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 冒険者ギルドの訓練所につくと、あらかじめソディアさんが準備しておいてくれたおかげで結構広めのスペースが空いており、よくみると壁際にはカラスさんが立っていた。貸し切りというわけではないから普通に冒険者が模擬戦をしたりしているため、それを見ている人たちの中にうまく溶け込んでいる。

 俺の後ろから続々と冒険者が入ってくるのに気づいたのか、いったい何事かと訓練の手を止めてしまっている人もいるようだ。なんか悪いことをした気分……。


 訓練所について10分くらい経ち、結局集まってきたのは全部で20人くらいだった。正直、知っている冒険者は誰もいないが、聞こえてきた話によると何人かは高ランクの冒険者が混ざっているらしいな。最初に突っかかってきた巨人とか。


「そろそろ10分経つだろう。ユウカ様、我々があなた様をその男から取り戻してみせます」


 なんと切り出そうかを考えていると、最初に声をかけてきた巨人が俺越しにユウカを見て話す。ユウカにいいところを見せようと張り切っているのだろう。


「取り戻すも何もユウカはお前らのじゃねえだろうに」


「貴様のようなどこの誰とも知らんやつにユウカ様が寄生されるということは許されることではないのだ。痛い目を見る前に謝った方がいいのではないか?」


「謝る必要がないのにか? 無理言って空けてもらってるわけだし、そろそろ始めるか」


 俺はユウカたちに壁際まで下がるように伝えて連中から少し距離をとった。


「最初はこの俺だ。さっきは随分生意気なことを言っていたな。骨折で済ますと思うなよ?」


「あーそういうのいいから。全員でかかってこい」


「……なめているのか?」


「さっき無理言って空けてもらってるって言ったろ? 一人一人やるのは時間の無駄だ。どうせ結果は変わらん」


「ほう……死ね」


 俺の言葉にこめかみをぴくぴくとさせていた男は怒りが限度を超えたのか、上からメリケンサックのついた拳を振り下ろしてきた。


「『不動明王』」


 俺はそれを右手で受け止め、離れないようにそのままそのメリケンサックをつかんだ。拳の大きさに合わせて作られたものなので、厚さが俺の手よりも少し小さい程度だから結構ぎりぎりだな。

 巨人が拳を引こうとするが、『不動明王』を使った状態の俺の方がパワーは上みたいで動く様子はない。


「全員まとめてでいいんだろ? なら遠慮なく」


 巨人の腕に隠れるようにしながら刀を構えた男が向かってきた。鞘に納めたまま向かってくるところを見ると居合を得意としているのかな? 『気配察知(人)』でその動きを把握しがてら他のやつらの動きを探る。1人巨人の腕を足場に向かってくるやつがいるけれど、他は皆取り囲むように動いているらしい。


「見切れるかな! 居合・抜」


 巨人の腕の左側から男が姿を現す。ユウカで慣れているとはいえ、刀を素手で相手したくないから俺はその柄頭を左足の裏で止めた。鞘から刀身が見え始めたところで、スキルによって刀を抜く腕の動きが速くなる前で、無理に動きを止められた男はバランスを崩して前のめりに倒れそうになった。俺は柄頭を抑えていた足でそいつを上に蹴り上げる。こいつに合わせて巨人の腕を通ってきていた男にぶつけようとしたが、少しずれてしまった。ぶつけて止めることはできなかったが、跳び蹴りでまっすぐに向かってきた男の足を左手でつかんで回り込もうとしていたやつの1人に投げつける。頭から飛んでいった男と、それをもろに受けた男はリタイアのようだ。


 次のやつに対処するために俺は右手を離して腕の下に潜り込んだ。途中から引くのを諦めて押しこもうとしていた巨人が支えを失ってよろけ、その拳が降ってきた刀の男を殴り飛ばす。俺は頭上を過ぎるその腕を両手でつかみ、勢いを利用して巨人を投げた。すでに10人ほどが背後をとろうと回り込んでおり、そいつらを巻き込む形で巨人は壁に背中をぶつけた。壊れてないよな?


「そ、そんな、双剛拳とジャンパー、それに断ち切りがこんなにあっさりと」


「あの巨体を投げるなんてありえねえ」


 俺を囲もうと動いていた位置の関係で巨人に巻き込まれずに済んだ7人のほとんどの動きが止まっていた。『ダークランス』などは素手と違って手加減するのが難しいから魔法を使う気はないが、その気になればいい的でしかないな。


 巨人はまだ気絶していなかったらしく、のそりと動き出したのが見えた。双剛拳と異名で呼ばれるほどの冒険者なのだから当然と言えば当然か。

 俺は巨人が起き上がる前に他のやつらを片付けようと走り出した。そもそもが周りが動いてから動きだしていて、巨人が投げられたのを見て腰が引けているような連中だ。迫ってくる俺にビビって詠唱を止めてしまったり、力なく剣を振るだけだったりとひどく、軽く腹を殴ったり蹴りを入れただけでもあっさりとリタイアしていった。


「メテオラッシュ!」


 最後の一人を沈めて振り返ってみると、巨人が両拳を打ち付けながら向かってきていた。そして近づいてきたところで両腕を広げ、連続で突きを繰り出し始める。俺はその連続攻撃に合わせてそのメリケンサックを殴りつける。1発目で素手が痛かったからすぐに『ダークナックル・纏』で強化した。俺と巨人とではサイズ感がまるで違うが、スキルによる単調な攻撃ということもあって対応ができていた。


「くっ」


 お互いの攻撃にメリケンサックが耐え切れなかったようで、スキルによる連打が終わるのと同時にメリケンサックが砕けた。スキル発動中は痛みを感じなかったのか、よく見れば指も内部で出血しているようで青く腫れていた。その動揺とスキル後の隙を逃さずに前に踏み込み、跳びあがりながら下あごを殴りつけた。今度は投げた時とは違って頭から壁に突っ込んでいった。


「これで全員か?」


 巨人が動かないのを確認するためにしばし待ち、俺は訓練場中に響くように告げた。それに反応するような声はかえって来なかったが、『気配察知(人)』がそれ(・・)を捉えていた。


「こうなったら」


 一人の男が剣を構えてマナたちの方に走り出していた。その表情はどこか追い詰められているようにも感じる。

 俺は即座に『小規模ワープ』でその男の上に飛んで『獣の一撃』で男を地面に埋めた。


「マナたちを狙うなら容赦はしないって言ったよな?」


 頭が完全に地面にめり込んだ男は気絶したようで、手を離してもぴくぴくと痙攣するだけで起き上がらない。死んでないよね?


「ふむ……カラスさん! 後始末は任せていいんですか!」


 俺は壁際で様子を見守っていたカラスさんに大きな声で尋ねる。その存在に気が付いていなかったのか、訓練の手を止めて俺の戦いを見ていた冒険者の多くが俺の方に歩き出したカラスさんにびっくりしていた。


「一応聞きますけど、みんな死んでないですよね?」


「巨人の下敷きになったやつが死んでなければ死んでないと思います」


「ははは。一応彼らの治療と注意勧告はこちらでやっておきますので、お帰りいただいてかまいませんよ」


「もしまだ何か言いたそうなやつがいたら今度は怪我じゃ済まさないって伝えてください」


「了解しました。それではお気をつけて」


 俺はカラスさんに後を任せてマナたちと合流して館に帰った。



どうもコクトーです。


『刈谷鳴』

職業

『最大

 ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)

 盗賊  (50) 剣士 (50) 戦士 (50)

 魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)

 冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)

 狂人  (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)

 有効職業

 聖???の勇者Lv15/?? ローグ Lv42/70

 重戦士 Lv45/70   剣闘士 Lv41/60

 神官  Lv35/50   龍人  Lv5/20

 精霊使いLv12/40   舞闘家 Lv12/70

 大鬼人 Lv5/40   上級獣人Lv3/30

 魔導士 Lv5/90

 非有効職業

 死龍人 Lv1/20   魔人  Lv1/20

 探究者 Lv1/99   狙撃王 Lv1/90

 上級薬師Lv1/80 』

もう慣れてきましたかね? また遅くなってます。すいません。

この感じは少なくとも論文ができるまでは続きます。むしろ今年あと何話更新できるか…

教授から怒られてるしなぁ…


ではまた次回

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