しくも最終ボスを倒しきることは叶いませんでした。」


 「ただしボスとの相性は最悪……それでもその精密射撃で、

 ボスHPの残り30%まで削ってみせた!」


「まさに孤高の狩人。無言の矢がダンジョンに刻んだ軌跡──


 「第3位──ソラ!」


▶ まじで無言で絵になるのズルいよな

▶ あの回避力おかしいって…

▶ あとちょっとだったのに…でも凄かった


 画面に映るソラは、無表情でうなずき一礼。その背中は少しだけ悔しさを滲ませていた。



 「さあ! ここからは第2位と第1位の発表です!」


 「この2チーム、どちらもステージクリア組! どちらもラストボス、デザートジャイアントを見事撃破して──ゴールポータルをくぐってみせました!!」


 「その差は……わずか15秒!!」


 「タイム差はほぼ誤差!戦い方の違い、それぞれの戦術、そして最後の踏み込み──

 ほんの数手の差で順位が決まりました!」


▶ 15秒差ってマジ!?

▶ まどいろvsコノエ、ほんと熱すぎ

▶ どっちも勝ちでいいでしょこれ……

 


 「では行きます、まずは第2位……」


 MCが大きく手を振るように演出を交えながら声を張り上げる。


 「ステージ中盤まで絶妙なペース配分、演出も忘れず配信としての完成度も◎!」


 「そして最終戦! トリックスター・まどかの超接近戦と、エンチャンター・いろはの構成支援!

 華やかさと緻密さが同居する、まさに“魅せる戦い”!」


 「モグラと巨人、ダブルボスの攻略法を自力で発見し、適応し、撃破!

 冷静と情熱を合わせたラストアタックは、視聴者の心をしっかり掴んで離さなかった!」


 「クリアタイムは──88分22秒!」


 「第2位、まどいろチャンネル!!!」


▶ 88分22秒ってほんとギリギリだったのか……

▶ いろはの光彩符の活用えぐいよね…

▶ まどにゃんの回避力に惚れた


 まどかはカメラに向かって小さくガッツポーズ。

 いろはは隣でVサインをしながら「やったー!」と素直に喜ぶ姿を見せる。


 2人とも全力を出し切ったあとの達成感と悔しさが入り混じったような表情だった。


 「あと15秒だったんだ……」


 「それでも、自分たちのスタイルでここまでこれた──それだけで大満足!」


 そんな言葉が、ファンの胸にも強く響いた。




 続いて、MCが少しトーンを落とし、重厚に言葉を紡ぐ。


 「そして……今回、見事第1位を掴んだのは──」


 「戦闘スキル、進行ルート、敵解析──あらゆる判断が寸分の狂いもなく完璧!」


 「どの場面でも“最適解”を選び続けた冷静な頭脳と、精密な操作技術が合わさり、まさに“解析系”プレイヤーの完成形!」


 「最終戦でも、相手の構造から再生タイミングを把握、その上で再生妨害とダメージの蓄積を両立させ、あのデザートジャイアントを仕留めてみせた!」


 「モグラ出現後も冷静さを失わず、即座にバインドを決めて、削りきるまで一切無駄のない詠唱、詠唱、詠唱!!」


 「そして迎えたゴールイン──

 その記録は88分07秒!!」


 「第1位! コノエ!!」


▶ いや、ほんとコノエってバグなの?

▶ 全プレイが理詰めで美しすぎた……

▶ 解説じゃなくて解体ショーって言われてて草

▶ 最後まで冷静すぎてこっちの心臓がもたん


 コノエは静かに深呼吸をしてから、短くうなずくだけ。


 チャット欄には「おめでとう」の言葉が淡々と流れていくが、

 そのどれもが、コノエの快挙に深い敬意を込めたものばかりだった。



 「さあ、以上でRTA部門の順位発表は終了となります!」


 「ですが!ネクストスターアーカイブはこれだけじゃない! ここからは……視聴者数部門の順位発表も続けてまいりますよ~!」


 観客もチャットも、まだまだ盛り上がりは続く──!

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