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再会、そして依頼の完了、冒険者としての誓い

 (……ああ、もう、マジで、疲れた)


 レイアたちは、祭壇での出来事を終えると、沈黙の谷を後にした。そして、そのまま、王都イグレシアへと、戻ってきた。

 

 ……ああ、やれやれ。

 

 

 ……レイアは大きく息を吸い込んだ。そして、久しぶりに感じる、王都の喧騒とその独特の匂いを、胸いっぱいに吸い込んだ。

(……この、騒がしさは、昔から、変わらないわね。けど、なぜか、その騒がしさが、今は、少し、懐かしい気がする)

 

 

 ……そして、レイアは、ルイスと共に、王都イグレシアの冒険者ギルドへと、帰ってきた。

 

 ……ギルドの扉を押し開けると、そこには、以前と変わらず、騒がしい声が、飛び込んできた。酒と汗、そして、獣臭が入り混じる、混沌とした空間。それは、昔は、ただ、不快にしか感じなかった、匂いだったはずなのに。

 

 

 ……しかし、その時、ギルドの中にいた冒険者たちの動きは、一瞬、止まった。そして、彼らの視線は、レイアの赤いポニーテールと、ピンクのパーカー。そして、彼女が背負う大剣と、ルイスの、薔薇色の瞳、そして腰に下げた宝石細工の鞘へと、注がれていた。そして、その瞳には、以前のような、警戒や、軽蔑の色はなく、代わりに驚きと畏敬の念が、宿っていた。そして、何よりも、その視線には、彼らが、二人の帰還を、待ち望んでいたという、熱気が、込められていた。

 

 ……そして、次の瞬間、ギルドは、大きな歓声と、拍手で、包まれた。そして、その騒がしさは、以前よりも、ずっと、大きく、そして、温かく、レイアの心を、震わせた。

(……ああ、もう、本当に、騒がしいわね。けど、なぜか、嫌な気分じゃない。もしかしたら、私は、こんな風に、人に、受け入れられることを、求めていたのかもしれない。けど、それも、今は、どうでもいい。今は、ただ、ルイスと、共に、新しい、冒険へと、踏み出す時が来たのだと、そう、感じている)

 

 「……レイア、それに坊ちゃん。ずいぶんと、たくましくなって帰ってきたな。それに噂として、もうお前たちの活躍がギルド中に広まっているぜ。特に坊ちゃんが古代と現代を組み合わせた魔術を使いこなしたとか、あの伝説的な魔術人形を倒したとか、まるで、おとぎ話のようだな」

 

 オールドは、私たちを交互に見てニヤリと笑った。そして、彼は、レイアの顔を、じっと見つめた。その瞳には、温かい光と、そして、何よりも、レイアの成長を、見守ってきたという、確かな信頼が宿っていた。


 (……ああ、もう、本当に昔から、どこまでもお見通しなんだから。けど、そんな、オールドの、優しさは、私は嫌いじゃない)

 

「……まあな。で、何か私たちに、また依頼でもあるの?」

 

 レイアがそう言うと、ルイスが、オールドに話しかけた。

 

 「……オールドさん、私たちは、この遺跡の真実を知ることができました。そして、それは古代の魔術師たちが、未来に希望を託した場所でした。そして私は、レイアさんが、その希望を受け継ぐにふさわしい冒険者であると確信しています」

 

 「へー、そりゃすごいな。で、お前たちはこれからどうするつもりだ?」

 

 オールドが少し興味深そうに尋ねた。

 

 「……私は古代魔術の研究をし続けます。そして、レイアさんは彼女自身の道を歩みつづけるでしょう。それで、きっと、その道で、私達は、互いの力をもっと深く理解しあえるだろうと信じています」

 

 ルイスは、レイアの方を向き、微笑んだ。その笑顔は、希望に満ち溢れ、そして、優しかった。


 (……ああ、もう。本当に、あなたは、どこまでも、お人好しだわ。そして、もしかしたら、私は、そんな、あなたのことを、信用できるのかもしれない)

 

「……で、私に、何をしろっていうわけ?」

 

 レイアがそう言うと、オールドは肩をすくめた。

 

 「……実はな、最近また古代遺跡の調査依頼が舞い込んできてるんだ。だが今回の遺跡はさらに危険な場所らしい。どうやら古代文明が滅亡する直前に何かとんでもないことがあった場所らしいぜ。それに、今回の依頼主は、お前たち二人の力を必要としている。噂によると、沈黙の谷の異変を解決したのがお前たちだっていうことだしな。そして、その噂は、なぜか、ギルドの中に、瞬く間に、広まってしまった。まるで、誰かが、糸を引いているかのように。そして、その依頼の内容は、その、噂に見合うように、難しいものになるかもしれない」

 

 (……ああ、もう。本当に、面倒なことばかりね。けど、もしかしたら、それは、私が、自分の力を試すための、ちょうどいい試練なのかもしれない。)

 

 「……わかった。その依頼も受けるとしよう。でも報酬はかなり高くつくと思うけど大丈夫か?」

 

 「……ああ、わかってるよ。あんたら腕はもう十分に知れ渡ったからな。それに、今回の冒険は、きっと、お前たち二人の新たな灯火になるだろう。そして、もしかしたら、お前たちは、この遺跡で、お互いの、新たな力を見つけることになるかもしれない」

 

 オールドはニヤリと笑った。その瞳は、まるで、全てを見通しているかのように、優しく、そして、力強く、輝いていた。


(……ああ、もう。本当に。けど、私は、彼のことは間違いなく信頼しているのね。)

 

 ……レイアは、依頼書を受け取り、内容を確認した。

 

 ……それは、以前自分たちが訪れた遺跡とは違う場所の、古代遺跡の調査依頼だった。そして、依頼書には、この先の冒険を予感させる、様々な古代文字と、図形が描かれていた。そして、それは、レイアの過去と未来、そして古代の魔術と、深く関わっているように感じられた。

 

 「……レイアさん、行きましょう。新しい冒険が私たちを待っています。そして、その先で、私たちが再び出会えることを信じています」


 ルイスがレイアにそう言った。その声には、希望と、そして、未来への期待が、込められていた。

 

 「……ああ、そうしよう。でも今回はちゃんと計画を立ててから出発することとしよう。そして、その先で、あんたが、新たな真実を解き明かしていくことを信じている」

 

 レイアは、微笑んだ。そして、それは、以前のような、皮肉な笑みではなく、優しく、そして、力強い、未来への決意の、笑顔だった。

 

 ……そして、その時、二人は共に、冒険者として歩んでいくことを、心の中で誓った。

 

 

 ……それは、レイアの持つ「鋼の剣」のような力強さと、ルイスの持つ「薔薇色の魔法」のような優しさが交わり、そして、未来を、切り開いていく誓いだった。そして、その力は、決して、二人だけではなく、世界を、変えていくと、確信していた。

 

 ……そして、レイアの赤いポニーテールは、喜びをあらわすように、大きく揺れた。

 

 ……そして、この物語はこれからも続いていく。レイアとルイスの冒険は、まだ始まったばかりなのだから。そして、その物語は、きっと、時を超え、未来へと、語り継がれていくだろう。

いかがでしたでしょうか。これで、最初のエピソードは完結です。

最初は、キャラモンとレイスとリンみたいなイメージで書き出そうかと思ったのですが、

自然とずれていきました。続きがどうなるかわかりませんが、

お楽しみに。

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