25.しづく5
しづくはすっきりと目を覚ました。
子供たちと思いっきり遊んだ。
楽しかった、嬉しかった、悲しかった。
夢の中だけじゃなく、こっちの世界でも一緒に遊びたかった、もっともっと。
けど、これ以上子供たちを引き止められない。しづくを心配して子供たちは残っていた。転生があるのなら、早く逝かせてあげないと。
ありがとう。
胸の前で手を組んで子供たちのことを祈る。
次は幸せを。
圭人もいた。
子供たちが連れてきてくれた。
圭人にも言いたいことを言えた。
結婚して、妊娠できたこと。
話し合わずに離婚を決めたこと。
浮気のこと。
逃げるようにだけど。
圭人が何か言いたそうだったけど、聞きたくなかった。
特に浮気の理由は。
いつからも、何故なのかも、全て。
知りたいけど、知りたくない。
圭人・・・。
ありがとう、一緒に遊んでくれて。
ごめんなさい、何も言わせなくて。
誓約書と離婚届、何も聞かずに書くのが分かっていた。
馬鹿にされるのが嫌いで、意地っ張りで、謝るのが嫌いで、去るものは追わずと言いながら未練たっぷりで・・・。
あの人の言った通り、子供だ、圭人は。
一回でも連絡をくれたのは、圭人からしたら頑張ったほうだと分かっていた。
もう終わっていたのなら、連絡はしてこなかったと思う。
だから、連絡しなかった。
圭人が連絡を待っているのが分かっていたから。
連絡したら、出てくれるから。
声を、声を聞いたら、流されてしまうから。
もう大丈夫。
またいつか・・・。
またいつか会えたなら、言えなかった『さよなら』を言おう。




