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ANZA-アンザ- 次元放浪者  作者: 有裏 杉
第一章 超大陸グラード編

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拘束

目が覚める。

気づくと暗闇の中にいた。

一面あたりは暗闇のはずなのに自分の身体だけは見えた。


「・・ここは?」


立ち上がるルパート。

周りを見渡すが、これと言って特徴的なものなどあるわけがなかった。


「ルパート・ジングウ。」


名前を呼ばれて後ろに振り向く。

目の前には老人がいた。


「あなたは・・前にも夢に出てきた・・?」

「然り。」

「・・いったい、何者なんですか。」


警戒をしながらも老人に問いかける。

老人は静かに佇みながら答える。


「お前を導く者、言わば保護者の様な者だ。」

「・・導く?・・保護者?まるで、親みたいな事を言っていますね。」

「親・・か。言い得ているかもしれんな。」

「え・・?」


老人がルパートに向かって人差し指を出す。


「ルパート、これからお前には困難が降りかかる。」

「困難・・?」

「王龍の子を守れ。それが、お前達の運命を変える。」

「王龍の子・・ウズタマの事か・・?」

「私に言える事はここまでだ・・目覚めよ。」


そう言い終わると老人がパチンと指を鳴らした。


「はっ!」


目が覚める。

窓から月光が差し込んでくる。

まだ深夜である様だ。


「さっきのは・・夢・・?」


おぼろげに思い出そうとする。

あの老人は何だったのか。


”ドンドン!!”


ルパートの部屋が強くノックされた。


「ルパートさん!起きてください!」


アリアの声だった。

酷く慌てた声をしていた。

ドアを開ける。


「アリアさん?」

「ルパートさん、大変です!直ぐ着替えてください!」

「え、いったい何があったんです?」

「ドルトンさんが、ドルトンさんが亡くなったんです!」

「・・!」


突然の事にルパートの脳は思考停止しかける。

が、直ぐに冷静さを取り戻した。


「直ぐ着替えます!」


寝間着から着替えなおし、アリアと共に現場へ向かう。

薄っすらと灯る廊下を走り抜けていくと、人だかりが出来ていた。

そこには、ぐったりと壁にもたれて倒れているドルトンと泣きつくマーサがいた。


「うあああ!!ああああ!!」


悲しみに溺れ、涙を流しているマーサ。

その悲しみはドルトンには届いていない。


「・・いったい、なんで。」


ポツリと呟くルパート。


「・・分かりません。騒ぎ声が聞こえたので来てみたら、既に・・。」


ドルトンの肌は既に冷たくなっているのか青白くなっていた。

さっきまで、あんなに元気だったのが嘘の様に思えた。


「どけどけ!!」


数人が廊下の奥から早歩きで向かってくる。

先頭にはマーレインと呼ばれていた男がいた。


「な、なんて事だ・・!長・・!」


ドルトンの亡骸を見て嘆くマーレイン。


「くっ・・!長を暗室に運ぶのだ・・!それと、マーサ様をお部屋に連れていけ!」

「はっ!」


マーレインの部下がドルトンの亡骸を運んでいく。


「マーサ様、今はお部屋で落ち着きましょう・・。」


泣き続けるマーサを使用人達が連れていく。


「マーサ・・。」


マーサを気にかけ、その後を追おうとするアリア。

しかし、マーレインの部下に遮られる。


「行かせてください!マーサが心配なんです!」

「おやおや、なんとお優しい。」


マーレインが語りかけてくる。


「フレア協会のクロノス・クロス、と言いましたかな?お気遣い感謝をいたします。」

「いえ、友人として当然です。」

「マーサ様と仲良くなられたのですね、実に素晴らしい・・ですが。」


マーレインの口調が変わる。


マナ・バインド(魔力拘束)。」


ルパートとアリアの身体が魔力で出来た拘束物に縛られる。


「なっ!拘束魔法!?」


魔法の能力なのか力が出ない。


「何をするんだ!」

「何を?それはこちら側が聞きたいです。」

「おい!離せ!!」


通路の奥から拘束されているティームが連れてこられた。

必死に騒いでいる。


「ティーム!」

「やれやれ。王龍に選ばれたとは言えども、この品がない態度には呆れる。」

「いったい、私達が何をしたというんですか!」


口調は厳しいが、アリアは冷静に問いただす。


「白々しいにも程があるな・・お前達の部屋の中からある物が見つかった。」


そう補佐が言い終わると部下から小瓶を複数受け取った。

緑色の液体が小瓶の中に入っている。


「なんだ、それ・・?」

「まだ白を切るか。貴様達がこの龍毒を使用して、里長を殺したのであろう!」


衝撃的な発言を突き付けられる。


「ど、どういう事だ!?龍毒!?って分からないが・・そんな物、俺達は持っていないし里長も殺していない!!」

「黙れ!貴様らの部屋からこの小瓶が複数見つかっているのが紛れもない証拠!里長が最後に合った人間はお前達だけ。大方、食事にでも混ぜたのであろう?」

「な、なんだって・・。」


身に覚えのない小瓶により、理不尽に問い詰められるルパート達。

混乱と悔しさが頭を行き来する。


「よって、貴様らを殺人の罪で拘束する!牢屋へ連れていけ!!」


拘束されている身体を強引に引っ張られるルパート達。

これが間違いなくおかしい事は明白であった。


「くっ!離せ!これは何かの間違いだ!俺達は無実だ!」

「そうです!私達は何もしていません!」

「くっそ!離せ、離せよ!!」


どうにか無実を証明しようと各々が訴える。

だが、それに耐えかねたのかルパートを拘束している一人が腕を振り上げた。


「いい加減に黙れ!!」


振り下ろされた硬い棒がルパートの頭を強く殴打する。

重い痛みと衝撃。

ぼんやりとアリアとティームがこちらに声をかけてくる様子が見えたが、ルパートの意識はそこで失われた。

お読みいただき、ありがとうございました!

濡れ衣を着せられたルパート達は、いったいどうなってしまうのか・・。

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