folklore;3
あなたはてんさい
「それで」
やれやれ、と首を振り。
「これから何が見れるって?
見たからってやることが何か変わるわけでもないだろう」
相も変わらず無愛想なスペシャリストはそう言った。
「きっとこの先、全てが見れるよ、モノ。今や俺のおもちゃとして働いてるこいつが何なのか。君が何をすべきなのか。きっと、全部分かる」
そう言うと、二人の現身は雲を潜って過の地へ近付いた。
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酔って払った胸内を、見せてツケるは愚か者。興が乗ったと芸見せて、ウマシカ見合った猿の真似。
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眼下に写る町並み。`それ`を持ち帰った`遭遇者`の国の首都は、高倍速で再生されていることをさておいてもなお急速に成長している。或いはシャーレの中の菌のコロニーのように有機的に、しかし恐ろしい程に着々と無機質に。
その国に持ち帰られた`それ`は自らのコピーを生み、そしてそれらは更に分化し。それらによってあらゆるものが急速に発展した。その都市はその典型だった。`それ`が持ち帰られて僅か半年で都市の体積を8倍にまで広げ、そしてそれらはまだまだ止まる様子もないようだった。
その急速な`発展`の合間に、`それ`のコピーが幾つか≪逃げ出した≫。なお悪いことに、≪逃げ出した≫`それ`らは第一世代と呼ばれるものたちだった。
`それ`はコピーを繰り返す内、大昔のレコードをダビングするように、その機能を無くしてゆくようだった。だからこそ、オリジナルの`それ`から直接生み出された`それら`四つは余りに`それ`に近かった。コピーのコピーのような疲弊を起こさず、遥かに高精度で意志を、意図を読み取る`それら`は故に厳重に保管されていた。
しかし、それらは≪逃げ出した≫。
あるいはそれが籠に閉じ込めた人間に対する`それら`の解答だったのかもしれない、と人権屋は擁護したが、しかしそれで問題は解決するわけもなく、事態は更に大事になっていった。
一月も経たない内に、それらが≪逃げ出した≫都市では考えるうるありとあらゆる`解答`が導き出され、そうして辿り着いたのは。
【AD2063.3.22 PM 1:56:28】
後に`その日`が起きる直接の切っ掛けになった、余りに愚かな結論だった。
ぼくらはてんさい




